いじめられてた俺が異世界に転移したら神になった〜チート能力で無双〜

guju

学園長室

学園長室

そう書かれたプレートが取り付けられている扉を、俺は数度ノックする。

「どうぞ」

部屋の中から聞こえてきたのは、優しそうな老人の声。
俺は、失礼しますと一言いい、扉を開いて中に入った。

「ホッホッホ、待っておったよ勇者殿」
「それをご存知ということは、やはり王宮に間者を? 」
「まぁ、そんなとこじゃの」
「それを俺なんかに言っていいんですか? 」
「ギルドマスターからは聞いておる。鎖はつけておいたとな」
「まぁ、そうですね」
「ならば問題なかろうに」

ホッホッホと、長く伸ばしたあごひげを撫でながら笑う。

何が問題ないことか、こっちからすれば大問題も良いところだ。

そもそも、国にそんな事をするギルドに脅されている俺ってなんなのだろうか。
普通、ギルドは国と良好であったり国主導であったりと、何かしらの繋がりがあるものなのだとばかり思っていたのだが。
どうやらこの世界では、ギルドと国の仲はさほど良くないらしい。

それでもギルドを存続させているのは、国自体がギルドの存在を無くしては成り立たないと、理解しているからなのだろうか。

「そうじゃ、これを渡さねばならん」

そう言って、机の上に置いてあった2つの袋を俺に手渡した。

「これは? 」
「お主らの制服と教材じゃよ」

たった数週間しか通わぬ生徒に、制服はまだしも教科書を配布する準備があるとは、さすが冒険者主導の学園といったところか。

王国が主催する学園もあるのだが、貴族でもない平民や、貴族の次男坊や三男坊は、実践に秀でた力や魔法を教わることが出来るこの学校を選ぶものもがほとんど。

年々、王国の学園が廃れていっているのは誰もが感じていることだろう。

だが、それを目の当たりにしても尚、この学校に圧がかかることは無い。

王国自体に力が無いのか、冒険者ギルドが強大すぎるのか。

まぁ、どちらにせよこの国のやり方は好かない。いきなり異世界から呼び込んだ人間を洗脳するなど……。

――コンコン

そんなことを考えていると、学園長室の扉がノックされた。

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