俺のスキルが回復魔『法』じゃなくて、回復魔『王』なんですけど?
第百十三話 航海、その限られた空間でする食事会
「――さん、カケルさん」
ん……? 何か遠いところから声が聞こえて……?
「カケルさん、開けますよ?」
「あー……」
ガチャリと扉が開く音が聞こえ、うっすら目を開けるとティリアとルルカが入ってくるのが見えた。
「あ、起きてたね。そろそろご飯食べに行かないかなって?」
「ふあ……サンキュー、寝起きだから軽い物を食べたいかな」
「リファは先に行ってますよ、フフ、久しぶりにゆっくりお食事……楽しみですね」
「……お財布と相談だよお嬢様……」
ベッドから降りて靴を履いた所で俺はふと思う。
「クロウ達は?」
「んー、あの大きな人は娯楽室にいたかな? 他の人は見てないよ」
「あまり持ち合わせがないと言ってたし、俺が出してやるか……腹が減るのは辛いからな」
何故かニコニコしている二人を連れて、俺は隣のクロウの部屋をノックする。
「起きてるか? 飯食いに行こう」
すると、中からクロウが返事をしてきた。
「僕達はお金が無いから気にしなくていいよ。カケル達だけで行ってくればいい」
「それは俺が出すから大丈夫だ。俺達だけしっかり食べるのはちょっと気が引ける」
「……お人よしもいい加減にしないといつか足元をすくわれるぞ? さ、僕は休むから早く行って……」
ぐぅ~
クロウが呆れたような口調で追い返そうとしたが、扉越しでも聞こえてくる腹の音が聞こえてきた。こうなったら実力行使だ! 俺はノブを回すと、鍵がかかっていないことを確認し一気に突入する!
「うわ!? 勝手に入って来るな! あ、こら抱え上げるんじゃない!? 降ろせ!?」
「ふははは! そう言われてはいそうですかと降ろすヤツは居ない。ましてみんなが恐れる魔王だぞ? さ、飯だ飯。トロベルも呼ぼう。レオッタは?」
「カケルさんは優しいですね。レオッタはリファが一緒ですよ。話を聞きたいと、リファが連れて行ったんです」
なるほど、バタバタしてクロウ以外とはロクに話したことが無かったからいい機会かもしれないな……。
クロウに続き、青い顔をしてベッドに潜りこんでいたトロベルを引きずり出して俺達は食堂へと向かう。
「……うぇ……食べるかな……」
「ま、ダメそうなら飲み物だけでももらっとけ」
「お手数かけます……」
食堂へ到着すると、リファとレオッタ、そして大男が着席していた。結構広いが……。
「そういや乗組員とか居ないのか……? 全然姿を見ないけど……」
「言われてみれば……」
ティリアも首を傾げて考えるが、厨房からコックが顔を出してきて思考を中断させられた。
「おう、お前等か! 頭のお気に入りってのは! 俺はツィンケル、見ての通りこの船のコックだ」
金髪を短く切りそろえてコック帽を被ったツィンケルが手を上げて挨拶をすると、奥からもう一人女性が出てきた。
「若いのが多いね、たくさん食ってくれそうだ。あたしはシャルム、よろしくね!」
中肉中背で、薄いスミレ色の短髪の女性が人の好い笑顔を覗かせていた。
「俺の奥さんだ! 羨ましいか? やらねぇぞ! うぁっはっはっは!」
元気のいい夫婦だ。見たところ30代前半くらいか? 二人とも日焼けをばっちりしているので、この船専属なのかもしれない。俺達はそれぞれ自己紹介をした。
「いい匂いがしますね、カケルさん……」
「ああそうだ……」
「――だ」
俺がティリアの言葉に気を取られている間に、大男が自己紹介を終えていた! しまった、名前を聞きそびれてしまった……!
