異世界で目立ちたい!

紫 ヤタガラス

ナハトの異変

「ウガァァァァァ‼︎」


 暴走した状態のナハトはアルダスに異能力を放つ。


「そんな攻撃きかねぇな‼︎」


 アルダスは背中に装備していた武器を出し、ナハトの糸攻撃を軽々しく切った。


「ガイ‼︎ダーラスたち見ないけど何処に行ったんだよ〜?」


「ダーラス様はイナハル様を連れて病院に行きました。イナハル様が今にも死にそうな状態だったので急いでダーラス様に頼んで病院へ行けと言いました」


 アルダスはダーラスたちのことをガイに聞き、ガイはダーラスたちのことをアルダスに説明した。アルダスはイナハルがナハトに死にかけの状態にまでされたのがにわかに信じられなかった。


「イナハルほどの男がそんな状態になるわけないじゃないか‼︎」


とガイに言った。しかし、ガイが来た時にはもうすでにイナハルは腹を貫かれて倒れていた為アルダスにそういう風に言われても分からなかった。


「私が来た時にはもう2人とも倒れていたので私に聞かれてもわかりません師匠」


 ダーラスたちがとりあえず病院に行ったことがわかったアルダスは油断せずにナハトを倒そうと思っていた。ちなみにガイは無視されていた。


「さてと暴走して言葉がうまくしゃべれてねぇみたいだし早々に片付けねぇとな。仕方ねぇあんまり見せたくないがお披露目といくか」


 そういうとアルダスは自分の武器、斧を持って両腕を上にあげ、体が隙だらけの状態で構えた。


「師匠‼︎そんな構えじゃ飛び道具を放たれたらまともにくらいますよ‼︎」


 ガイはアルダスの隙だらけだった構えを見て言った。アルダスは一瞬だけガイの方へ振り向き、ニヤリとガイに向けて微笑んだ。ガイはそれを見てアルダスには何か秘策があるんだなと思った。


「ウガァァァァァ‼︎」


 ナハトは糸攻撃を使わずに本能のままにアルダスに向かって突っ込んだ。そこでアルダスは勝利を確信したのか、両断の構えに入った。そしてナハトがアルダスの懐まで近づくのを確認するとアルダスは斧を振り下ろした‼︎


「くらえ切り裂き魔‼︎必殺‼︎スラッシュ‼︎」


 アルダスは斧を振り下ろした。ナハトはそれに少し早く気づいたのか少し後ろに下がった。そのおかげでナハトは体を両断されずに済んだが体の皮膚を少し大げさに斬られていた。


「ウガァァァァァ‼︎ァァァ」


「仕留め損なったか、、、。しかしダメージは与えた。ならば突っ込んでトドメをさすのみ!」


 そう言ってアルダスが突っ込みトドメをさそうとした時、ナハトにまた異変が起きた。何とナハトが自分の能力、糸を体に巻きまくり始めた。


「何だ何をしているんだあいつは⁉︎あれだけ異能力を使えばさすがにあいつにも限界がくるはずなのに‼︎あいつ痛みを感じてないのか⁉︎」


 アルダスはかなり慌てていた。無理もない、何故ならナハトは自分の糸を体に巻きつけていき、やがて大きな糸の体をした化け物になったからである。


「ウゴァァァァァ‼︎」


巨大な糸の化け物が咆哮を上げた。その場にいた4人はナハトだった巨大な化け物を見て唖然としていた。

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