魔法使いが迫害される世界で賢者の弟子になります!
第8話『目覚め』
「くらえっ!  サンダーキャノン!」
  
  俺は巨大石像に雷魔法を放つ。
  魔道兵器にはこれがよく効いたが……
「魔障壁、起動」
  俺の魔法が巨大石像に到達するより先に巨大石像は目の前に半透明の壁を作りだし、それを防いだ。
「ダメか……」
「衝撃槍!!」
  今度はミリアが直接巨大石像に攻撃する。
  しかし、ミリアの槍も衝撃波も全て弾かれてしまった。
「いてて……あいつ硬いよ」
「猫人流短剣術【辻風】」
  マックスは短剣を上段に構え、高速で移動する。
  よく見ると同じ所を何回も攻撃しているのがぼんやりと見える。
「これでよしにゃ!」
  マックスが帰ってくると巨大石像の右腕がガシャン、と大きな音を立てて崩れ落ちた。
  ほんとにマックスは有能だな。
「ピピ、自動修復機能起動……修復完了」
「あちゃー、壊しても治っちゃうか」
「物理もダメ、魔法もダメ、そして壊しても元通りって強すぎじゃん!  勝てないよ、どうしよう!」
「流石は最終システムだな。最早笑えるレベルで強いな」
「笑ってる場合じゃないにゃ!」
「ギガガ……破壊、スル」
「来るぞっ!!」
  巨大石像はノーモーションで目から熱線を放ってくる。
  俺達は何とかそれをギリギリで避ける。
  熱線が触れた床は大きく抉れている。
「はは……洒落になんない威力だな。こんな奴と戦う義理はねぇ、逃げるぞ!」
「ダイゴ、扉が開かないにゃ!」
「ミリア、扉を壊してくれ!  大分ボロボロだから壊せるはずだ!」
「分かった!  衝撃槍!!」
  ミリアは閉ざされた扉を槍とそれが放つ衝撃波で壊そうとする。
  しかし、扉はビクともしない。
  あんなにボロボロなのに、だ。
「脱出不能。侵入者、諦メロ」
「やるっきゃないみたいだな……」
「でもあんなのどうやったら倒せるの……?」
「防御も修復も出来ない威力で攻撃するしかないにゃ」
「そんな……」
「俺は絶対に師匠を助けに行く。だからこんな所で死んでられないんだよ!!」
  俺は剣を抜き、巨大石像の真下に移動する。
  巨大石像はまだ反応出来ていない。
  このまま最大火力の魔法をゼロ距離で放つ!
「フレイムバーストォ!!」
  俺は巨大石像に触れた状態で最大火力の火魔法を発動する。
  ゼロ距離なら魔障壁も間に合わないはずだ。
  
  俺の手から放たれた炎は巨大石像の右足と左足の大半を燃やし尽くす。
  足を大半無くした巨大石像は崩れるように倒れて動かなくなった。
「やったかにゃ?」
「ちょ、それフラグ……」
「ピピ、自動修復機能起動」
「ほらな?」
「修復される前に叩こう!」
「いや、それは無理だな……」
「ピピ、修復完了。攻撃ヲ開始スル」
  巨大石像は一瞬で両足を修復してしまった。
  只でさえ硬いくせに一瞬で修復されるなんて……
  巨大石像はドスドスと地面を揺らしながらその巨体に似合わない速度で移動し、地面にパンチを繰り出す。
  俺達はターゲットを代わる代わる変えさせながら何とか攻撃を凌ぐ。
「そんな……勝てる訳ないよ……」
「止まるな!  考えるのをやめたらすぐに死ぬぞ!」
「そうにゃ!  諦めたらダメにゃ!  まだ何か手が……」
「エネルギー補填完了……」
  俺達が巨大石像の攻撃を避け続けていると、巨大石像が急に立ち止まった。
  エネルギー補填完了だと?  不味いっ!!