「ぬう……」
「どうしたのカケルさん? ほら、注文しようよ!」
ルルカに腕を引かれ、俺はカウンターにいるツィンケルと顔を合わせる。
「このメニューに書いてあるものならだいたいできるぜ。食材も補充したばかりだからな」
「オススメはカニとエビのクリームシチューだね。パンと一緒に食べ……」
「メニューのここからここまでをください!」
シャルムさんが言い終わる前に、ティリアが元気よく、そして目を輝かせて叫んだ。
「あー……海の幸、そういえば楽しみにしてたな……」
「そうだったね……お嬢様、食べられるんですか? 結構いいお値段しますよ?」
「大丈夫です! お金はここに!」
内ポケットでもあるのか、財布を取り出してお札を見せるティリア。確かに結構持っている。お金が無くてももう止められそうにない。そんな雰囲気でもあるが……ティリア達が問答を繰り広げている間に俺達もメニューを見て決めることにしよう。
「クロウ、何にする?」
「……本当にいいのかい?」
「子供は食って寝て大きくなるのが仕事だろ、遠慮するな」
「私は大人だけどいいのかしら~?」
うふふとレオッタが俺の首に抱きついてくるので慌てて振りほどく。
「止めとけ、割と血を見るぞ」
主にリファとルルカの手によって。俺がそう言うと、ウインクしながら言う。
「あん、残念♪ それじゃ私は遠慮なくいただくわね、コーンスープとパン、それとサーモンのマリネ、後は牛肉のワイン煮って気になるわね。それとワインを一本~♪」
お、景気よくいったな、酒か……たまにはいいな……。
「あいよ、そっちの具合が悪そうなのはどうするね?」
レオッタの注文をメモし、トロベルへと声をかけるシャルムさん。トロベルはフラフラしながら注文を口にした。
「……ぱ、パンとオニオンスープ……それとぶどうジュースをお願いします……」
「食べないともたないよ? まあいいけどさ。あんたは?」
「俺もいいのか?」
「おう、もう面倒だから全員俺もちでいい。ティリアもな」
「本当ですか! ほら、カケルさんが出してくれるそうですよ! お金の心配いらないじゃないですか、では先程の注文で……」
「マジか、ちょっとこれでも食べて待っててくれ」
「ありがとうございます!」
ツィンケルさんはティリアに生ハムとチーズを渡し、奥へ引っ込んで行った。横目でそれを見ていると、大男のオーダーが通っていた。
「俺はブリの焼き魚にライスを頼む。両方大盛りでな。後は冷えたビールに枝豆を頼む……!」
「お前も酒を飲むのか……いいのか女神の教徒が酒飲んで」
「こういう時だからこそ飲むんだよ! 今俺達は帰ってるだろ? 外に出ることができなくなったらまた質素な食生活だ……その前に食わないとな!」
「ああ、そういう……クロウは決めたか?」
「ぼ、僕はフォレストボアのステーキに、するよ……ほ、本当にいいんだな!」
「お、おう、全然いいぞ。ジュースも頼んどけ」
「じゃあそれも頼む!」
「はいはい、お兄さんも大変だねぇ」
「違うからな?」
俺は間違いを正しながら、注文をする。先程のクリームシチューは美味そうだったのでそれと、エビの丸焼きにした。そしてちょっとだけならと、ビールも頼んだ。どうせ船を襲ってくるヤツは居ないだろうしな……。
グラオザムのことが少し頭をよぎったが、手傷を負っている状態でこっちを追いかけてきているとは思えない。そして俺達を殺すことより、他にやることがありそうな感じもしたというのもある。
そんなことを考えながら俺達は料理が来るのを待つ。お代はお帰りで、だそうだ。まあ海の上だから逃げられないけどな!
