巫女物語

意味を見出せる日がいつかは

 学校に着く頃には、ミコトも流石に目が覚めたようで先程までの眠気まなこは無くなっていた。自分の席について少し経つと担任教師が教室に入ってくる。ミコトの寝起きが悪いから大抵朝の会開始のギリギリの時間に登校するのだ。担任教師が様々な情報を与えてくるのを聞き流しながら窓際の特権である窓の外の景色を眺める。初夏を迎えることもあって、清々しい程に青空が広がっている。今は清々しく感じる青空でも少し経てば嫌悪感を感じることになるだろうら、

 気が付くと担任教師の話は終わり、クラスメイト達は一限の授業の準備をしていた。
「なぁ、ある…翔よ」
「なんだ?」
授業の準備を終えた後ろの席に座るミコトが話しかけてくる。
「そんな退屈そうにするのならこんなとこ通わなくてもよいのではないか?」
「確かにな」
学校ましてや高校までになってくると楽しいことなんて殆どなくなってくる。あるとしても、文化祭や運動会といった行事ごとだろうが、その殆どが以前よりも楽しさを感じることは無くなっていく。
「でも、まぁ全てが終わればその意味を実感出来る日が来るのかもな」
「そんなものかの」
そういうと、ミコトはカバンから本を取り出し読み始めた。このまま授業中まで読みふける気だろう。その行動から高校に通う意味を見出していないことが見て取れる。
 確かにミコト、そして俺にとってはもしかしたらここで学んだこと、経験したことはなんの意味もないのかもしれない。でも、もしも俺達が全てを終わらせることができたのなら、ここで学んだこと、経験したことが活かされる日が来るかもしれない。そうなるように俺は心の中で願っていた。

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