永遠エクスファミリア球体魔法陣オーケストラ最適化ポテンシャルクラスタNetsメタ転生即興神秘CORE『『『  』』』

咲しべ棚牡丹御膳

029三人のギタリスト『20センチュリーボーイ✳Queen✳ムーンリバー✳ユーミ』

♪ ♯ ♪ ♭ ♪ ♯ ♪ ♭ ♪   



 球体ホログラムに映像が映る――。


 放送元は同じ時代の主にブロードキャストに特化したギルド。


 その内容はジャンルを超えたトップギタリスト三人がゲストのチャネルだー。


 そこにはよく知った顔もあった――私たちのギルドと交流あるギルドの繋がりで、私たちクランメンバーの『ユーミ』が司会進行する――。


 ユーミはパステルカラーのよく似合う小柄な身体でいることが多い。パステルユーミ。いることが多い、と言ったのは、私たちの身体にはデフォルトがない――。


 状況により最適化される――特に顕著なのは生命の危険な時だった――そして恋愛時も変化しやすい。



 恋愛も従来より多様におそらく本質的にアップデートされていて、詳しくは後に共有されると思われるが――

 

 まずは私たちのギルドの法のような存在――『シェアルゴリズム』に紐づけされている戸籍のような、個体及び共生クラスター(集合体)認識記録システムには、家族制度もない。結婚制度もない。ないのだ――。


――話は戻ろう。


 可愛い前後に垂れ下がるピアスをして、黒いワンピースなロングスカートを纏ったクラシックギターのスペシャリスト。ブルー系のアイシャドウが印象的。


 シックなスーツに眼鏡とヒゲを生やした渋めのジャズギタープレイヤー。そして三人目のロックギタリストはグラムロックな派手な衣装に見を包み、キラキラがついた黒いハット帽子が似合っていた――。


 ロックギタリストは往年のT-REX『20センチュリーボーイ』のリフを弾き始めた。


 次にQueenの二曲のリフを弾いた。リフとは耳に残りやすいフレーズをいう。


 後者は『WE WILL ROCK YOU』二曲とも顔で弾いている。顔で弾くというのはジミヘンみたいに歯で弦を弾くわけではなく――演奏と顔をマッチさせてまるで顔から音が出ているかのように聴こえて来るのだ。

 

 続いてクラシックギタリストはこどもの頃に聴いていた『パラダイス銀河』のサビワンフレーズをアルハンブラ風に(単一音を小刻みに繰り返して震えるように聴こえる)――しっとり弾いた。スペインのほのかな香りがするようだ――。


 エレキギターで『夢の中へ』G Em Am A7の四コードのみを繰り返し永遠に弾けると少しだけ実演された。


 次はエレキでJSバッハ『ガヴォット』を奏でる――。クラシカルロックと言えばイングヴェイマルムスティーンだった。速弾きでのクラシカルなエレキギターは当時、圧巻なのだった――。


 ジャズギタリストはボサノヴァを弾き始めた頃に――FM7という少し大人のサウンドを知ったと語る――。


 ギターはエレキアコースティックギター――エレアコであり、ポールリードスミス製でボディはキルテッドメイプルという、波打ち模様のカエデ材だ。


 次にエレキギターのトレモロアームをつかい、ぽわんぽわんサウンドにして、ハワイに誘《いざな》った。


 クラシックギターの演奏法にもトレモロがあり、映画――禁じられた遊び『アルハンブラの思い出』を親指で低音、人差し指中指薬指で同じ弦を交互に小刻みに奏でた――。


 ジャズギターではマンドリン奏法というピックで弦を小刻みに弾いた。急に悲しくなるサウンドだった。


 クラシックギタリストはピック代わりに爪で奏でる為、ヤスリで整える。エレアコを弾くものでも爪を使う者がいる。マニキュアで爪を補強するのだ。


 ラスゲアードという別名フラメンコ奏法では弦を掻き鳴らすように弾く――ジャッって鳴る引き方――その為、爪の補強に接着剤を少しだけ塗る者もいるようだ。


 

 三人は最後にオードリーヘップバーン主演映画――ティファニーで朝食を『ムーンリバー』をスペシャルセッションした――。

 

 映画内ではオードリーがギターを弾きながらこの―曲を歌う。


 ジャズギタリストが編曲し、クラシックギターが美しく始まりの音色を奏でた――。程良く、ためてから弾くので三味線とまではいかないが――少したわんだ倍音の多いサウンドも聴こえた。



 ロックギタリストが大分乾いた歪んだサウンドでAメロをアレンジ――ハンマリング――プリングを多用しながら、貯めたり独特の間でAメロを弾いた。


 リズムを遊びながらたのしんでいた。もちろんチョーキングで音を上げるときは顔で弾く――。ラストに投げキッスを放射する。



 続いて優しい音色――クリーントーンでジャズギターがアドリブで奏でられる。


 基本的なことだがアドリブを弾くには、スケールと呼ばれる音階を――身体で必要な分だけおぼえる必要がある。ハーモニカが何本も必要なのはキーごとにハーモニカがあるからだ――。


 中には確か音を変えられるハーモニカもあった。ハープも似たような仕組みで音を変えられる気がしたが、それは定かではない。



 ともかく三人のセッションは優しい音色と宇宙に届いて拡がるようなフランジャーに似たサウンドで終幕した――。




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