傷心ヘタレが異世界無双!?~ユニークスキル【臆病者】って馬鹿にしてる?~
決着
「「フリーズワールド!!」」
  町長とエリーナが叫ぶ。
  視界が真っ白になる。
  急激な温度変化で霧ができたのだ。
  少しづつ霧が晴れるとそこには想像を絶するような光景が広がっていた。
「海が……凍ってる……!」
  リヴァイアサンは宙に浮くことでなんとか体が凍るのを防いだようだ。
  だがこれで近距離攻撃が出来るようになった。
「海が凍ったぞー!!!」
「近接部隊、かかれー!!」
  隊長の号令で大勢の冒険者達がリヴァイアサンに突撃する。
「魔法部隊、目を狙えー!!」
  流石は隊長だ。定石がわかっている。
  魔法部隊がリヴァイアサンの目を目がけて魔法の弾幕を張る。
  その隙に近接部隊がリヴァイアサンに攻撃する。
  しかしその多くがリヴァイアサンの鱗を越えてダメージを与えることは出来ない。
「俺達も行くぞ!」
「はい!」
  僕達も氷の海を走り、リヴァイアサンに近づく。
  凍った海は少し滑るので走りづらいが慣れるといつものスピードが出せるようになった。
「チョコマカト、鬱陶シイワ!!」
  リヴァイアサンが暴れる。
  周りにいた冒険者達は宙を舞う。
「結局俺達だけが前衛かよ」
「ハハ、そうみたいですね」
「でも、今回は弾幕を張ってくれる後衛がいますよ」
「マズハ後衛カラダ!!」
  リヴァイアサンがブレスを町に向けて放つ。
  
  結界部隊がなんとか結界を張ったがすぐに破られ、魔法部隊、結界部隊共に壊滅する。
「いなくなりましたね……」
「そうみたいだな……」
「海ニ沈ンダト思ッタガマダ生キテイタカ」
「ああ、何とかなっ!!」
  ユウが雷を纏わせた剣でリヴァイアサンを正面から斬る。
  その剣はリヴァイアサンの鱗を越えて肉を斬る。
「おおおっ!!」
  僕は後ろから斬る。
  オリハルコンはリヴァイアサンの鱗に弾かれることなく肉に到達する。
「グオオッ!?」
  リヴァイアサンは自慢の鱗がいとも容易く斬られ、驚愕している。
「強大なる自然よ、全てを押し流せ!」
「【世界を変える豪雨】」
「おいおいなにが起きるってんだ……?」
  リヴァイアサンが魔法を詠唱すると視界が真っ黒に染まる。
  それからすぐ打ち付けるような雨が降る。
  その雨に当たると鉛が落ちてきたように痛い。
「ハル!あれを止めないと不味いぞ!世界が終わっちまう!」
「はい!」
  まだリヴァイアサンは空に魔力を注ぎ続けている。
「頭を狙え!」
「はい!」
「サンダーボルト!!」
  ユウはリヴァイアサンの口に雷を放つ。
「よっと、えいっ!」
  僕はリヴァイアサンの頭の上に乗り、目に剣を突き刺す。
「グルオオオオオ!!」
「よし!止められたぞ!」
「片目を潰しました!」
「お前感覚器官ばっか狙ってんな……」
「避けられると嫌なんでね」
「かなり相手もぼろぼろだぞ。一気に畳みかけるぞ」
「こっちもボロボロですけどね」
「グルオオオオオ!!」
  リヴァイアサンがブレスを縦横無尽に放つ。
「明鏡止水!!」
  僕はブレスをスキルで受け流し続ける。
「くらえぇ!!」
「俺もだっ!サンダーブレード!!」
「ウォーターサイクロン」
  リヴァイアサンの周りに水の渦が発生し、リヴァイアサンを覆う。
「うおっ!?」
「やべっ!!」
  僕達はその渦に突っ込む。
  ユウは慌てて雷を消そうとするが間に合わず、二人とも感電してしまう。
「すまんっ……」
「だい……じょうぶです……」
「フゥ、危ナイ危ナイ」
「危ないってことはあれが決まればなんとか倒せそうだな」
「そうみたいですね……でも……」
「どうやって当てるか……」
「そうだハル!」
「はい?」
「お前はスキルでパワーを溜め続けろ」
「溜まったら俺が魔法で動きを止める」
「わかりました!」
「行くぞ!神だろうが何だろうが俺達で倒してやろうじゃないか!」
「はい!!」
「明鏡止水!!」
  僕はスキルを発動する。
「来い!リヴァイアサン!」
「イイダロウ……」
「強大なる自然よ、全てを押し流せ!!」
「【世界を変える豪雨】」
「そっちかよ!!」
「ハル!大丈夫か!?……え?」
  僕はスキルの効果で"雨を受け流していた"のだ。
  雨も攻撃判定なんだ!!
