アンラッキーな少年勇者

(´・ω・`)

41.到着

 ルミスと手合わせしたあの夜から数日が経った頃。
俺達はようやく森の中から抜け出し、目的地へと辿り着いた。

「着きました。ここがウルクラグナです」

そう言って彼女が指さした先には、国を囲むような形で巨大な壁がそびえ立っていた。

「おぉ...」
「ふぉ...」

立派なその出で立ちにニビと揃って感嘆の声をもらす。
凹凸のない丈夫そうな壁が一片の隙もなく国を囲んでおり、存在するだけで貫禄すら感じさせていた。
見張りの目を盗めてもこの壁じゃあ侵入は難しいだろうな...。

「背後の森にすむ獣達から身を守る為に国土全体を壁が囲っているんです。向こう側には海もあるので潮風からも守っています」

凶暴すぎる獣は私たち騎士団が討伐するんですけど、と困ったような笑みを浮かべてルミスが解説をくれた。
なるほど。通りでこんなに立派なわけだ。

「私達は必要ないですがレイスさん達は入国審査が必要です。カイさんのことは私が言っておきますので行ってきてもらえますか?」
「おう。悪いな」

確かに、意識不明の男を抱えた奴が怪しまれないはずがない。
相変わらずの気遣いに感謝しながら、俺はカイを担いでニビと入国審査の列に並びにいった。

「ただでさえ疲れてんのにこれを待つのかよ...?ルミス達が羨ましいな...」
「こればっかりは仕方ないだろ。まぁ疲れてんのは察するけど」

労いの表情と共に「どんまい」と肩に手を置かれた。
というのも、ルミスと手合わせしてから騎士達の間で俺との手合わせが流行したのだ。
俺も変にお人好しなところがあるようで断れず、連日連夜に渡って複数人の相手をし続けたため、さすがに疲れ果てていた。

「にしても随分ガタイのいい奴らが揃ってんだな。お前何度か来たことあるんだろ?ここの治安は大丈夫だったか?」
「心配ねーよ。面倒なチンピラがいれば騎士が動くこともあるし、多分ここに並んでるのは大会出場者だ」
「噂の決闘大会か...。どうせ暇だし俺も出よっかな...。お前もどうだ?腕試しに」
「じゃあ俺も出てみる」

入国審査の待ち時間に入国理由をつくるという少し変わった俺達2人、もとい3人は微かな希望を胸に、炎天下の中で自分の番が来るのを待った。

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