異世界で目立ちたい!

紫 ヤタガラス

カルナクの恐ろしさ

「どうですか?体の痺れ具合は?だから簡単に人を舐めちゃいけないんですよ。これじゃ鏡のことあんまりバカにできないですよ」


「うる・・・さ・・・い。何・・・をし・・・た」


「痺れ具合はと聞いたら分かるでしょ?あなたの体は今痺れて動けないんですよ。まぁ私の能力は相手を痺れさせるだけじゃないですけどね」


 アルダスはしばらく痺れて動けず、カルナクは余裕ぶっていた。


「早く倒さないともうじき痺れが治るぜ。こんな感じで喋れるようになってきたからな」


「それじゃ遠慮なく。ランダムシュート!」


 カルナクは決め手に能力を使った攻撃を放った。しかし、そこで運悪くアルダスの痺れがとれたため回避されてしまった。


「危ない危ない。なめてちゃいけねぇよな。あんなに鏡のこと散々言ってたのによ。自分でもなんでこんな余裕ぶっていたかわからないくらいだぜ。それじゃ仕切り直しで今から本気で行くぜ」


 アルダスは装備していた斧を腕に持ち構えた。


「なら私も行きますよ。もう一発ランダムシュート!」


「ふん!」


 アルダスが斧で薙ぎ払うと風が吹き、その風でカルナクが投げた飛び道具が勢いをなくし、地面に落ちた。


「この斧を使うまでに至るとは思わなかったぞカルナクよ。だがこれを抜いたのなら俺は闘将として負けることは許されないのでな。そろそろ決めさせてもらうぞ」


 アルダスが斧を持ちゆっくりとカルナクの方へと向かってきた。


「そんなこと言われてもできるだけ足掻いて見せますよ。同盟がかかっているらしいのでね」


 そう言った後、カルナクは手に小型のナイフを装備して、高速でアルダスに近づいた。


「私はたしかに一つ一つの攻撃はさほど効かないかもしれませぬが、そのためのこの異能力なんですよ」


 カルナクはアルダスがの懐に入り、ナイフを腹部に向かって斬りつけようとしたが、アルダスが斧を持っている柄の部分でガードされた。
 しかしガードされたにもかかわらずカルナクは笑っていた。


「何がおかしい?攻撃を防がれてなぜ笑っている?不気味なやつ・・・ぬぉ!」


 そこまで言うとアルダスの様子がまたおかしくなった。


「な・・・ぜ・・・また・・・痺れ・・・」


「私の攻撃は武器でガードしても意味ないのだよ。装備した武器でガードしたならね。それじゃ今度は治る前に決めさせて貰いますよ」


 カルナクはポケットから手にはめるグローブを出し、装備した。


「グローブに付与!力倍増3倍・・・。くらえグローブインパクト!」


 カルナクが痺れているアルダスに近づき腹に思いっきり能力を付与した装備でぶん殴った。


「ぐふぉあ!」


 アルダスは吹っ飛んで壁に激突し、気絶していた。


「こんくらいでいいダーラス様?」


 カルナクはアルダスたちの模擬戦を見ていたダーラスに聞いた


「アルダス戦闘不能によりこの模擬戦カルナクの勝利とします」


 こうしてカルナクVSアルダスの模擬戦は意外にもカルナクの勝利で終わった。

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