精霊術士の英雄譚

夢見る少年

第58話 特訓

護身術の授業は退屈なのかな?と思っていたが全然そうでは無かった。今やっているのは、短刀での護身方法だ。振り方や持ち方もしっかり教えて貰らえたので今まで全て我流だった僕にはいい経験が出来た。それにこの短刀の練習は双剣にも応用出来るから僕としてはとても楽しく学ぶ事が出来た。


(パバーーー!!!ひまだからー!ウェスタとあそんでいいーーー!!!)


(うん。いいよ。でも、ちゃんと戻って来るんだよ)


(うんーー!!いこーー!!ウェスターーー!!!)


(ばいはい〜ショウ〜)


(うん!バイバイ!)


(お前って魔法はすげぇーのに剣術はクソなんだな)


(全部精霊に頼っているからね。だから剣術とかも強くなりたいんだよ)


(そうか。なら、俺が特訓してやろうか?)


(えっ?マサムネが?)


(俺は鍛冶師だぞ?鍛冶師が武器を扱えないで鍛冶師と名乗れるか!)


(そ、そうだねごめん。なら、僕の剣の師匠になってくれる?)


(おう!任せとけ)


(でも、どうやって訓練するの?)


(お前の夢に入り込んでそこで特訓してやる)


(なら、身体は動かさないの?)


(あー、そうだな。だが、身体は覚えている。しっかりマスターすれば身体が自然に動くさ)


(そうなんだ。なら、今日の夜から宜しくね)


(一流の剣士にしてやるよ!)


「皆ー!今日は、ここまでだよ!木刀を閉まってから、終了ねー!」


「ショウ。すごく真剣にやってましたね。やはりショウは身体を動かす方が好きですか?」


「うん!そうだね!でも、1時間目とかも楽しかったよ!」


「それは良かったですね。次は教室なので戻りましょうか」


「うん!」


その後教室に戻り、3、4時間の授業を受けた。4時目が終わると下校時間だ。僕は、初日で疲れたこともあり、昼食などを食べずにユーリと寮に戻る事にした。まだ寮にはリナはおらず無人だった。ユーリと少し雑談をした後ユーリがお昼ご飯を作ってくれることになったので少し休もうと寝っ転がるとすぐに寝てしまった。


「特訓は、夜からだろ?」


「えっ?誰?」


「おいおい!マサムネだよ!マ・サ・ム・ネ!」


「えっ!マサムネなの!」


そこには袴を着ていて袴の上からでもすぐ分かる筋肉の量で、the武人と言う見た目のマサムネがいた。


「マサムネってそんな見た目していたの?ってか精霊って実体化出来るの?」


「実体化出来るやつと出来んやつがおるな。それより稽古だ。さっさと始めるぞ」


「何をするの?」


「実戦あるのみだ。ここの夢の世界だから死んでも蘇るし痛みもほとんど無い。だから俺にボコボコにされ自分で吸収しろ!それが1番良い特訓方法だ」


「分かりました。お願いします師匠」


「では、始めるぞ!」


僕は、強化した双刀宝剣白夜を取り出し構えた。
気が付いたら僕は、真っ二つになっていた。


「1つ教えてやる。構えなんていらねぇー。その一瞬に懐に入られたら元も子も無い」


何故かくっついて無傷になった僕は今の忠告を聞いて自然体になった。そうしたら少しマサムネの動きが見えるようになった。真っすぐから来たので僕はマサムネが持っている剣を避けようをすると、今度は横から刺された。


「これは対人戦だ。目だけで判断するな。神経を研ぎ澄まし聴覚や、嗅覚なども使い目を瞑ってでも、反応出来るようになれ!」


その後も僕は、マサムネに何度も真っ二つにされた。正面から来たり、騙されて切られたり、最終的には真下から切られた。その時には、


「常識に囚われるな!固定概念を捨てて柔軟になれ!でないと予想外の所から責められたら一瞬で崩れるぞ!」


などと言われた。2時間位すると1度だけマサムネの攻撃をガードする事にせいこうした。


「お疲れ様。今日はここまでだ。正直に言ってお前には剣の才能はあるだろう。だから1ヶ月真面目にやれば人間では最強の剣士になれるだろう」


「剣を全然使って無いのに剣の才能とか分かるの?」


「剣の才能は、剣の技量だけでは決まらない俺は感覚や直感が大事だと思う。お前にはその能力は高い。だから才能があると俺は思う」


「そうなんだ。僕頑張る!」


「おう!俺がお前が一流の剣士になったと認めた時にお前に剣をやる」


「うん!わかった!頑張って最強の剣士になるね!」


「そうだな。頑張れよ」


僕は、気が付いたらベットの上で寝っ転がっていた。そして、マサムネとの訓練のおかけで視野が広がり感覚が鋭くなった気がする。あっ!誰か来る!


「ショウ。起きましたか?もう夜になりましたよ?ご飯はどうしますか?」


「あっ!ユーリごめん。せっかく昼ごはん作って貰ったのに気が付いたら寝てて」


「大丈夫ですよショウの寝顔可愛かったですし」


「えっ、えっ、ありがと?」


「顔赤くなってますよ。さて、ご飯食べましょうか」


「あ、赤くなってないし!」


「ショウも可愛いとこあるんですね」


この一件からユーリに僕は、うぶな弟のように見られちょくちょく弄られるようになった。まぁー、距離が縮まったから嬉しいが

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