「そういや、この船、乗組員が少ないんじゃないか? 全然見ないんだけど」
「あー、あんた達を迎えに行っている間に全員休んでたからだろう。今から全力で飛ばすと頭が言ってた。明日甲板に出れば会えると思うぜ」
めっちゃ手の動きが早いツィンケルさんが奥から俺の言葉に返事をしてくれる。ティリア、一体どれくらい頼んだんだ……? ま、それはそれとして俺は向かいに座るクロウに話しかける。
「とりあえず聞いておきたいんだが、アウグゼストってどんなところなんだ? ティリア達は知ってるか?」
「私はあまり外に出ることがなかったので詳しくは……」
「ボクは噂程度かな? あまり行く必要がないからね」
「私も二人と同じだ。聖女殿に会う予定は一度だけあったが、私が熱を出して流れてしまったことがある」
結論、三人はアウグゼストへ来たことはないらしい。するとクロウが話しだす。
「目立っておかしなところは無いよ。狭い島だけど、聖堂とは別にきちんと町はあるし、他の大陸と船で交流もある。ただ……」
「ただ?」
「……勧誘は気を付けた方がいい。僕が言うのもなんだけど、しつこいやつはしつこいんだ……」
ああ、そういやユーキの母親、ノーラさんがつかまっていた時も何かねちっこい奴だった気がする。続けて横に座っていた大男が手を前に出して言う。
「町にも教徒はいるが、俺達のように従事しているわけじゃない。あくまで、お祈りをするとかそういったレベルだな」
「なるほど……興味はあるかな、ボクは」
ルルカが目を光らせてニヤリと笑う。
しかし、町が普通というのはありがたい。全部が全部、教徒だったらヘタをすると全員敵に回しかねないと思っていたからだ。それに普通の町ならメリーヌ師匠もどこかに潜伏している可能性が高いから無事かも、とも。
「……後は食べながら話をしましょうか♪」
レオッタが手を組んで舌を出す。目の前に置かれた極厚のステーキを前に、クロウも珍しく目を輝かせている。漆黒の刃を使って俺と戦っていたあの姿はどこへやらだ。
「……ああ、ぶどうジュースが染み渡る……」
何とかトロベルも持ち直したようだ。
ティリアの料理は全部揃っていないが、食べる物はある。そこで俺はビールを掲げて声をあげた!
「それじゃ、いただきまーす!」
俺に続いて、みんなも声をあげる。
料理は美味しく、大男とレオッタ、そして俺の酒も進む……!
だが、それがいけなかった……。
ん……? 何か遠いところから声が聞こえて……?
「カケルさん、開けますよ?」
「あー……」
ガチャリと扉が開く音が聞こえ、うっすら目を開けるとティリアとルルカが入ってくるのが見えた。
「あ、起きてたね。そろそろご飯食べに行かないかなって?」
「ふあ……サンキュー、寝起きだから軽い物を食べたいかな」
「リファは先に行ってますよ、フフ、久しぶりにゆっくりお食事……楽しみですね」
「……お財布と相談だよお嬢様……」
ベッドから降りて靴を履いた所で俺はふと思う。
「クロウ達は?」
「んー、あの大きな人は娯楽室にいたかな? 他の人は見てないよ」
「あまり持ち合わせがないと言ってたし、俺が出してやるか……腹が減るのは辛いからな」
何故かニコニコしている二人を連れて、俺は隣のクロウの部屋をノックする。
「起きてるか? 飯食いに行こう」
すると、中からクロウが返事をしてきた。
「僕達はお金が無いから気にしなくていいよ。カケル達だけで行ってくればいい」
「それは俺が出すから大丈夫だ。俺達だけしっかり食べるのはちょっと気が引ける」
「……お人よしもいい加減にしないといつか足元をすくわれるぞ? さ、僕は休むから早く行って……」
ぐぅ~
クロウが呆れたような口調で追い返そうとしたが、扉越しでも聞こえてくる腹の音が聞こえてきた。こうなったら実力行使だ! 俺はノブを回すと、鍵がかかっていないことを確認し一気に突入する!
