異世界で目立ちたい!

紫 ヤタガラス

3人の道

「さぁ手分けして種賀谷の痕跡を調べる前にとりあえず秋月が種賀谷と別れたところまで案内してくれ」


「うん分かった。ついて来て」


 理人はチリンについていき、マールン草原にいた時石の巨人に襲われたところまで連れて行った


「確かこの辺だったと思うんだけどどうかな鏡君?」


「何もないなここら辺にはそれに2日ぐらい経っているにしても死体もないからな。多分種賀谷は無事だと思うよ」


チリンはホッとし


「それが分かっただけでもよかった」


と泣いていた


 「では種賀谷がどこに行ったか何か手がかりがあるか周りを探してみよう」


そう言いチリンと理人は実里の捜索を開始した






 その頃、実里は


「では君が記憶をなくす前の約束を我々は果たすから君はここでゆっくり休んでいたまえ」


「分かった」


弓道寺は記憶をなくす前の実里との約束、マールン草原にレジスタンスの仲間を向かわせて実里がこれからどうするかを伝えに行った


「種賀谷では君はレジスタンスのどんな職に就きたい?前衛で戦うか、先頭の後方支援の方に回るか後は俺たちが帰って来た時、飯などの世話をするなどといったもんがあるがどれをやりたい?」


実里はしばらく考え


「私は前衛で戦いたい。前衛でみんなを護りたい」


「ならば剣士や盾を持ってタイミングよく攻めさせるガードマンがあるがどうする?」


「両立できるものはないのか?」


「剣士でやろうと思えばできるが相当な訓練がいるぞ?それに耐える覚悟はあるか?」


「もちろんだ。私は強くなりレジスタンスの核の部分になりたい」


「では俺がお前を鍛えよう。甘い考えは捨てておけよ俺の指導は厳しいからな」


「弓道寺これからはよろしく頼む」


こうして実里の異世界のこれからは決まった






 理人とチリンはしばらく種賀谷の痕跡を調べていたがやはり何も見つからず諦めて帰ろうとしていた


「またくればいいさ。何度か来てみればその内ひょっこり出てくるかもしれないから今はあいつを信じて今日は帰ろう」


チリンは涙目になりながら


「確かにこれ以上探していたらお店の店主さんにも迷惑かけるかもしれないから今日は帰るしかないね。うぅぅ」


と諦めて帰ろうとしたところでマールン草原に黒いローブの謎の男が現れ


「お前たちが鏡理人、秋月チリンだな」


と訪ねた
理人は武器を構えチリンに


「さがってろ」


と言い後ろに下がらせた


「待て先頭の意思はない。お前たちの関係者から言伝があるので伝えに来た。これを言えば私は帰るからよく聞いておけ」


と男は言い続けて言った


「“私のことは気にするな君たちは君たちの好きな道を進みたまえ。次に会うときはきっと合流する。だから今は別の道を進もう。次に会うときは君たちの成長を心待ちにしている。だからまた会う日まで”」


男は告げた後去っていき、チリンは泣き崩れていた


「無事で本当に生きていて良かった」


そう呟き泣いていた。
 こうして理人は冒険者、チリンは街のアルバイト、実里はレジスタンスとして新たな異世界生活か始まろうとしていた

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