「ユウ!もう十分だ!!」
「あ、ああ」
「パラライズサンダー!!」
「グオッ!?体ガ動カンゾ!!」
「今だ!ハル!」
  ユウは僕の剣に雷を纏わせる。
  そして僕は雨を受け流しながら飛び上がる。
「うおおおおおおおおおお!!!!」
「行けぇ!神を殺せぇ!!」
「神殺しの雷剣!!!」
「我ガ人間ゴトキニィ!!!」
  雷を纏った剣はリヴァイアサンを縦に真っ二つにした。
  そしてリヴァイアサンは黒い霧となって消え、雨も止んだ。
「やった……やったぞおぉ!!」
「リヴァイアサンを倒したぞ!!」
  僕は気が抜けてその場に座り込んでしまう。
「なんとか……倒せたんだ……」
「ハル、君は凄いよ。本当に」
「ユウがいなかったら絶対に倒せなかった。ありがとう」
  今回はたまたまユウがこの町にいて、たまたま助けに来てくれた。
  
  だからこそ倒せた。
  
  色んな偶然が重なってなんとか倒せたんだ。
  それ程にリヴァイアサンは強かった。伝説になるほどある。
「さぁ、町に戻ろう!」
「うん!」
  僕達は凍った海を歩いて町に戻った。
――港町――
「帰ってきたぞー!!!」
  町に戻るとすでに怪我人の救助等が始まっていた。
「レイナは!?」
「ここだよ、ハル」
「無事だったのか……良かった」
「回復魔法で治して貰ったの、もう元気だよ!」
「それより凄いよハル!海神を倒すなんて!」
「まぁユウの雷のお陰だけどね」
「それでも凄いよ!!」
「ありがとう。あ、ユウ、剣返すね」
「いや、いいよ」
「え、でも……」
「君が貰ってくれ」
「でもこれオリハルコンだよ?」
「俺はもう一本あるから大丈夫さ」
「ほんとにいいの?」
「ああ、それと次の町はドワルゴンに行ったらどうだ?」
「ドワルゴン?どうして?」
「鍛治の町だからな。君に合うようにオリハルコンの剣を打ち直して貰うと良いだろう」
「そうするよ。色々ありがとう」
「こちらこそ。また会おう」
  そう言ってユウは去っていった。
  しばらく町を歩いているとエリーナがやってきた。
「ハル、レイナ、お父さんが呼んでるよ!」
「エリーナ、無事で良かった。今すぐ行こう」
  僕達は町長の屋敷に向かった。
「この度はこの町を救って頂き、誠に感謝する!」
「いえいえそんな……」
「娘を助けてくれたのと合わせてお礼をしたいのだが何が欲しい?」
「えぇ、急に言われても困るな……」
「ハル!私をあげる!」
「ちょっとエリーナは黙ってて」
  エリーナの冗談のせいで町長さんの目付きがすごく怖い。親バカだからね!