「皆伏せろ!!」
「え?」
「うにゃ?」
「破壊砲」
「【多重結界】!!」
  俺は目の前に何重のも結界を展開する。
  これは結界魔法の中でも上位の物で大概の物は防げる。
  そして巨大石像の目からとてつもないエネルギー量の光線が放たれる。
  光線が多重結界に触れた瞬間、パリンと音を立てて多重結界が一瞬で壊された。
「ダメかっ!!」
「うあああああああああああぁぁぁ!!」
  俺達は光線に飲み込まれた。焼けるような痛みが全身を襲う。
  俺は必死で防御魔法を展開し、受け止めようとするが、光線は勢いを落とさない。
「負けるかあああああぁぁぁ!!」
  俺はミリアとマックスに光線が到達する直前に光線を止めることが出来た。
  だがしかし、防御魔法で防いだにもかかわらず、致命傷レベルのダメージを負ってしまう。
「ミリア……マックス……」
「ダイゴ!  大丈夫!?」
「何で自分一人で受け止めるんだにゃ!  僕達も一緒に受け止めたら良かったにゃ!」
「仲間は……俺が……守る……んだ」
「ダイゴ!」
  くそっ、まだだ。俺は攻撃を防いだだけだ。
  まだ巨大石像は倒せていない……!
  動けよ!  動いてくれよ!
  もう誰も失いたく無いんだ!!
  その時、突然俺の頭の中に謎の声が聞こえてきた。
  どこか温かく、懐かしさの感じられる声だ。
――無理はよしなさい。もう動けないんでしょ?
  あぁ?  誰だよアンタ。俺はまだ動ける、動かなきゃいけないんだ!
――それ以上は本当に死ぬわよ?
  死なねぇし、誰も死なせねぇ!
 もう誰も失いたく無いんだよ!
――強情ね。全く、誰に似たんだか……
  何と言われても構わない!
  俺は死んでもあいつらを守る!  邪魔するな!
――覚悟は十分みたいね。なら、私の力を貸してあげるわ。
  でも、それ相応のリスクもある。それでもいい?
  当たり前だ!  
  あいつらを守るためならどんなリスクだって負ってやる!
――じぁ、動けるようになったらあそこの宝箱を開けるのよ。
  そう言って謎の声は遠のいていった。
  それと同時に体中の痛みが感じられなくなった。
「うおおおお!!」
「ダイゴ!?  どうしてそんな傷で立てるの!?」
「無茶にゃ!  そんな状態で戦えないにゃ!」
「俺はお前達を絶対に守る!  もう誰も失わない!」
  俺は謎の声に言われたように宝箱を目指す。
  巨大石像は俺を拒むように拳を繰り出してくる。
  俺は巨大石像の猛攻を何とか避けつつ、宝箱に辿り着く。
  宝箱を開けるとそこにあったのは月の模様が彫ってあるペンダントだった。
  これを、付けたらいいのか?
  俺はペンダントを付けた。
  すると、ペンダントが優しく光り輝き、力が流れ込んできた。
「これなら……あいつを倒せる!」
「何あの光……凄まじい力を感じる……!」
「何だか癒されるにゃ……」
「危険……全力デ排除スル!」
  巨大石像も何かを感じ取ったのかミリアやマックスには目もくれず、俺に向かってきた。
「凍てつけ!  【凍てつく世界】」
「危険……魔障壁起動!」
  俺は氷属性の大魔法を発動する。
  普段なら魔力量的に使えないのだが力を得た今、発動に成功した。
  俺を中心に広がっていく冷気が空気を極低温まで冷やしていく。
  巨大石像が発動した魔障壁も意味をなさず、巨大石像も完全に凍結し、崩壊する。
「これは自分でもびっくりだな……あれ?」
  巨大石像を倒すことが出来てホッとした途端、意識が遠のいていく。
  魔力欠乏か……まぁ、当たり前だよな……
「ダイゴ!」
「しっかりするにゃー!」
  そこで俺の意識は途絶えた。
――――――――――――――――――――――――――――
「……ゴ……イゴ……ダイゴ!」
「うっ……ミリア?  ここは?」
「ラッカーナだよ。あの後マックスが街まで担いで来てくれたんだよ」
「そっか……ありがとう」
