精霊術士の英雄譚

夢見る少年

第30話 招集

僕は、冒険者ギルドを出たあと、寄り道をせずに宿屋に帰った。


「あっ、翔おかえり〜」


「ただいま」


「うん!今日ダンジョン行ったの?」


「行ってないよ。今日は、ギルド長と話をしてたんだ」


「えっ?またギルド長?翔ってギルド長に、人気なんだね」


「そうかもね。だから、明日こそダンジョンに、行くつもりだよ」


「そっか。無理しないでね」


「無理はしないよ」


「武器が、傷んだら俺に言えよ」


「ありがとうございます。ローザさん」


「そろそろ敬語は止めないか?同じパーティなんだし」


「分かった。ローザ。これでいいよね?」


「おう!」


「よし、ご飯に、行こっか」


「やった〜。ご飯だ〜」


「ショウは、ここの屋台の飯食ったか?」


「まだ食べて無いよ」


「なら、明日ダンジョン行く前に、行ってみたらどうだ?」


「美味しい?」


「今日、リナと少し行って見たが、良かったぞ」


「そうなんだ。なら、明日行く前に、行ってみるよ」


「おう!それがいいぞ」


などと、会話をしたあと、ご飯を食べて、部屋に戻った。


「そう言えば利奈達は、僕がいない間何しているの?」


「えっとねぇ〜、街で散策したり、屋台でご飯を食べたりしてる」


「そうなんだ。でもそれ、飽きない?」


「確かに飽きるかも」


「そうだよね。何かいい暇つぶし無いかなぁ〜?」


「心配ありがと。でも翔は、ダンジョンの事だけ考えて」


「うん。ありがと、利奈」


「いえいえ〜、では、そろそろ寝よっか」


「おやすみ」


次の日、僕は、ローザに言われたように屋台でご飯を食べる事にした。そしたら、肉の串焼きが、あったので、


「それ、1つ下さい」


「100エルね」


「やっす!あっ、はい。どうぞ」


「また来てね」


「はい。必ず」


と、100エルで 買えた肉の串焼きは、日本では、800円近く取りそうな量だった。なのでつい、声に出してしまったのだ。そして食べてみたら、豚の串焼きのような味で、大満足だった。そこへ、


「君がショウかい?」


「誰ですか?」


「こちらが質問している」


「素性も、明かさない人に質問を答える必要があるんですか?」


「いいから、俺の質問に答えろ!」


「拒否します」


「下民風情が調子に乗るなよ?」


「特に乗ってませんが?」


「殺すぞ?」


「僕を殺せるなら、どうぞご自由に」


「どうぞご自由にだって。笑わすなよ、俺らは、聖騎士3人だぞ?下民が聖騎士3人に、勝てるとでも?」


「はい」


「おいおい、流石にここまで来たら、笑うぜ!なら、殺してやるよ!」


「どうぞご自由に」


(エリアルお願い)


「あっ、あれ?動かない」


「殺しに来ないのですか?」


「お前何をした?」


「特に何も」


「嘘付け!急に体が動かなくなる訳無いだろ!」


「そんなこと言われても、僕は、知りませんよ」


「おい!ふざけんな!」


「用事は終わりましたか?では、帰ります」


(エリアルありがと)


「逃げんなや!おっ!体が動く!死ね」


と、僕がわざと隙を作ったのに、相手は、それを好機だと勘違いしたので、相手の剣の先が着いた途端、


(エリアルよろしく)


と、思うことにより、僕に剣を当てた状態で動けないようにすることが出来た。


「えっ?また動かない」


「貴方は、僕に攻撃しましたよね?」


「いや、これは、手が滑っただけなので」


「そうですか。なら、僕も手が滑って貴方を殺してしまうかも知れませんが、いいですか?」


「いいわけ無いだろ!俺を殺したらどうなるか分かってんのか?」


「いえ、全く」


「俺らは、スパー二ランド上級騎士だぞ!」


「国王か。国王が、どんな命令を出したんだ?」


「下民風情に、教えるわけ無いわ!」


「まだ分からないのか?俺は、ショウだ」


「えっ?本当か?」


「本当だ」


「陛下が、呼んでいる。今すぐきたくれ」


「それは、出来ない。こっちにも用事がある」


「どんな用事だ?」


「パーティメンバーに、報告しないといけない」


「そうか。なら、してこい俺は、ここで待っている」


「分かった」


僕は、宿屋に帰り、利奈達に報告した。


「それ、本当に国王の騎士なの?」


「多分」


「そう。危ないって思ったら逃げるのよ」


「分かった」


「行ってらっしゃい」


「行ってきます」


僕は、宿屋を出て、騎士の元へ戻った。


「おー、来たか、今から行くぞ」


「はい」


僕は、明らかに高そうな馬車に乗って、王都に向かった。

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