「うわ!? 勝手に入って来るな! あ、こら抱え上げるんじゃない!? 降ろせ!?」
「ふははは! そう言われてはいそうですかと降ろすヤツは居ない。ましてみんなが恐れる魔王だぞ? さ、飯だ飯。トロベルも呼ぼう。レオッタは?」
「カケルさんは優しいですね。レオッタはリファが一緒ですよ。話を聞きたいと、リファが連れて行ったんです」
なるほど、バタバタしてクロウ以外とはロクに話したことが無かったからいい機会かもしれないな……。
クロウに続き、青い顔をしてベッドに潜りこんでいたトロベルを引きずり出して俺達は食堂へと向かう。
「……うぇ……食べるかな……」
「ま、ダメそうなら飲み物だけでももらっとけ」
「お手数かけます……」
食堂へ到着すると、リファとレオッタ、そして大男が着席していた。結構広いが……。
「そういや乗組員とか居ないのか……? 全然姿を見ないけど……」
「言われてみれば……」
ティリアも首を傾げて考えるが、厨房からコックが顔を出してきて思考を中断させられた。
「おう、お前等か! 頭のお気に入りってのは! 俺はツィンケル、見ての通りこの船のコックだ」
金髪を短く切りそろえてコック帽を被ったツィンケルが手を上げて挨拶をすると、奥からもう一人女性が出てきた。
「若いのが多いね、たくさん食ってくれそうだ。あたしはシャルム、よろしくね!」
中肉中背で、薄いスミレ色の短髪の女性が人の好い笑顔を覗かせていた。
「俺の奥さんだ! 羨ましいか? やらねぇぞ! うぁっはっはっは!」
元気のいい夫婦だ。見たところ30代前半くらいか? 二人とも日焼けをばっちりしているので、この船専属なのかもしれない。俺達はそれぞれ自己紹介をした。
「いい匂いがしますね、カケルさん……」
「ああそうだ……」
「――だ」
俺がティリアの言葉に気を取られている間に、大男が自己紹介を終えていた! しまった、名前を聞きそびれてしまった……!
「ぬう……」
「どうしたのカケルさん? ほら、注文しようよ!」
ルルカに腕を引かれ、俺はカウンターにいるツィンケルと顔を合わせる。
「このメニューに書いてあるものならだいたいできるぜ。食材も補充したばかりだからな」
「オススメはカニとエビのクリームシチューだね。パンと一緒に食べ……」
「メニューのここからここまでをください!」
シャルムさんが言い終わる前に、ティリアが元気よく、そして目を輝かせて叫んだ。
「あー……海の幸、そういえば楽しみにしてたな……」
「そうだったね……お嬢様、食べられるんですか? 結構いいお値段しますよ?」
「大丈夫です! お金はここに!」
内ポケットでもあるのか、財布を取り出してお札を見せるティリア。確かに結構持っている。お金が無くてももう止められそうにない。そんな雰囲気でもあるが……ティリア達が問答を繰り広げている間に俺達もメニューを見て決めることにしよう。
「クロウ、何にする?」
「……本当にいいのかい?」
「子供は食って寝て大きくなるのが仕事だろ、遠慮するな」
「私は大人だけどいいのかしら~?」
うふふとレオッタが俺の首に抱きついてくるので慌てて振りほどく。
「止めとけ、割と血を見るぞ」
主にリファとルルカの手によって。俺がそう言うと、ウインクしながら言う。
「あん、残念♪ それじゃ私は遠慮なくいただくわね、コーンスープとパン、それとサーモンのマリネ、後は牛肉のワイン煮って気になるわね。それとワインを一本~♪」
お、景気よくいったな、酒か……たまにはいいな……。
「あいよ、そっちの具合が悪そうなのはどうするね?」
レオッタの注文をメモし、トロベルへと声をかけるシャルムさん。トロベルはフラフラしながら注文を口にした。
「……ぱ、パンとオニオンスープ……それとぶどうジュースをお願いします……」
「食べないともたないよ? まあいいけどさ。あんたは?」
「俺もいいのか?」
「おう、もう面倒だから全員俺もちでいい。ティリアもな」
「本当ですか! ほら、カケルさんが出してくれるそうですよ! お金の心配いらないじゃないですか、では先程の注文で……」
