異世界で目立ちたい!

紫 ヤタガラス

ベルナとアワリオ

「それであんたがこの帝国の偉いやつかな?」


「まぁ立場的に言えば偉い人だね。依頼出したのも私だしね。報酬は何が欲しいんだい?言ってみ言ってみ」


 アワリオは依頼を出したが報酬内容は決めていなかった。ただ報酬のを記載してある紙には「私の出来る範囲で願いを叶えます」とだけ書いてあった。


「というかアワルディア帝国でばら撒いていた依頼の紙なんてよくひらったもんだね。紙を持っていたということはその時にでもアワルディア帝国に来ていたのかな?」


「いやたまたまターゲットにしていた相手の所持品の中にこの紙があっただけだよ。でもアワリオさんだっけか?ダーランマさんに紹介してもらったとか言ってたけどこれじゃ全然話がかみ合わなくないか?」


「何が?」という風にアワリオはベルナに聞いた。


「いやなんか俺を紹介してもらってめっちゃ使えるな風にさっき言ってたじゃないですか」


「そうだっけ?まぁ細かいことは木にするなよ!依頼通りの秋月チリンを連れてきたんでしょう?早く頂戴よ」


 少し話がかみ合わないでイラッとしたベルナだったが、早く依頼を終わらせて、願いを聞いてもらい早々に立ち去ろうと思ったので、ベルナはアワリオに秋月チリンを渡した。アワルディア帝国までの道中、帝国に向かっていたベルナは肩に担いだ感じで秋月チリンを抱えていた。急いで向かっていたため激しく揺れまくり、何度もチリンは起きそうになったがその度にベルナが首をバシッと叩き何度も気絶させていた。


「どうぞ。依頼内容の女、秋月チリンだよ」


 アワリオはベルナが秋月チリンと呼ばれた女性を地面に置いた時「やはりな」と思っていた。何かを考えていたのは確かだった。


「よし、じゃあ報酬をさっさと言いたまえ」


「言われなくても。今度私が他の切り裂き魔仲間を連れて帝国に来るからその時、帝国の傘下に入れてくれ」


 ベルナが切り裂き魔を帝国の傘下に置いてくれと言った時、アワリオは「そんなことでいいのか」と聞いた。


「ああ。我々はもうガイアラン皇国に目をつけられている。このまま行けば我々は完全に倒されて牢屋に入れられるだろう。ならば巨大な力のもとにいれば少しでも対抗できるし、それにアワルディア帝国はガイアラン皇国よりも強いと思うからな。だからアワルディア帝国側につくことをお願いしたい」


「わかった。俺より偉い人に頼んでおいてやるよ。今帝国をまわしている人にな。後これをやる」


 アワリオはそう言ってベルナに玉状の薬が入った袋を渡した。


「何だこれは?」


「これは実験薬だからタダでやるよ。まぁ効果は試してないから分からないが、強くはなれるぞ確実にな。それだけは言える」


 そう言ってもはや無理やり薬をベルナに渡した。後にこれがベルナがナハトに渡した、異能力向上の試薬である。



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