地の底から這い上がる

海月結城

師匠-中編

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 俺は、勇者達四人の師匠になった。

「んじゃ、今日から始めるぞ。まずお前たち四人の悪いところを言って行く。まず、強丞、剣技がクソ。冷静な判断が出来てない。無謀。はい次、大海。クソ。次、南と雪菜は戦ってるとから見たことないから、二人で俺にかかってこい」
「ちょ、ちょっと待てよ」

 大海が何か不満あるようだ。

「どうした?」
「なんでお前に強くしてもらわないと行けないんだよ! 俺だけクソってなんだよ ︎」
「ほら、それがクソってことだよ。相手との強さを感じ取れない。それがクソの証拠だぞ」
「大海、ちょっと落ち着いて。私たち四人でも彼を倒せない。ここは素直に強くしてもらった方がいいよ」
「ックソ!」
「さ、修行開始だ」

 最初に始めたのは強丞と大海の武器の振り方からだ。南と雪菜にはお互いに俺を攻撃するための作戦を考えて貰っている。

「まず、強丞。剣の持ち方が違う。それは日本刀を使うときの持ち方だ。それだと剣本来の強みが出ない。日本刀は手前に引きながら使う事で本来の切れ味が出るが、洋剣は叩き斬る事を意識して使わないといけない。それを意識して剣を振れ。そして、大海は、突っ込みすぎ。槍の意味がない。槍は剣とは比較にならないほどリーチが長い。相手を懐に入れず優位に戦えるようになれ。大海はその槍のリーチを覚えろ。槍の振り方はそれからだ」

 二人は文句を言いながらも、鍛錬を始めた。

「そろそろ、準備出来たか?」
「はい!」
「うん、出来たよ」
「よし、俺を殺す気で掛かって来い」
「「え?」」

 俺の言葉を聞き、二人は理解できていなかった。

「当たり前だろ。その内あの魔王を殺すんだろ。だったら、俺ぐらい殺す勢いで来ないと駄目だろ」
「うん、そうだよね。その通りだよ。この世界はゲームじゃない。現実なんだから」
「わかったよ。頑張ろうね。南」
「よし、来い」

 時間にして三十分。

「おいおい、バテるの早すぎ」
「はぁ、はぁ、貴方が化け物なだけでしょ」
「化け物とは心外だな」
「そうだよ、南。この人は化け物じゃない。怪物だよ」
「おいそれ、どう言うことだ?」
「あはは、さぁ〜?」
「まぁいい、今日はもう暗いからこの辺で終わりだ。強丞、大海、終わっていいぞ」

 二人に呼びかけると、持っていた武器をしまって、集まってきた。

「小屋の中に、食べ物は入ってるし、調味料もあるから適当に食べてくれ。明日も朝からやるから、気合い入れて寝ろよ。逃げようとしても無駄だからな。んじゃ」

 そう言って俺は、その小屋から離れ、魔国に戻ってきた。

「っん ︎ お兄ちゃんの気配!!」
「何を言っているんだ?」
「お兄ちゃんがここに戻ってきたみたい!」

 みいなはそう言って家から飛び出した。

「えっと、みいな達はどこかな? ん、あれは……」

 俺が見たのは俺の方にものすごい速度で迫ってくる人影だった。

「あれは、みいなか ︎」
「お兄ちゃん!」
「どうした?」
「どうした、じゃないよ。あんな事を言って居なくなっちゃうから、心配したんだよ」
「あはは、ごめんな。じゃ、案内は頼んだよ」

 みいなの、案内で二人がいる家に戻った。

「てか、こんなのいつ買ったんだよ」
「お主が倒した魔物を一体売ったら、結構な額になったから、魔国の拠点にでもしようかと、買っておいた」
「そうか、気が利くな。ありがとう」
「で、なんでお前が倒さないといけない勇者達を育ててるんだ?」
「あ、それ私も気になる」
「え、そんなの演出だよ、演出。それに、魔王はあいつらに倒して貰わないといけないからな。演出的に」

 俺の回答に二人はなんで ︎ って感じの顔になっている。

「弱いまま倒しても良いんだけど、なんか、つまらなくない? あいつらが強くなってもあまり変わらないと思うけど、まぁ、うん」
「あ、そうですか」
「お兄ちゃん。なんか流石だね。昔と変わらないね」
「え、それはどう言うこと?」
「あ、ううん。何でもない」

 言葉を濁してみいなは愛想笑いを浮かべていた。

「あ、そうだ。明日も勇者達を育てるの?」
「え、あ、うん。そのつもりだよ」
「ね、私も行っていい?」
「あー、いいぞ。だけど、ちょっと手伝ってもらうかもしれないぞ」
「うん、良いよ!」
「ルガーノも来てくれると助かる。「武神」を使いたいから」
「あぁ、いいぞ」
「ありがとうな。じゃ、どっかに食べに行くか」

 夕ご飯を食べ終わり、次の日のために眠りに落ちた。

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