「マジか、ちょっとこれでも食べて待っててくれ」
「ありがとうございます!」
ツィンケルさんはティリアに生ハムとチーズを渡し、奥へ引っ込んで行った。横目でそれを見ていると、大男のオーダーが通っていた。
「俺はブリの焼き魚にライスを頼む。両方大盛りでな。後は冷えたビールに枝豆を頼む……!」
「お前も酒を飲むのか……いいのか女神の教徒が酒飲んで」
「こういう時だからこそ飲むんだよ! 今俺達は帰ってるだろ? 外に出ることができなくなったらまた質素な食生活だ……その前に食わないとな!」
「ああ、そういう……クロウは決めたか?」
「ぼ、僕はフォレストボアのステーキに、するよ……ほ、本当にいいんだな!」
「お、おう、全然いいぞ。ジュースも頼んどけ」
「じゃあそれも頼む!」
「はいはい、お兄さんも大変だねぇ」
「違うからな?」
俺は間違いを正しながら、注文をする。先程のクリームシチューは美味そうだったのでそれと、エビの丸焼きにした。そしてちょっとだけならと、ビールも頼んだ。どうせ船を襲ってくるヤツは居ないだろうしな……。
グラオザムのことが少し頭をよぎったが、手傷を負っている状態でこっちを追いかけてきているとは思えない。そして俺達を殺すことより、他にやることがありそうな感じもしたというのもある。
そんなことを考えながら俺達は料理が来るのを待つ。お代はお帰りで、だそうだ。まあ海の上だから逃げられないけどな!
「そういや、この船、乗組員が少ないんじゃないか? 全然見ないんだけど」
「あー、あんた達を迎えに行っている間に全員休んでたからだろう。今から全力で飛ばすと頭が言ってた。明日甲板に出れば会えると思うぜ」
めっちゃ手の動きが早いツィンケルさんが奥から俺の言葉に返事をしてくれる。ティリア、一体どれくらい頼んだんだ……? ま、それはそれとして俺は向かいに座るクロウに話しかける。
「とりあえず聞いておきたいんだが、アウグゼストってどんなところなんだ? ティリア達は知ってるか?」
「私はあまり外に出ることがなかったので詳しくは……」
「ボクは噂程度かな? あまり行く必要がないからね」
「私も二人と同じだ。聖女殿に会う予定は一度だけあったが、私が熱を出して流れてしまったことがある」
結論、三人はアウグゼストへ来たことはないらしい。するとクロウが話しだす。
「目立っておかしなところは無いよ。狭い島だけど、聖堂とは別にきちんと町はあるし、他の大陸と船で交流もある。ただ……」
「ただ?」
「……勧誘は気を付けた方がいい。僕が言うのもなんだけど、しつこいやつはしつこいんだ……」
ああ、そういやユーキの母親、ノーラさんがつかまっていた時も何かねちっこい奴だった気がする。続けて横に座っていた大男が手を前に出して言う。
「町にも教徒はいるが、俺達のように従事しているわけじゃない。あくまで、お祈りをするとかそういったレベルだな」
「なるほど……興味はあるかな、ボクは」
ルルカが目を光らせてニヤリと笑う。
しかし、町が普通というのはありがたい。全部が全部、教徒だったらヘタをすると全員敵に回しかねないと思っていたからだ。それに普通の町ならメリーヌ師匠もどこかに潜伏している可能性が高いから無事かも、とも。
「……後は食べながら話をしましょうか♪」
レオッタが手を組んで舌を出す。目の前に置かれた極厚のステーキを前に、クロウも珍しく目を輝かせている。漆黒の刃を使って俺と戦っていたあの姿はどこへやらだ。
「……ああ、ぶどうジュースが染み渡る……」
何とかトロベルも持ち直したようだ。
ティリアの料理は全部揃っていないが、食べる物はある。そこで俺はビールを掲げて声をあげた!
「それじゃ、いただきまーす!」
俺に続いて、みんなも声をあげる。
料理は美味しく、大男とレオッタ、そして俺の酒も進む……!
だが、それがいけなかった……。
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