神の使徒

ノベルバユーザー294933

第十ニ話 「追う者」

二人組の襲撃者、永らく封印されていた魔神とそれを解放させた人間、彼等がこの場所から逃げおおせてから一日が経過した。

重厚な白甲冑を纏う男が地面、真下で淡い光を放つ魔法陣を眺め、そっと重々しく声を放つ。

「空間転移」

その瞬間地面の輝きが更に増して、魔法陣の下からせり上がるようにして数十機もの機体が出現する。
それは聖域騎士団において精鋭のみに与えられた神子様より直々に下賜された兵装。

【《聖域騎士団用》駆動系二輪走行機、通称《バイク》】

騎士団のモチーフである白と合うようにしてバイクも白銀カラーで塗装されている。
機体に居並ぶ騎士達が乗り、計二十機編成の小隊を組む。
それを見やり、最後に騎士団長たる自らがバイクに乗り、大きく声を張り上げた。

「我等の目的は逃走した魔神の殲滅、情けは無用だ…行くぞ!!」

「「「「おおおおおおおおおおおォオォォオ!」」」」

雄叫びと共に騎士達は疾駆する、白の機体と共に。

土埃と共に風の如く駆け抜けたバイクその後ろ姿を見ながら、一人の少女が胸の位置で手を組む。

「どうか、彼等に神の御加護を…」

祈り、彼女はこの場に残った。騎士団長、彼に頼まれた彼女の努めを果たすために…。
少女の元に、男が近づく、それは待っていた報告の使いだ。

「遺跡の入り口を掘り起こすことに成功しました、地下から内部へ侵入できます!」

「わかりました…では私達も行きましょう、退魔の剣【聖剣エクスカリバーン】を手に入れるのです!」

「はっ! 了解しました!」

そう聖域騎士団は動き始める。二つの目的を達成するために。



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