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冒険者が女主人公でも良いじゃない。

十徒

今日は朝からお仕事です(3)

人の姿を確認し松明を投げ置きすぐに駆け寄る。
そこには一人の男性、というより小柄な少年がいた。
その少年は血だらけで倒れていて、
左腕は肩から両足は膝上から無かった。
「大丈夫ですか?!」
と何度も声をかけるが返事はない。
口元に耳を当てると微かにだが息はある。
「なんでも良い!返事をして!」
そう言うと少年は微かに呻き声を上げる。
意識はあるようだ。
この場で私が出来ることは無い。
助けを呼びに行くにも恐らくそこまで少年はもたない。
私は持っていた荷物を全部置き、少年を抱えて町まで走る。
途中で他の冒険者に声をかけられた気がしたが、構わずに走る。
洞窟を出たところで空の荷車を見つける。
「この荷車、貸してもらえませんか!」
息を切らしながら持ち主に声をかける。
「どうした嬢ちゃん血だらけじゃないか」
「洞窟の奥でこの子が、、とにかく医者に見せたいんです!」
「分かったからとりあえず落ち着きな。
医者まで乗せてやるから早く乗りな」
「お願いします!」
そう言って荷車の持ち主は私と少年を乗せ走り出す。


気づいていなかったが20分程走り続けていたようで、
かなり息が上がっていた。
「大丈夫?」
「、ぅぅ、、」
さっきより小さいがまだ意識はある。
洞窟を出て少したったところだ。
「着いたぞ」
「ありがとうございます、これ少ないですけど」
「そんなこと良いから早く見せてやりな」
そう言ってチップを出した手は戻された。
軽く会釈をして医者へ駆け込む。


「すみません見ていただけますか!」
「すみませんまだ診療時間外でして」
と看護師らしき人が言う。
「そんなことを言ってる場合では無さそうだね。
早くこっちへ来なさい」
そう言って医者は私を診察室に誘う。

「彼は君の知り合いかい?」
「いいえ、洞窟でこの姿でいたのを見つけました」
「なるほど、彼の意識は?」
「さっき確認したときにはまだあるようでした」
「わかった」
そう言って医者は少年の首筋の左側辺りに手を当てた。
すると突然少年から力が抜けたような感覚を、
抱えている腕に感じる。
「あのっ!」
「大丈夫、意識を落としただけだ。
ここまでひどいと止血は痛むからね。
彼はここの台に置いてくれないか」
「わ、わかりました」
私は少年をを診察台のようなものの上に移した。
「ありがとう。あとは私に任せて君は少し休んでると良い。
処置が済んだらまた呼ぶから」
私は言われるがままに隣の部屋に移った。

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コメント

  • 侘助

    主人公大事な依頼物置いて少年を医者まで運ぶところカッコイイ!

    0
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