東方幻想録第5話

魔理沙が目を開けると、そこは自分の
部屋だった…

起き上がると、隣には母がいた。

「…母さん。」
魔理沙はボヤっとする中母を呼ぶ。

「─魔理沙。ごめんなさいっ！」
母は謝り、魔理沙を抱き寄せた。

「…？母さん？」
魔理沙は、疑問に思った。

「…私達のせいで…貴方は…」
母は泣きながらそう言った。

「…私が？」
自身がどうなったのか、気になった。

「…貴方の…大切な友人との記憶を…
かき消してしまった……」
母は泣いて暗い顔をしながら言った。

「…えっ…？」
言われてみれば、確かにそうだ。
倒れる前の記憶が全く無い……

「─何が…何が欠けたんだ！
何が…私から消えたんだ！」
魔理沙は、叫ぶ。無意識に。

「魔理沙。貴方にヒントをあげるわ。
これは私のせめてもの償い…
貴方の記憶から失った”者”は
この幻想郷ではとてもとても尊い人…
魔理沙。見つけなさい。
あの子を…いつかまたあの子と
遊べるように、競い合えるように。」
と長々と魔理沙の母は話した。

「見つける…か。
あぁ…声だけ…声だけは覚えてる…」
魔理沙はそう呟いた…

いつかまた、逢えるように─

思い出してやる─絶対に。

【博麗神社】

「…………」
霊夢は、目を瞑り、何も言わずにいた。

「─霊夢…」
紫は、心配そうに霊夢を見つめる。

「……大丈夫よ。紫。
さて。修行始めましょ！」

─続く