蒼の少女飛行隊
第5章 作戦終了
敵新型機がX-47Aだと言うことは無線で報告してある、
X-47Aは米軍の開発していたAI搭載のUAVで予算案や戦闘機パイロットの職業が脅かされるとして他国に引き継がれることなく開発が中断された、
今作戦は敵新型機の確認及び迎撃だったので成功、
部隊の損耗も1機撃墜の軽微に終わった。
任務終了後は救出部隊と調査部隊に引き継がれたがスパイダー4は現時点で見つからず、X-47Aは回収できたものの重要箇所は爆破されていたとのこと、
他の機体も同様で機密保持のために自爆装置が付いている。
それは新型も変わりはないという事だ、
「ヴァルキューレ1よりスパイダー1へ、すみません…気づくのが遅れてしまったせいで…」
少し間があって返答がくる、
「いや…お前のせいじゃない、
スパイダー隊の隊長である俺がしっかり状況を確認してなかったからだ、それに…スパイダー4はまだ死んだと決まったわけではない…」
確かに生死の確認は取れていないものの、結果は絶望的だが…
「そう…ですよね、勝手に決めつけるのは良くないですよね…すみません…」
その後の返答はなかった。
ヴァルキューレ隊のみんなも何も発言しなかった。
しばらくすると基地からの管制が通信に入り、着陸コースに入る。
最初に燃料の残量が少ないヴァルキューレ隊、次にスパイダー隊が着陸する。
前方に白い4本の線が見えてきた、
すぐにアプローチに入る
フラップダウンをして機首を下げる、
高度が少しずつ下がっていく
スロットルを調節しギアを下ろす
ハンガーの前では歓声が上がっている。
「隊長さんお疲れ様です。」
と声をかける
「お疲れ様です。色川さん、少し自室に戻らせていただきます。何かあったら連絡してください。」
そう言うと寮の方へ歩いて行ってしまった、
「マーヤ?タイチョーちゃんどうしたの?」
「いつも通りですよ、空戦では強いのに味方が落とされるといつも自分に責任を押し付けちゃうの隊長さんの悪い癖ですよね、」
「ほ〜んと、みんなの前では冷静なのに、」
「お体崩されないといいんですけどね…」
私は寮の階段を登り自室に入るなりベットに突っ伏して泣いてしまった。
戦争だから誰かが死ぬのは当たり前だと分かっていてもやはり人が死ぬのは耐えられない、
しばらく泣いていると疲れのせいか激しい睡魔が襲ってきた
味方が落とされていくのが何度もフラッシュバックして映し出される。
恐らくこれは夢の中、
ハーヴェストに包囲された味方部隊が4機まとめて撃墜される、
2機がかろうじて逃れたが敵機に追い回されている、
(これは3週間前の空中戦?)
今落とされたのはウィスキー隊、
この空戦で全滅した隊だ、
追われてる2機を助けるために白いF-15が飛び込んで行った。
(まって!)
敵機をロックオンしミサイルを放つ、
(行ってはダメ!)
返答がない、白い機体にこの声は届いていないらしい、
ウィスキー隊の機体がまた一機枯れ葉のように散っていく、
(ヴァルキューレ5!応答して下さい!)
ヴァルキューレ5は止まらず敵機を追い続ける、
やがて自分がコックピットにいることに気がつき操縦桿を引くが…動かない、出力も上がらない、
(なんで!なんで動かないの!)
ロックオンアラートがした、
敵機が6時方向から4機こちらに向かって飛行している、
すると操縦桿は反対側に切っているはずなのに機体が勝手に右旋回を始めた。
(だめっ!日向はそっちじゃない!)
そして…
「ドゥン!」
白い機体が被弾する、
(日向ッ!)
