第48話 ローザと、リナの思い

次の日、認定式の日になった。王都は、この国初めてのSSSランク冒険者誕生で物凄い熱狂に包まれていた。


「ショウー、何か凄い熱狂だね」


「うん。こんなになるとは思わなかったよ」


「この国初のSSS冒険者だから、しょうがないだろ」


「恥ずかしいなぁー」


「今恥ずかしいとか言ってたら、持たんで」


「でも、今まで人の前に立つとか、有り得なかったもん」


「昔のお前は、知らんが、今は、人の前に立つべき人間だ。自身を持て！」


「でも、またいじめられるかもしれないし…」


「いじめられる？なんだそれ？」


「ローザさん。ショウはね。昔の事で少しトラウマが、あるだよ。昔は、積極的なリーダーだったんだけど、敵対する人が現れてね。そして、喧嘩になって負けたんだよ。それ以降人の前に立つのが怖くなったんだよ」


そう。ショウが、虐められていた理由は、光輝が、暴君だった為だ、ショウは、オタク気質だったが、リーダーシップのあり、イケメンで、冷静に判断出来る人だった。その為女子にも、モテていた。しかし、1つ弱点が、あった。それは、喧嘩が、圧倒的に弱いところだ。その為、光輝と、喧嘩したに、何も出来ずに負けた。それ以降、ショウは、人の前に立つ事が怖くなり、ショウ助けたかった人は、自分が、虐められるかもしれないと思い、助けられなかった。その結果ショウは、虐められっ子になってしまった。


「おい！そんなしょうもない事で怖がる辞退しろ！そして、契約終了だ！」


「えっ？」


「ちょっとローザさん本気ですか？」


「当たり前だ！俺は、さっき言ったようにお前は、人の前に立他なければ行けない能力を持っている。それを過去に囚われていたら、この先何も出来なくなる。しかも怖い理由が自分が、弱いからだろ？今のお前の実力を考えて見ろ！この国1番だぞ！言い訳するな！そんな甘い考えでは、この世界生きて行けん！」


「ごめんなさい」


「本気で、謝ってんか？」


「はい」


「それで、どうする？受けるのか？」


「受けようと、思います」


「そうか。行ってこい」


「はい」


ショウは、準備の為、部屋を出ていった。


「ローザさん。叱ってくれてありがとうございます」


「気にすんな！ショウは、大事なパーティメンバーで、大事な、弟だ。弟を正しい道に導くのは、兄の仕事だろ？」


「そうですね。ローザさんには、感謝しかありません。そして、思ったんですが、ローザさんは、私達がどんな人か、気づいていますよね？」


「気づいているぞ。因みにショウの職業も」


「分かっていて黙っていてくれたんですね。ショウは、元の世界では、毎日暴力を振るわれていました。その結果、人を信用出来なくなってしまったのかも知れません。私はショウが、前のショウに戻ってほしいんです。ローザさんは、多分信頼されていると、思います。どうか、ショウを導いてくれませんか？私には、出来ないと思うのです」


「導くのは、勿論するつもりだ。しかし適任は、お前だと思うぞ。俺は、お前らがいた世界を知らない。知らないなりに出来る事は、沢山ある。でも、それ以上にお前の方がショウの事を沢山知っている。現にいじめられると、言う意味を俺は、知らなかっただろ？だから、俺は、協力するが、お前の方が適任だと思うぞ。俺はな、ショウに自由に楽しんで貰いたんだ。あいつはいつも何かを背負っているように見える。それが何かは、分からないが、それから解き放たせてやるのが俺の仕事だと思う。だから、俺は、それを頑張るよ」


「なら、一緒にショウを影ながら支えて行きましょう！」


「そうだな。侯爵になるからもっと色々あるだろうし、精霊が暴走したら、やばいから面倒見ないとな」


「はい！ってえ？本当に職業分かってたんですか？」


「嘘ついたと思ってたのか？」


「はい。そうかと思っていました」


「そうか。まだリナには信頼されて無いのか〜」


「いや、信頼してますよ！」


「冗談だって。まぁー、これからは、俺らも忙しくなると思うし、ぐうたら出来ねぇーぞ」


「はーい！」