プリンセスセレクションー異世界からやってきたお姫様は王様を目指す
70話 どんな女の子が好みですか?
連休明けの平日とはいつもより心なしか身体が重かったりする現象があると思う。
でも俺は連休明けの平日よりも校長の有難い長話よりも更に憂鬱となるものが待っていたのだった。
『メチアちゃんって日本人じゃないよね? どこから来たの?』
『趣味とかある? 家で何してんの?』
『好きな男のタイプとかあれば教えてー?』
女子達に囲まれてワイワイやっているその中心に赤髪を二つに括った少女がニマニマ笑いながら座っていた。
「そうだなー。ちっさな島国だったから名前教えても分かんねーと思うよ? 趣味はトレーニングかね? 身体動かすのは全般的に好きだわ。男の趣味? へっ、そんなもんは最低限俺様に勝てる男じゃねーとまずお話にもならねえわな」
その人の形をした猛獣は、周囲に群がる草食動物達に対して意外なほど友好的に接している。
だが、果たしてそれもいつまで持つことか。もしも猛獣の気が変わればこの場は一瞬で狩りの場となってしまうというのに、知らない奴らはお気楽なことだ。
「メチアさん、初日からすごい人気ですね?」
人の輪に加わっていない委員長が、俺の隣でそう呟く。
「つーか、あいつ……何であんなに人気あるんだろうな?」
本性を知ってるせいか、怖すぎてあんなのに近づく奴の神経が理解できない。
「私は分かる気がします、メチアちゃん堂々としてて恰好いいですもん」
「――そんなもんかね? 俺にはよく分からんが」
「メチアちゃんは神無君のタイプではありませんか? それではその……か、神無君は好きな女の子のタイプとかあるんですか?」
「……なんとなくピンと来る感じの奴かな?」
はっきりしたイメージがないのでどうしてもぼやけたイメージになるが、男にせよ女にせよ、こいつ良い感じの奴だなーって思うとなんとなく長続きすることが多いような気がする。
「ん、もうちょっと具体的な感じありませんか? 顔が可愛いとか背は低い方がいいとか」
「強いて言うなら……胸はおっきいほうが好きだな」
「神無君の好みの女性は胸が大きい人ですか? なるほど」
委員長は何か一人で納得しながら、自分の胸に手を当てている。
声には出せないが、委員長も大人しそうな顔をしているが中々良い物をお持ちのようだ。
制服に包まれた豊かな曲線美が男心をくすぐってくる。
(っていかんいかん、同級生をそんな目で見たら気味悪がられるな)
こういうセクハラは発覚するとクラスの女子全員が敵に回るのだ。
一致団結した女子グループというのは悪魔の軍勢に匹敵する。
敵に回さないに越したことはなかった。
「さぁて、骸よ。賭けは俺の勝ちだ、今日はごちそうになるぞ」
小太郎が賭けに勝ったことを幸いに早速寄ってくる。
奢りと聞いてテンションがあがるのは男子高校生には常だ。
「正直、腹が減ってない……」
というか腹が痛い。
主にストレスで。
「おっと賭けに負けたからと言って逃亡は許さんぞ? まあお前に限って負け分をチャラにしてくださいなんて情けないことは言うまいが――本当に腹が痛いなら別の日でもいいからな?」
「お気遣いサンキューだよ。あと飯はちゃんと奢るから心配すんな」
こういう時に約束を反故にする男は信用を失うからな。
たかだか昼飯の代金くらいで友情を失うのは俺としても御免だ。
何でも話せる気の合う友達ってのは得難いからな。
「え? 今日は二人でご飯食べにいくんですか? いいなー」
「良ければ委員長も来るか? 近所のファミレスだけどよ」
興味津々にしている委員長をこれ幸いに食事に誘う。
ナニィも男に挟まれて食事するより同性が居た方がいいだろう。
委員長なら喧嘩するようなタイプでもないだろうし。
「殿方から食事に誘われるとは、光栄の限りです。しかしどうしましょう? 家が勝手に外食など許してくれるかどうか?」
「そうか? それならしょうがないな。もう一人連れが来るんだけど、流石に一人だけ女だと決まずいかと思ってたんだが、家の事情ならしょうがないな?」
「行きます。絶対に行きます!」
「お、おう」
委員長の突然の豹変に面食らう。
まあ、これで頭数はどうにかなったか。
そう思っていたところに突然俺は肩を掴まれた。