その機体はぐんぐん高度を落としていく、やがて爆散、残骸が海へと消えていく、
(ひ……)
名前を呼ぼうとしても呼吸ができない、
そして目を覚ました、
窓の外が暗い、
体には毛布が掛かっていた。
2月のヒンヤリした空気が窓越しに肌を撫でる、
「日向…」
ふと呟いたその名は私の妹、
ー天野 日向ー
3週間前にオホーツク海沿岸の防空任務で味方を守って戦死、
ヴァルキューレ隊の5番機だった、
髪の色は私と同じ白でショートカットの明るい子だった、
ヴァルキューレ隊の誰よりも優しい子で味方が落とされると私以上に責任を感じていた。
「さみしいよ…日向…」
隣のベッドももう誰もいない、
名前を呼んでも返事が返ってこない、
日向はもういない、
しばらくするとまた睡魔が襲って来た。
今回は何も見ることがなく寝てしまった。
X-47Aは米軍の開発していたAI搭載のUAVで予算案や戦闘機パイロットの職業が脅かされるとして他国に引き継がれることなく開発が中断された、
今作戦は敵新型機の確認及び迎撃だったので成功、
部隊の損耗も1機撃墜の軽微に終わった。
任務終了後は救出部隊と調査部隊に引き継がれたがスパイダー4は現時点で見つからず、X-47Aは回収できたものの重要箇所は爆破されていたとのこと、
他の機体も同様で機密保持のために自爆装置が付いている。
それは新型も変わりはないという事だ、
「ヴァルキューレ1よりスパイダー1へ、すみません…気づくのが遅れてしまったせいで…」
少し間があって返答がくる、
「いや…お前のせいじゃない、
スパイダー隊の隊長である俺がしっかり状況を確認してなかったからだ、それに…スパイダー4はまだ死んだと決まったわけではない…」
確かに生死の確認は取れていないものの、結果は絶望的だが…
「そう…ですよね、勝手に決めつけるのは良くないですよね…すみません…」
その後の返答はなかった。
ヴァルキューレ隊のみんなも何も発言しなかった。
しばらくすると基地からの管制が通信に入り、着陸コースに入る。
最初に燃料の残量が少ないヴァルキューレ隊、次にスパイダー隊が着陸する。
前方に白い4本の線が見えてきた、
すぐにアプローチに入る
フラップダウンをして機首を下げる、
高度が少しずつ下がっていく
スロットルを調節しギアを下ろす
ハンガーの前では歓声が上がっている。
「隊長さんお疲れ様です。」
と声をかける
「お疲れ様です。色川さん、少し自室に戻らせていただきます。何かあったら連絡してください。」
そう言うと寮の方へ歩いて行ってしまった、
「マーヤ?タイチョーちゃんどうしたの?」
「いつも通りですよ、空戦では強いのに味方が落とされるといつも自分に責任を押し付けちゃうの隊長さんの悪い癖ですよね、」
「ほ〜んと、みんなの前では冷静なのに、」
「お体崩されないといいんですけどね…」
私は寮の階段を登り自室に入るなりベットに突っ伏して泣いてしまった。
戦争だから誰かが死ぬのは当たり前だと分かっていてもやはり人が死ぬのは耐えられない、
しばらく泣いていると疲れのせいか激しい睡魔が襲ってきた
味方が落とされていくのが何度もフラッシュバックして映し出される。
恐らくこれは夢の中、
ハーヴェストに包囲された味方部隊が4機まとめて撃墜される、
2機がかろうじて逃れたが敵機に追い回されている、
(これは3週間前の空中戦?)
今落とされたのはウィスキー隊、
この空戦で全滅した隊だ、
追われてる2機を助けるために白いF-15が飛び込んで行った。
(まって!)
敵機をロックオンしミサイルを放つ、
(行ってはダメ!)
返答がない、白い機体にこの声は届いていないらしい、
ウィスキー隊の機体がまた一機枯れ葉のように散っていく、
(ヴァルキューレ5!応答して下さい!)
ヴァルキューレ5は止まらず敵機を追い続ける、
やがて自分がコックピットにいることに気がつき操縦桿を引くが…動かない、出力も上がらない、
(なんで!なんで動かないの!)
ロックオンアラートがした、
敵機が6時方向から4機こちらに向かって飛行している、
すると操縦桿は反対側に切っているはずなのに機体が勝手に右旋回を始めた。
(だめっ!日向はそっちじゃない!)
そして…
「ドゥン!」
白い機体が被弾する、
(日向ッ!)
その機体はぐんぐん高度を落としていく、やがて爆散、残骸が海へと消えていく、
(ひ……)
名前を呼ぼうとしても呼吸ができない、
そして目を覚ました、
窓の外が暗い、
体には毛布が掛かっていた。
2月のヒンヤリした空気が窓越しに肌を撫でる、
「日向…」
ふと呟いたその名は私の妹、
ー天野 日向ー
3週間前にオホーツク海沿岸の防空任務で味方を守って戦死、
ヴァルキューレ隊の5番機だった、
髪の色は私と同じ白でショートカットの明るい子だった、
ヴァルキューレ隊の誰よりも優しい子で味方が落とされると私以上に責任を感じていた。
「さみしいよ…日向…」
隣のベッドももう誰もいない、
名前を呼んでも返事が返ってこない、
日向はもういない、
しばらくするとまた睡魔が襲って来た。
今回は何も見ることがなく寝てしまった。
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コメント
青空 トシキ
コメントが無いようなので現時点で打ち切りとさせていただきます。
青空 トシキ
機種変のため前のアカウントが使えなくなってしまいました。そのためこちらのアカウントで活動させていただきます。蒼の少女飛行隊については、ご意見しだいで打ち切りとさせていただきます。今後ともよろしくお願い致します。ご意見お待ちしております。