「オホン!なんなら町の永住権などでもいいが……」
「いえ、僕達は冒険者なんで……」
「あ!そうだ。関所がめんどくさいのでフリーパス見たいな物を貰えますか?」
「フリーパス?通行証のことか。お安い御用だ」
「ありがとうございます!」
「それと10万Gを渡す。旅の資金に役立ててくれ」
「10万!?」
「ああ、貰ってくれ。なんてたってお前達はこの町の英雄なんだからな!」
「町長さんとエリーナが海を凍らせてくれなかったら無理でしたよ」
「あれは頑張った……」
  ちゃんと認めるんだね。確かに凄かったけど。
「では、ありがとうございました!」
「うむ、気をつけてな。また気が向いたら寄ってくれ」
「はい!さようなら!」
  僕達は通行証2枚と10万Gを貰って町長の屋敷を後にする。
「ハル、レイナ!本当にありがとう!!」
「どういたしまして」
「また……来てね……?」
「もちろん!」
「その時は……ううん、なんでもない。またね!」
「じぁね。元気でね」
「さぁレイナ、行こうか」
「うん!」
僕達は町を出て、次の町へと向かうのであった。
  町長とエリーナが叫ぶ。
  視界が真っ白になる。
  急激な温度変化で霧ができたのだ。
  少しづつ霧が晴れるとそこには想像を絶するような光景が広がっていた。
「海が……凍ってる……!」
  リヴァイアサンは宙に浮くことでなんとか体が凍るのを防いだようだ。
  だがこれで近距離攻撃が出来るようになった。
「海が凍ったぞー!!!」
「近接部隊、かかれー!!」
  隊長の号令で大勢の冒険者達がリヴァイアサンに突撃する。
「魔法部隊、目を狙えー!!」
  流石は隊長だ。定石がわかっている。
  魔法部隊がリヴァイアサンの目を目がけて魔法の弾幕を張る。
  その隙に近接部隊がリヴァイアサンに攻撃する。
  しかしその多くがリヴァイアサンの鱗を越えてダメージを与えることは出来ない。
「俺達も行くぞ!」
「はい!」
  僕達も氷の海を走り、リヴァイアサンに近づく。
  凍った海は少し滑るので走りづらいが慣れるといつものスピードが出せるようになった。
「チョコマカト、鬱陶シイワ!!」
  リヴァイアサンが暴れる。
  周りにいた冒険者達は宙を舞う。
「結局俺達だけが前衛かよ」
「ハハ、そうみたいですね」
「でも、今回は弾幕を張ってくれる後衛がいますよ」
「マズハ後衛カラダ!!」
  リヴァイアサンがブレスを町に向けて放つ。
  
  結界部隊がなんとか結界を張ったがすぐに破られ、魔法部隊、結界部隊共に壊滅する。
「いなくなりましたね……」
「そうみたいだな……」
「海ニ沈ンダト思ッタガマダ生キテイタカ」
「ああ、何とかなっ!!」
  ユウが雷を纏わせた剣でリヴァイアサンを正面から斬る。
  その剣はリヴァイアサンの鱗を越えて肉を斬る。
「おおおっ!!」
  僕は後ろから斬る。
  オリハルコンはリヴァイアサンの鱗に弾かれることなく肉に到達する。
「グオオッ!?」
  リヴァイアサンは自慢の鱗がいとも容易く斬られ、驚愕している。
「強大なる自然よ、全てを押し流せ!」
「【世界を変える豪雨】」
「おいおいなにが起きるってんだ……?」
  リヴァイアサンが魔法を詠唱すると視界が真っ黒に染まる。
  それからすぐ打ち付けるような雨が降る。
  その雨に当たると鉛が落ちてきたように痛い。
「ハル!あれを止めないと不味いぞ!世界が終わっちまう!」
「はい!」
  まだリヴァイアサンは空に魔力を注ぎ続けている。
「頭を狙え!」
「はい!」
「サンダーボルト!!」
  ユウはリヴァイアサンの口に雷を放つ。
「よっと、えいっ!」
  僕はリヴァイアサンの頭の上に乗り、目に剣を突き刺す。
「グルオオオオオ!!」
「よし!止められたぞ!」
「片目を潰しました!」
「お前感覚器官ばっか狙ってんな……」
「避けられると嫌なんでね」
「かなり相手もぼろぼろだぞ。一気に畳みかけるぞ」
「こっちもボロボロですけどね」
「グルオオオオオ!!」
  リヴァイアサンがブレスを縦横無尽に放つ。
「明鏡止水!!」
  僕はブレスをスキルで受け流し続ける。
「くらえぇ!!」
「俺もだっ!サンダーブレード!!」
「ウォーターサイクロン」
  リヴァイアサンの周りに水の渦が発生し、リヴァイアサンを覆う。
「うおっ!?」
「やべっ!!」
  僕達はその渦に突っ込む。
  ユウは慌てて雷を消そうとするが間に合わず、二人とも感電してしまう。
「すまんっ……」
「だい……じょうぶです……」
「フゥ、危ナイ危ナイ」
「危ないってことはあれが決まればなんとか倒せそうだな」
「そうみたいですね……でも……」
「どうやって当てるか……」
「そうだハル!」
「はい?」
「お前はスキルでパワーを溜め続けろ」
「溜まったら俺が魔法で動きを止める」
「わかりました!」
「行くぞ!神だろうが何だろうが俺達で倒してやろうじゃないか!」
「はい!!」
「明鏡止水!!」
  僕はスキルを発動する。
「来い!リヴァイアサン!」
「イイダロウ……」
「強大なる自然よ、全てを押し流せ!!」
「【世界を変える豪雨】」
「そっちかよ!!」
「ハル!大丈夫か!?……え?」
  僕はスキルの効果で"雨を受け流していた"のだ。
  雨も攻撃判定なんだ!!