「お礼を言うのはこっちの方だよ。ダイゴがあの巨大石像を倒してくれたから私は今ここにいるんだよ。あのままじゃ死んでたよ……」
「仲間だから……当たり前だろ」
「ダイゴ……あっ!  まだギルドに報告してないから行ってくるね!」
「俺も行く……」
「でも、動けないんじゃない?」
「いや、大丈夫だ。ただの魔力欠乏だからな。数日休んだら元通りになるよ」
「分かった。じぁ行こっか!  マックスは買い出しに行ってるから!」
「おう」
  ミリアは楽しそうに部屋を出ていった。
  こうしてミリアの笑顔がまた見れてよかった。
  俺はちゃんと仲間を守れたんだな……
  
  俺は巨大石像に雷魔法を放つ。
  魔道兵器にはこれがよく効いたが……
「魔障壁、起動」
  俺の魔法が巨大石像に到達するより先に巨大石像は目の前に半透明の壁を作りだし、それを防いだ。
「ダメか……」
「衝撃槍!!」
  今度はミリアが直接巨大石像に攻撃する。
  しかし、ミリアの槍も衝撃波も全て弾かれてしまった。
「いてて……あいつ硬いよ」
「猫人流短剣術【辻風】」
  マックスは短剣を上段に構え、高速で移動する。
  よく見ると同じ所を何回も攻撃しているのがぼんやりと見える。
「これでよしにゃ!」
  マックスが帰ってくると巨大石像の右腕がガシャン、と大きな音を立てて崩れ落ちた。
  ほんとにマックスは有能だな。
「ピピ、自動修復機能起動……修復完了」
「あちゃー、壊しても治っちゃうか」
「物理もダメ、魔法もダメ、そして壊しても元通りって強すぎじゃん!  勝てないよ、どうしよう!」
「流石は最終システムだな。最早笑えるレベルで強いな」
「笑ってる場合じゃないにゃ!」
「ギガガ……破壊、スル」
「来るぞっ!!」
  巨大石像はノーモーションで目から熱線を放ってくる。
  俺達は何とかそれをギリギリで避ける。
  熱線が触れた床は大きく抉れている。
「はは……洒落になんない威力だな。こんな奴と戦う義理はねぇ、逃げるぞ!」
「ダイゴ、扉が開かないにゃ!」
「ミリア、扉を壊してくれ!  大分ボロボロだから壊せるはずだ!」
「分かった!  衝撃槍!!」
  ミリアは閉ざされた扉を槍とそれが放つ衝撃波で壊そうとする。
  しかし、扉はビクともしない。
  あんなにボロボロなのに、だ。
「脱出不能。侵入者、諦メロ」
「やるっきゃないみたいだな……」
「でもあんなのどうやったら倒せるの……?」
「防御も修復も出来ない威力で攻撃するしかないにゃ」
「そんな……」
「俺は絶対に師匠を助けに行く。だからこんな所で死んでられないんだよ!!」
  俺は剣を抜き、巨大石像の真下に移動する。
  巨大石像はまだ反応出来ていない。
  このまま最大火力の魔法をゼロ距離で放つ!
「フレイムバーストォ!!」
  俺は巨大石像に触れた状態で最大火力の火魔法を発動する。
  ゼロ距離なら魔障壁も間に合わないはずだ。
  
  俺の手から放たれた炎は巨大石像の右足と左足の大半を燃やし尽くす。
  足を大半無くした巨大石像は崩れるように倒れて動かなくなった。
「やったかにゃ?」
「ちょ、それフラグ……」
「ピピ、自動修復機能起動」
「ほらな?」
「修復される前に叩こう!」
「いや、それは無理だな……」
「ピピ、修復完了。攻撃ヲ開始スル」
  巨大石像は一瞬で両足を修復してしまった。
  只でさえ硬いくせに一瞬で修復されるなんて……
  巨大石像はドスドスと地面を揺らしながらその巨体に似合わない速度で移動し、地面にパンチを繰り出す。
  俺達はターゲットを代わる代わる変えさせながら何とか攻撃を凌ぐ。
「そんな……勝てる訳ないよ……」
「止まるな!  考えるのをやめたらすぐに死ぬぞ!」
「そうにゃ!  諦めたらダメにゃ!  まだ何か手が……」
「エネルギー補填完了……」
  俺達が巨大石像の攻撃を避け続けていると、巨大石像が急に立ち止まった。
  エネルギー補填完了だと?  不味いっ!!
