No title

(´・ω・`)

23.「命令だ」

ルミスを先頭に俺とカイが続いて歩く。
ニビには騎士達の見張りを頼んできた。

「お二人はどこで才能について知ったんですか?」
静まり返った無人の森に、ルミスの声がよく響く。
2人で顔を見合せ、頷いてから口を開く。

「俺らは師匠から教えてもらった」
「お師匠様がいらっしゃるんですか!」

何故か目を輝かせている彼女を無視して続ける。

「あぁ。昔から世話になってて稽古もつけてもらってたんだ」
「よく模擬戦やったけど結局1回も勝てなかったよなぁ」
「お二人が一度も...ですか」

俺達もそれなりに強いつもりではいるが、師匠は桁が違う。
人間かどうかも疑わしいレベルだ。

「ここでいいんじゃないか?」
師匠の強さについて思考を巡らせていた彼女に問いかける。
俺の指さす先には小さな洞穴があった。

「あ、はい。そうですね」
ハッとなった彼女は、思考を一時中断して洞穴の暗闇へと消えていった。
俺も後に続こうと洞穴へ向かう。
が、その前に後ろを振り返りカイに命じる。


「命令だ。俺達が出てくるまで誰も中に入れるな」


俺の言葉にカイは、少し驚いたようなワクワクしたような顔をして「了解」と短く返事をくれた。

「レイスさーん!どうかしましたかー?」
洞穴の中からルミスが呼んでいる。

「なんでもない!今行くよ!......じゃあ頼んだぞ。できるだけ早く終わらせる」
そう言って俺は、カイを置いて声のする方へ向かった。








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