「ユウ!もう十分だ!!」
「あ、ああ」
「パラライズサンダー!!」
「グオッ!?体ガ動カンゾ!!」
「今だ!ハル!」
  ユウは僕の剣に雷を纏わせる。
  そして僕は雨を受け流しながら飛び上がる。
「うおおおおおおおおおお!!!!」
「行けぇ!神を殺せぇ!!」
「神殺しの雷剣!!!」
「我ガ人間ゴトキニィ!!!」
  雷を纏った剣はリヴァイアサンを縦に真っ二つにした。
  そしてリヴァイアサンは黒い霧となって消え、雨も止んだ。
「やった……やったぞおぉ!!」
「リヴァイアサンを倒したぞ!!」
  僕は気が抜けてその場に座り込んでしまう。
「なんとか……倒せたんだ……」
「ハル、君は凄いよ。本当に」
「ユウがいなかったら絶対に倒せなかった。ありがとう」
  今回はたまたまユウがこの町にいて、たまたま助けに来てくれた。
  
  だからこそ倒せた。
  
  色んな偶然が重なってなんとか倒せたんだ。
  それ程にリヴァイアサンは強かった。伝説になるほどある。
「さぁ、町に戻ろう!」
「うん!」
  僕達は凍った海を歩いて町に戻った。
――港町――
「帰ってきたぞー!!!」
  町に戻るとすでに怪我人の救助等が始まっていた。
「レイナは!?」
「ここだよ、ハル」
「無事だったのか……良かった」
「回復魔法で治して貰ったの、もう元気だよ!」
「それより凄いよハル!海神を倒すなんて!」
「まぁユウの雷のお陰だけどね」
「それでも凄いよ!!」
「ありがとう。あ、ユウ、剣返すね」
「いや、いいよ」
「え、でも……」
「君が貰ってくれ」
「でもこれオリハルコンだよ?」
「俺はもう一本あるから大丈夫さ」
「ほんとにいいの?」
「ああ、それと次の町はドワルゴンに行ったらどうだ?」
「ドワルゴン?どうして?」
「鍛治の町だからな。君に合うようにオリハルコンの剣を打ち直して貰うと良いだろう」
「そうするよ。色々ありがとう」
「こちらこそ。また会おう」
  そう言ってユウは去っていった。
  しばらく町を歩いているとエリーナがやってきた。
「ハル、レイナ、お父さんが呼んでるよ!」
「エリーナ、無事で良かった。今すぐ行こう」
  僕達は町長の屋敷に向かった。
「この度はこの町を救って頂き、誠に感謝する!」
「いえいえそんな……」
「娘を助けてくれたのと合わせてお礼をしたいのだが何が欲しい?」
「えぇ、急に言われても困るな……」
「ハル!私をあげる!」
「ちょっとエリーナは黙ってて」
  エリーナの冗談のせいで町長さんの目付きがすごく怖い。親バカだからね!
「オホン!なんなら町の永住権などでもいいが……」
「いえ、僕達は冒険者なんで……」
「あ!そうだ。関所がめんどくさいのでフリーパス見たいな物を貰えますか?」
「フリーパス?通行証のことか。お安い御用だ」
「ありがとうございます!」
「それと10万Gを渡す。旅の資金に役立ててくれ」
「10万!?」
「ああ、貰ってくれ。なんてたってお前達はこの町の英雄なんだからな!」
「町長さんとエリーナが海を凍らせてくれなかったら無理でしたよ」
「あれは頑張った……」
  ちゃんと認めるんだね。確かに凄かったけど。
「では、ありがとうございました!」
「うむ、気をつけてな。また気が向いたら寄ってくれ」
「はい!さようなら!」
  僕達は通行証2枚と10万Gを貰って町長の屋敷を後にする。
「ハル、レイナ!本当にありがとう!!」
「どういたしまして」
「また……来てね……?」
「もちろん!」
「その時は……ううん、なんでもない。またね!」
「じぁね。元気でね」
「さぁレイナ、行こうか」
「うん!」
僕達は町を出て、次の町へと向かうのであった。
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