「皆伏せろ!!」
「え?」
「うにゃ?」
「破壊砲」
「【多重結界】!!」
  俺は目の前に何重のも結界を展開する。
  これは結界魔法の中でも上位の物で大概の物は防げる。
  そして巨大石像の目からとてつもないエネルギー量の光線が放たれる。
  光線が多重結界に触れた瞬間、パリンと音を立てて多重結界が一瞬で壊された。
「ダメかっ!!」
「うあああああああああああぁぁぁ!!」
  俺達は光線に飲み込まれた。焼けるような痛みが全身を襲う。
  俺は必死で防御魔法を展開し、受け止めようとするが、光線は勢いを落とさない。
「負けるかあああああぁぁぁ!!」
  俺はミリアとマックスに光線が到達する直前に光線を止めることが出来た。
  だがしかし、防御魔法で防いだにもかかわらず、致命傷レベルのダメージを負ってしまう。
「ミリア……マックス……」
「ダイゴ!  大丈夫!?」
「何で自分一人で受け止めるんだにゃ!  僕達も一緒に受け止めたら良かったにゃ!」
「仲間は……俺が……守る……んだ」
「ダイゴ!」
  くそっ、まだだ。俺は攻撃を防いだだけだ。
  まだ巨大石像は倒せていない……!
  動けよ!  動いてくれよ!
  もう誰も失いたく無いんだ!!
  その時、突然俺の頭の中に謎の声が聞こえてきた。
  どこか温かく、懐かしさの感じられる声だ。
――無理はよしなさい。もう動けないんでしょ?
  あぁ?  誰だよアンタ。俺はまだ動ける、動かなきゃいけないんだ!
――それ以上は本当に死ぬわよ?
  死なねぇし、誰も死なせねぇ!
 もう誰も失いたく無いんだよ!
――強情ね。全く、誰に似たんだか……
  何と言われても構わない!
  俺は死んでもあいつらを守る!  邪魔するな!
――覚悟は十分みたいね。なら、私の力を貸してあげるわ。
  でも、それ相応のリスクもある。それでもいい?
  当たり前だ!  
  あいつらを守るためならどんなリスクだって負ってやる!
――じぁ、動けるようになったらあそこの宝箱を開けるのよ。
  そう言って謎の声は遠のいていった。
  それと同時に体中の痛みが感じられなくなった。
「うおおおお!!」
「ダイゴ!?  どうしてそんな傷で立てるの!?」
「無茶にゃ!  そんな状態で戦えないにゃ!」
「俺はお前達を絶対に守る!  もう誰も失わない!」
  俺は謎の声に言われたように宝箱を目指す。
  巨大石像は俺を拒むように拳を繰り出してくる。
  俺は巨大石像の猛攻を何とか避けつつ、宝箱に辿り着く。
  宝箱を開けるとそこにあったのは月の模様が彫ってあるペンダントだった。
  これを、付けたらいいのか?
  俺はペンダントを付けた。
  すると、ペンダントが優しく光り輝き、力が流れ込んできた。
「これなら……あいつを倒せる!」
「何あの光……凄まじい力を感じる……!」
「何だか癒されるにゃ……」
「危険……全力デ排除スル!」
  巨大石像も何かを感じ取ったのかミリアやマックスには目もくれず、俺に向かってきた。
「凍てつけ!  【凍てつく世界】」
「危険……魔障壁起動!」
  俺は氷属性の大魔法を発動する。
  普段なら魔力量的に使えないのだが力を得た今、発動に成功した。
  俺を中心に広がっていく冷気が空気を極低温まで冷やしていく。
  巨大石像が発動した魔障壁も意味をなさず、巨大石像も完全に凍結し、崩壊する。
「これは自分でもびっくりだな……あれ?」
  巨大石像を倒すことが出来てホッとした途端、意識が遠のいていく。
  魔力欠乏か……まぁ、当たり前だよな……
「ダイゴ!」
「しっかりするにゃー!」
  そこで俺の意識は途絶えた。
――――――――――――――――――――――――――――
「……ゴ……イゴ……ダイゴ!」
「うっ……ミリア?  ここは?」
「ラッカーナだよ。あの後マックスが街まで担いで来てくれたんだよ」
「そっか……ありがとう」
「お礼を言うのはこっちの方だよ。ダイゴがあの巨大石像を倒してくれたから私は今ここにいるんだよ。あのままじゃ死んでたよ……」
「仲間だから……当たり前だろ」
「ダイゴ……あっ!  まだギルドに報告してないから行ってくるね!」
「俺も行く……」
「でも、動けないんじゃない?」
「いや、大丈夫だ。ただの魔力欠乏だからな。数日休んだら元通りになるよ」
「分かった。じぁ行こっか!  マックスは買い出しに行ってるから!」
「おう」
  ミリアは楽しそうに部屋を出ていった。
  こうしてミリアの笑顔がまた見れてよかった。
  俺はちゃんと仲間を守れたんだな……
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