「よぉ、面白い話してんじゃねーか、ひとつ俺も混ぜてくれよ?」
そこにはいつの間にか人混みをかき分けて俺の後ろに来ていたメチアがそこに居た。
でも俺は連休明けの平日よりも校長の有難い長話よりも更に憂鬱となるものが待っていたのだった。
『メチアちゃんって日本人じゃないよね? どこから来たの?』
『趣味とかある? 家で何してんの?』
『好きな男のタイプとかあれば教えてー?』
女子達に囲まれてワイワイやっているその中心に赤髪を二つに括った少女がニマニマ笑いながら座っていた。
「そうだなー。ちっさな島国だったから名前教えても分かんねーと思うよ? 趣味はトレーニングかね? 身体動かすのは全般的に好きだわ。男の趣味? へっ、そんなもんは最低限俺様に勝てる男じゃねーとまずお話にもならねえわな」
その人の形をした猛獣は、周囲に群がる草食動物達に対して意外なほど友好的に接している。
だが、果たしてそれもいつまで持つことか。もしも猛獣の気が変わればこの場は一瞬で狩りの場となってしまうというのに、知らない奴らはお気楽なことだ。
「メチアさん、初日からすごい人気ですね?」
人の輪に加わっていない委員長が、俺の隣でそう呟く。
「つーか、あいつ……何であんなに人気あるんだろうな?」
本性を知ってるせいか、怖すぎてあんなのに近づく奴の神経が理解できない。
「私は分かる気がします、メチアちゃん堂々としてて恰好いいですもん」
「――そんなもんかね? 俺にはよく分からんが」
「メチアちゃんは神無君のタイプではありませんか? それではその……か、神無君は好きな女の子のタイプとかあるんですか?」
「……なんとなくピンと来る感じの奴かな?」
はっきりしたイメージがないのでどうしてもぼやけたイメージになるが、男にせよ女にせよ、こいつ良い感じの奴だなーって思うとなんとなく長続きすることが多いような気がする。
「ん、もうちょっと具体的な感じありませんか? 顔が可愛いとか背は低い方がいいとか」
「強いて言うなら……胸はおっきいほうが好きだな」
「神無君の好みの女性は胸が大きい人ですか? なるほど」
委員長は何か一人で納得しながら、自分の胸に手を当てている。
声には出せないが、委員長も大人しそうな顔をしているが中々良い物をお持ちのようだ。
制服に包まれた豊かな曲線美が男心をくすぐってくる。
(っていかんいかん、同級生をそんな目で見たら気味悪がられるな)
こういうセクハラは発覚するとクラスの女子全員が敵に回るのだ。
一致団結した女子グループというのは悪魔の軍勢に匹敵する。
敵に回さないに越したことはなかった。
「さぁて、骸よ。賭けは俺の勝ちだ、今日はごちそうになるぞ」
小太郎が賭けに勝ったことを幸いに早速寄ってくる。
奢りと聞いてテンションがあがるのは男子高校生には常だ。
「正直、腹が減ってない……」
というか腹が痛い。
主にストレスで。
「おっと賭けに負けたからと言って逃亡は許さんぞ? まあお前に限って負け分をチャラにしてくださいなんて情けないことは言うまいが――本当に腹が痛いなら別の日でもいいからな?」
「お気遣いサンキューだよ。あと飯はちゃんと奢るから心配すんな」
こういう時に約束を反故にする男は信用を失うからな。
たかだか昼飯の代金くらいで友情を失うのは俺としても御免だ。
何でも話せる気の合う友達ってのは得難いからな。
「え? 今日は二人でご飯食べにいくんですか? いいなー」
「良ければ委員長も来るか? 近所のファミレスだけどよ」
興味津々にしている委員長をこれ幸いに食事に誘う。
ナニィも男に挟まれて食事するより同性が居た方がいいだろう。
委員長なら喧嘩するようなタイプでもないだろうし。
「殿方から食事に誘われるとは、光栄の限りです。しかしどうしましょう? 家が勝手に外食など許してくれるかどうか?」
「そうか? それならしょうがないな。もう一人連れが来るんだけど、流石に一人だけ女だと決まずいかと思ってたんだが、家の事情ならしょうがないな?」
「行きます。絶対に行きます!」
「お、おう」
委員長の突然の豹変に面食らう。
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