蒼の少女飛行隊

青空 トシキ

第4章 作戦開始.2

ヴァルキューレ1は音速で敵機の群れ正面から突っ込む、
FOXフォックス2」
翼下のミサイルが離れ、白い尾を引いて敵機に刺さるり爆散する、
「キル」
そのまま右旋回、
「ババババババババババッ!」
敵機を捕捉し鉛の雨を降らせる、
「キル」
敵機2機が黒煙に包まれ堕ちていく、
「さっすが!タイチョーちゃんやっるね〜」
「私達も負けてはいられませんよ、」
「私も参戦いたしますの!」

「ヴァルキューレ2「3!」「4」エンゲージ」
ヴァルキューレ隊、全機が加わり、さらに敵機は数を減らす、

「すごい…何なんだあいつら…
たった5機であんなに…」

スパイダー隊の隊員が呟いている、
でもそんなこと気にしていられない、

ヴァルキューレ隊は数で劣っているため背後を取られやすい、

(でも速度はこっちが優ってる!)
上昇を始めハイヨーヨーに入る、

速度の遅い無人機ハーヴェスト達は減速し上昇できないため高度が上がらずやむなく水平飛行をしている、

反対に速度の速いヴァルキューレ1は、その速度を高度に変えハーヴェストより高高度にいる、
そしてハーヴェストめがけて急降下、
降下により速度がグングン上がる、
ハーヴェストも反応し急旋回するが…
(遅い!)
「バババババババババッ!」
機銃を放つ
命中

「キル」

降下した影響でスピードが乗っているため追手のハーヴェストも追いつかない、

数では敵機が優っているものの
戦況はこちらの有利、
(でも…おかしい新型機が…いない?逃げた?…確かにこの空域で間違いないはず…)

      ーすると、ー

「ドンッ!」
右下方で音がした、
(まさかっ!)

「スパイダー4ロスト!」

慌ててスパイダー隊の方を見る、

(あれは!)

そこには白いい全翼機が飛んでいた、
上から見ると四角形の形をしている、
「X-47A!」
「なんですって!X-47ってアメリカさんが開発していた?」
「そうです…」
すぐ機体を90°ロールさせコンバットピッチをする、
「私が迎撃に向かいます、ヴァルキューレ2、4はスパイダー隊の援護を、3は遊撃してください、」
「「「了解!」」」



「くそったれが!振り切れねぇ」
スパイダー1が敵新型機に追われている。
急加速急減速などを繰り返すが敵機は動じず付いてくる、

「隊長!援護します!」
両機の無線が入るが…
「やめろ!遊ばれてる、来たら2機とも食われる撃墜されるぞ!」
それを制止する。
白い四角形の機体が背後で工学センサーを不気味に光らせている。

「ビー、ビー、」
コックピットにロックオンアラートが鳴り響く、

「もう…ダメかもな…」
どの手も通じないと悟り、
諦めかけた、

その時…

6時方向に白い物が飛び込むのが横目に分かった、
途端に敵新型機は急旋回する、

(何が起きた?)
状況が理解できずただ飛んでいると無線が入る、

「すみません、遅くなりました、
スパイダー隊はヴァルキューレ2、4と合流して下さい、」

その声と共にレーダー照射を受けていないことに気づく、

まだ頭がぼーっとする

旋回して後方を確認すると、
「ナンダ?…アレは?…」
それはもはや飛行機の起動ではなかった、
2本の白い線が、
複雑にねじれあって交錯する、

急降下したと思えば、複雑な弧を描いてまた上昇する、

「あっ…ありえねぇ…」
唖然として飛んでいると無線に声が入る。
「ヴァルキューレ2よりスパイダー1へ、大丈夫ですか?お怪我は?」

右前方にヴァルキューレ2が飛翔する。
応答に一瞬間遅れる、

「だっ…大丈夫だ…」
他の両機も無事のようだ、
「私達が援護に回ります、スパイダー隊は各個撃破を、スパイダー7はそのままジャミングを張り続けて下さい、」
「「「「「了解!」」」」」
その声とともにスパイダー隊全機攻撃態勢に入った、



(スパイダー隊とヴァルキューレ隊は無事合流出来たみたいね、
こっちも早く片付けないと、)

前方では敵機がマニューバを何重にも繰り出す、

私もそれに合わせ敵機の背後を取る、

一瞬のミスで全て逆転するほどの空中戦、
「ババババババッ!」
威嚇程度に機銃を撃ってみるが、
機械に威嚇は通用しない、

だがこうしている間にどんどん敵機との間は縮んで行く、
速度ではこちらが優っているからだ、

「ピッ、ピッ、ピッ、ピーー!」
(ロックオン!)
トリガーを引くと2本の矢が尾を引いて敵機を追尾する。

FOXフォックス2!」

敵機も反応してチャフをばら撒きミサイルを回避するが、


  ー 一瞬リズムが崩れた! ー

その一瞬のうちに白い機影は
アフターバーナー全開で敵機に急接近する、

そして…

「ババババババババババババッ!」
鉛の雨を降らせる、

「バチバチッ!ドゴンッ!ボウッ!」
敵機のエンジンに命中、
爆散、
海面に突き刺さり海底へと姿を消す、

「すっ…すげぇ…」
無線に誰かの声が入る、

残りの敵機も新型が撃墜されたのを確認して次々と撤退していく

「ふぅ、」
ため息をひとつ
「 オールクリア、任務完了です。お疲れ様でした。これより帰投します。」

コメント

コメントを書く

「SF」の人気作品

書籍化作品