冒険者が女主人公でも良いじゃない。
今日は朝からお仕事です(5)
医者が部屋を去ったあと、
私は少年の眠るベッドの側に椅子を寄せる。
眠っている少年の顔は色白であどけなさがあった。
少年の右手にさわってみると少し冷たく小さくて細い。
少年の手を握ってみると軽く握り返されたような気がして、
どこか安心する自分がいた。
空いている右手で少年の頭を撫でると、
何故だか心地よかった。
しばらく頭を撫でていると不意に睡魔が襲ってくる。
次第に意識が薄れて行き私は少年の眠るベッドへ、
うつ伏せになるように眠ってしまった。
柔らかい布の感触を顔に感じながら目が覚める。
目を開けるとぼやけた茜色が目に入る。
だんだんと意識が覚醒して行き、
自分が眠ってしまっていたことに気づき、体を起こす。
それと同時に私の背から布が落ちる。
誰かがかけてくれていたのだろうか。
落ちた布を取ろうとすると左手に何か握っている感触に気づく。
手の先をたどると目を覚ました少年がいた。
「おはよう」
と少年に声をかけると少年は小さくうなずいた。
「これかけてくれたの?」
と聞くと少年はまた首を小さく縦にふる。
「ありがと」
と良いながら頭を撫でると少年はぎごちなく照れ下を向いた。
そうしていると部屋の戸が開く音が部屋に響く。
「おはよう。少しは休めたかい?」
「はい。むしろ少し眠りすぎました」
「それだけ疲れていたんだろう。彼とはもう話したかい?」
「ほんの少しだけですが」
「なるほど。彼はちょうど1時間位前に、
私が部屋に入ったときに目を覚ましていてね。
少しはなしたんだがどうやら自分の身元に、
心当たりが無いようなんだ。住むところや知人、
自分の名前も同様にわからない」
「そうですか」
そして少し間を空け少年に話しかける。
「その、きっとここに来る前の事は、
忘れているだけだと思うんだけど、
思い出せるまで私と一緒に暮らさない、かな」
少年は声を出すように口をあけるもそこに音はなかった。
それはまるで喉に何か詰まっているかのように見えた。
少年は顔を落とし少しの沈黙が流れる。
少年は必死に細い右腕で体を動かし私の方に体を寄せる。
そして私の右腕に抱きつき私の顔を見上げる。
少し戸惑いながら私は口を開く。
「つまり、その、
しばらくは一緒に暮らすってことで、いいのかな?」
少年は大きく頭を縦にふる。
「ってことで話はまとまりました」
「そうか。まぁ私がとやかく言うことは無いだろう。
何かあればまたうちを訪ねなさい。
あと冒険者から洞窟の奥から走ってきた、
血だらけの女性が置いてった荷物を持ってきたって人が
君の荷物を置いていったよ」
血だらけの女性って(苦笑)
「その方のお名前ってわかりますか?」
「それが荷物を置いたら名前も言わず、
すぐ去ってしまってね。男性だということしかわからない」
「そうですか」
「何かあればこちらから連絡するさ」
「ありがとうございます」
「君の荷物は結構重そうだったが今日持って帰るかい?」
鞄に鉱石を入れたことを思いだし、
少年を抱えながらは難しいと判断した。
「重いものだけここから自宅に飛脚で送ります」
「わかった。飛脚の手配は私がしよう。
少年を腕で抱えるのは無理があるだろうし、
この布で背にくくるといい」
そう言って医者はおんぶひもの要領で私の背に少年を乗せた。
「さ、今日はもう帰りなさい。すぐに暗くなる」
「そうさせていただきます。色々ありがとうございました」
そう言って飛び込んで入った医者を後にする。
主人公のキャラが早くも自分の中でブレ始めております。
私は少年の眠るベッドの側に椅子を寄せる。
眠っている少年の顔は色白であどけなさがあった。
少年の右手にさわってみると少し冷たく小さくて細い。
少年の手を握ってみると軽く握り返されたような気がして、
どこか安心する自分がいた。
空いている右手で少年の頭を撫でると、
何故だか心地よかった。
しばらく頭を撫でていると不意に睡魔が襲ってくる。
次第に意識が薄れて行き私は少年の眠るベッドへ、
うつ伏せになるように眠ってしまった。
柔らかい布の感触を顔に感じながら目が覚める。
目を開けるとぼやけた茜色が目に入る。
だんだんと意識が覚醒して行き、
自分が眠ってしまっていたことに気づき、体を起こす。
それと同時に私の背から布が落ちる。
誰かがかけてくれていたのだろうか。
落ちた布を取ろうとすると左手に何か握っている感触に気づく。
手の先をたどると目を覚ました少年がいた。
「おはよう」
と少年に声をかけると少年は小さくうなずいた。
「これかけてくれたの?」
と聞くと少年はまた首を小さく縦にふる。
「ありがと」
と良いながら頭を撫でると少年はぎごちなく照れ下を向いた。
そうしていると部屋の戸が開く音が部屋に響く。
「おはよう。少しは休めたかい?」
「はい。むしろ少し眠りすぎました」
「それだけ疲れていたんだろう。彼とはもう話したかい?」
「ほんの少しだけですが」
「なるほど。彼はちょうど1時間位前に、
私が部屋に入ったときに目を覚ましていてね。
少しはなしたんだがどうやら自分の身元に、
心当たりが無いようなんだ。住むところや知人、
自分の名前も同様にわからない」
「そうですか」
そして少し間を空け少年に話しかける。
「その、きっとここに来る前の事は、
忘れているだけだと思うんだけど、
思い出せるまで私と一緒に暮らさない、かな」
少年は声を出すように口をあけるもそこに音はなかった。
それはまるで喉に何か詰まっているかのように見えた。
少年は顔を落とし少しの沈黙が流れる。
少年は必死に細い右腕で体を動かし私の方に体を寄せる。
そして私の右腕に抱きつき私の顔を見上げる。
少し戸惑いながら私は口を開く。
「つまり、その、
しばらくは一緒に暮らすってことで、いいのかな?」
少年は大きく頭を縦にふる。
「ってことで話はまとまりました」
「そうか。まぁ私がとやかく言うことは無いだろう。
何かあればまたうちを訪ねなさい。
あと冒険者から洞窟の奥から走ってきた、
血だらけの女性が置いてった荷物を持ってきたって人が
君の荷物を置いていったよ」
血だらけの女性って(苦笑)
「その方のお名前ってわかりますか?」
「それが荷物を置いたら名前も言わず、
すぐ去ってしまってね。男性だということしかわからない」
「そうですか」
「何かあればこちらから連絡するさ」
「ありがとうございます」
「君の荷物は結構重そうだったが今日持って帰るかい?」
鞄に鉱石を入れたことを思いだし、
少年を抱えながらは難しいと判断した。
「重いものだけここから自宅に飛脚で送ります」
「わかった。飛脚の手配は私がしよう。
少年を腕で抱えるのは無理があるだろうし、
この布で背にくくるといい」
そう言って医者はおんぶひもの要領で私の背に少年を乗せた。
「さ、今日はもう帰りなさい。すぐに暗くなる」
「そうさせていただきます。色々ありがとうございました」
そう言って飛び込んで入った医者を後にする。
主人公のキャラが早くも自分の中でブレ始めております。
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