地の底から這い上がる

海月結城

再会2

「よ、魔王。久しぶりだな」
「……何しに来た?」
「少し用があってな。キャスってしってるか?」
「知ってるも何も、我の妹の旦那の妹だぞ」
「そ、そうか」
「それが、どうした?」
「ちょっとな。ま、お前には関係ないな」
「そうか」
「じゃ、またな魔王」
「……ふん」

 そこで、映像は途切れた。

「こいつ、魔王の手先だったろ?」
「これは、認めざるを得んな」
「まさかこんなに早くバレるとは思わなかったわ」

 キャスは、その場でくるりと回ると姿がキルド委員から魔族の姿に変身した。

「それじゃ、バイバイ」
「行かせると思ってるのか?」
「え?」

 キャスは飛んでギルドから出ようとしていた。俺はそこで足首を掴んで地面に叩き落とした。

「うぶ。ちょっと何するのよ!!」
「逃がすわけないだろ。まずは、そこに居る受付嬢の呪いを解け」
「気づいてたの?」
「当たり前だろ。ほら、さっさと解け」
「そんな簡単に解くわけないでしょ」
「その決断は良くないぞ」
「何を言ってるの」
「はぁ、まだまだだな」

 俺は、魔力操作をして少し魔力を放出した。

「これでもやるか?」
「……あ、う、何、これ? 魔王様以上の魔力?」

 キャスは、腰を抜かして、動けなくなっていた。周りを見てもギルマス以外の冒険者は気を失っていた。

「で、どうする?」
「……わ、分かったから。直ぐに呪いを解くから殺さないで」
「しょうがねぇな。ほら、さっさとしろ」

 キャスは、呪解を行った。

「これで良いでしょ?」
「気を失ってて、分かんないな。まだ行くなよ」
「分かってるわ」

 ルガーノを近くに呼んで、「解析」の魔法を使った。すると目の前に小さな画面が現れた。そこには、呪いの類の文字は書いてなかった。

「大丈夫だな。じゃ、お前はもう行っていいぞ」
「あ、ありがとう」

 そう言ってキャスはギルドを出て行った。

「いいの、逃して?」

 ミイナは俺にそう聞いてきた。

「逃がすはずないだろ?」
「え、でも」
「俺、あの時分かったなんて言ってないぞ。しょうがねぇって言っただけだ」
『お主。悪だな』
「うるせ」

 そして、誰にも見つからずにギルドを出ようとした時。ギリギリ意識を保っていたギルマスが効いてきた。

「お前は、何者だ?」
「俺か? 俺は、破壊者だ」

 はぁ、また言っちまった。何が破壊者だよ。ただの厨二病じゃないか。もう変えるに変えられないんだけどな。
 そして、ギルドを出た。

「お兄ちゃん。次はどこ行くの?」
「俺がここで泊まった宿屋に行こうと思ってる」
『それは楽しみだな』

 そして、あの宿屋に着いた。

「お久しぶりです」
「いらっs、え? 嘘、本当に生きてたの!?」
「その言い方だと。誰かから俺が生きてるって聞かされてるみたいな言い方ですね」
「それが、えっと、にゃぽちゃんから、ご主人様は生きてるってずっと言ってたの」
「え? まさか、にゃぽって……」
「そうよ、ここに寝泊まりしてるわ」
「そっか。サリーさんにゃぽは俺のことなんて言ってるんだ?」
「早くご主人に会いたいって毎日言ってるわよ」
「そっか。にゃぽは今どこに居るんだ?」
「あのダンジョンにおつかいを頼んでいるわ」
「ありがとう。そうだ、俺らも少しの間ここに泊まるからな」
「分かったわ」
「はい、お金」
「あ、どうも」
「んじゃ、ミイナとルガーノはここで待っててくれるか?」
「分かった」

 そして、ルガーノを使い武神(剣)を使い剣を出してから、ダンジョンに向かった。

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