異世界で目立ちたい!

紫 ヤタガラス

切り裂き魔の団結力

「俺はアワルディア帝国の傘下に入り名を挙げる。切り裂き魔なんかで終わる気は無いんだ。もしも俺についてくるならダーランマにリーダーたちも入れるようにお願いするがどうだ?」


 ベルナは言った。切り裂き魔の2人、ドントとテズルカに聞いたが、テズルカ達はベルナがもうすでに自分は傘下に入れると言ったような言葉が気になった。


「ベルナ。貴様はまるで自分だけがもう傘下に入れるような感じの言い方だがそもそも傘下に入るのに条件なんてあるのかアワルディア帝国は?」


「まぁ条件なんてないよ。ただいい立場を開けてもらってる。今ダーランマは大きな部隊を作ろうとしているんだ。そこのリーダー格に入れてもらえるようもう話はつけてある」


 ベルナは2人にそう言った。


「そうか。いいだろうならばお前にしばらくついて行ってやるよ。ただし危険だと分かれば俺はお前を殺す。ドントはどうする?」


 テズルカはドントに聞いた。ドントは


「リーダーが行くなら俺もついて行くよ。切り裂き魔に行くあてはないからね」


「確かに」とテズルカは笑いながら言った。


「よし。では準備が出来次第アワルディア帝国へ向かうぞ。帝国までは頼むぞ。ベルナ」


「了解。リーダー、ドント、急なことなのに納得してくれてありがとう」


 ベルナは頭を下げてお礼を言った。テズルカは「構わんさ」と言った後、辺りを見回しもうひとりの切り裂き魔を探した。


「ところでさっきからアンラのやつをを見ないがやつはまだ来ないのか?」


 テズルカは2人に聞いた。ドントはアンラがどこにいるか知らなかったので首を横に振った。ベルナはついて来てくれる2人に嘘はつきたくなかったので「アンラは私が始末した」と2人に話した。


「なぜアンラを殺したんだ?」


「あいつは身勝手な理由でナハトを利用し、1人をさらってくるまで拠点に入れないと負傷していたナハトを追い出していた。そんな勝手なやつ信用できない。だから始末した」


 それを聞いたテズルカは腕を出せと言ったような感じで、ベルナに合図を出した。ベルナはけじめかなと思い、腕を出した。そしてテズルカはベルナの腕を少し切り裂いた。


「くっ!」


「いいか。これがお前への罰だ。勝手なことをしたな。だがアンラのやつが俺ら切り裂き魔の誰かを殺そうとしていたのかは雰囲気でなんとなく感じていた。それにナハトのことは俺達にも責任がある。だからこれから何かする時は相談しろ。俺はお前のリーダーなんだからもっと頼れよ、まぁアワルディア帝国に仕えたらお前の方が立場多分上だけどな」


「はははは」と笑いながらテズルカは言った。テズルカはベルナの腕に傷を入れてアンラのことを水に流した。ただそのつけた傷は治すことは許さないと言われていた。


「じゃあ気を取り直して準備ができたらアワルディア帝国に向かうとしようぜ」


 テズルカがそう言って3人は準備のために一度ばらけた。






 その頃、ヴラドリオの加勢に向かったカルナクは現場につき、倒れているヴラドリオを見て嘆いていた。


「クソ。やっぱりヴラドリオ様を1人にして行くんじゃなかった。まさかこんなことになっているなんて」


 カルナクはヴラドリオが生きているかわからなかったため体を揺すったりした。


「うっうん」


「よかった。まだ息がある急いで今度は皇国へ戻ってダーラス様に治療してもらわねば」


 そう言ってヴラドリオの生存確認をした後、ヴラドリオを背負い、皇国へと向かった。

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