癒しを司りし女神の詩
第一章 女神たちの物語り
──これはある村に伝えられし古き物語だった
遠い遠い昔、この村─〈碧の村〉では
『守護者』と称えられた村を護る巫女が居た。
巫女は碧の村を他の戦に巻き込まれない
ようにしばらくの間、己の力で
村を覆い隠したそうです。
その巫女は碧の村の守護者と
村の人々からは言われていたそうです。
──永き戦いが幕を下ろし。
巫女は村を発展させる為に辺りを
霧で隠していましたが、霧を晴らし、
村の守護者としての役割を下ろしたそうです
それからの巫女は誰も知りません。
どのように残りの人生を生きたのか。
何も村に伝えられし文献には
載らなかったのです。
碧の村も発展して行き次第には
「街」・・そして「国」にまで成長しました
村の長…村長を国王として。
水に恵まれた国──『水ノ国』として
碧の村は歴史上に名を残したそうです。
・
・
・
それから数百年後。
水ノ国はどの国よりも栄えていっていました
だけれど、一つ大きな問題を
抱えてしまっていたのです。
それは──疫病。
つまりは感染系の病気が水ノ国では
広い範囲に広まってしまっていたのです。
これに関しては国王は参ってしまいました。
国王の息子である王子は他の国へと赴き
この疫病の治療方法を探し求めました。
娘である王女は、特別な力を有していました
その力を治療へ使えないかと模索します。
──この水ノ国の女王、そして王女は
代々特別な力を有し、その力を用いて
水ノ国の発展へと繋げていたのです。
その力は、遡れば碧の村を守護していた
巫女へと繋がっていたのです。
王家1団で何とかしようと探し求め、
模索し考えて行ったのですが……。
何も進展のないまま国王も女王も
亡くなってしまいました。
この疫病を治す術を見つける為に
残された王子と王女、二人の兄妹は
協力して治療方法を求め続けました。
─ある日、王女は昔話に詳しい
仕えの老女に自身の力を応用し、
疫病を治す術を無いのかと問うたのです。
老女はこう言ったそうです。
「東へある癒しの湖へ行かれよ。
そこに答えがあるはずです」と。
初め、兄妹は困りました。
両親も居なくなった今、国を動かすのは
自分たちになっていたからです。
二人共に国を離れるのは難しかったのです
そこで老女は困り果てていた兄妹に
こう言いました。
「これは王女様が行かねばなりません。
代々特別な力を有する
……”浄化の巫女”でなければ」と。
そう言われた王女は癒しの湖へと
行くことを決心します。
信頼出来る女中と騎士を集わせ、
湖へと向かったのです。
・
・
・
道のりは厳しかったそうです。
何よりも道を整備していなかったためです
水ノ国は東側に属しているので、
湖までは1ヶ月程で着いたそうです。
『癒しの湖』
それは太古の昔に癒しを司る女神が
生まれた場所と記された由緒のある湖でした
王女は湖のほとりへと近づき、
祈ったそうです。
疫病を治す術を下さいと。
何もかもを癒す女神へ────。
・・・すると。
王女には声が聞こえたそうです。
『力を貸しましょう』と。
────それから、しばらくして。
国の一大問題となっていた疫病は
スッカリと治り、そんなことが
いつしか無かったかの様な街風景へと
戻っていっていました。
癒しの女神の名は「セラピア」。
人々からそう呼ばれていたそうです。
彼女は静かに湖から私たちを
見守り続けてくれている…………。
 ・第一章 第2話 『破壊の女神』へ続く
遠い遠い昔、この村─〈碧の村〉では
『守護者』と称えられた村を護る巫女が居た。
巫女は碧の村を他の戦に巻き込まれない
ようにしばらくの間、己の力で
村を覆い隠したそうです。
その巫女は碧の村の守護者と
村の人々からは言われていたそうです。
──永き戦いが幕を下ろし。
巫女は村を発展させる為に辺りを
霧で隠していましたが、霧を晴らし、
村の守護者としての役割を下ろしたそうです
それからの巫女は誰も知りません。
どのように残りの人生を生きたのか。
何も村に伝えられし文献には
載らなかったのです。
碧の村も発展して行き次第には
「街」・・そして「国」にまで成長しました
村の長…村長を国王として。
水に恵まれた国──『水ノ国』として
碧の村は歴史上に名を残したそうです。
・
・
・
それから数百年後。
水ノ国はどの国よりも栄えていっていました
だけれど、一つ大きな問題を
抱えてしまっていたのです。
それは──疫病。
つまりは感染系の病気が水ノ国では
広い範囲に広まってしまっていたのです。
これに関しては国王は参ってしまいました。
国王の息子である王子は他の国へと赴き
この疫病の治療方法を探し求めました。
娘である王女は、特別な力を有していました
その力を治療へ使えないかと模索します。
──この水ノ国の女王、そして王女は
代々特別な力を有し、その力を用いて
水ノ国の発展へと繋げていたのです。
その力は、遡れば碧の村を守護していた
巫女へと繋がっていたのです。
王家1団で何とかしようと探し求め、
模索し考えて行ったのですが……。
何も進展のないまま国王も女王も
亡くなってしまいました。
この疫病を治す術を見つける為に
残された王子と王女、二人の兄妹は
協力して治療方法を求め続けました。
─ある日、王女は昔話に詳しい
仕えの老女に自身の力を応用し、
疫病を治す術を無いのかと問うたのです。
老女はこう言ったそうです。
「東へある癒しの湖へ行かれよ。
そこに答えがあるはずです」と。
初め、兄妹は困りました。
両親も居なくなった今、国を動かすのは
自分たちになっていたからです。
二人共に国を離れるのは難しかったのです
そこで老女は困り果てていた兄妹に
こう言いました。
「これは王女様が行かねばなりません。
代々特別な力を有する
……”浄化の巫女”でなければ」と。
そう言われた王女は癒しの湖へと
行くことを決心します。
信頼出来る女中と騎士を集わせ、
湖へと向かったのです。
・
・
・
道のりは厳しかったそうです。
何よりも道を整備していなかったためです
水ノ国は東側に属しているので、
湖までは1ヶ月程で着いたそうです。
『癒しの湖』
それは太古の昔に癒しを司る女神が
生まれた場所と記された由緒のある湖でした
王女は湖のほとりへと近づき、
祈ったそうです。
疫病を治す術を下さいと。
何もかもを癒す女神へ────。
・・・すると。
王女には声が聞こえたそうです。
『力を貸しましょう』と。
────それから、しばらくして。
国の一大問題となっていた疫病は
スッカリと治り、そんなことが
いつしか無かったかの様な街風景へと
戻っていっていました。
癒しの女神の名は「セラピア」。
人々からそう呼ばれていたそうです。
彼女は静かに湖から私たちを
見守り続けてくれている…………。
 ・第一章 第2話 『破壊の女神』へ続く
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