この度魔法少女になりました

けんはる

影狼

ジャンヌ達は廊下を走っていた
「お姉ちゃん、さっきの男はなんなの?」
〈さっきの男は〈暁の旅団〉のシェムよ〉
「〈暁の旅団〉って」
〈〈暁の旅団〉は傭兵団で金さえあれば犯罪もいとわない奴等よ〉
「もしかして、そんなやつがこの先もいるの?」
〈多分、だから十分に警戒してね〉
「わかった」
「走りながらで良いので話を聞いてくれるか?」
「どうしたの?朧」
「少しサラン殿の事が気になるので、サラン殿の助太刀に向かっても良いか」
「私は良いけど、マリアと楓さんは?」
「私も良いですよ」
「同じく」
「感謝する」
そう言うと朧は消えた
「お姉ちゃん、まだ真っ直ぐなの?」
〈その先に部屋があるから、そこを通った先の階段を昇れば〈剣帝の剣〉が保管されてる部屋の階よ〉
「わかった」


私の名前はナルウ、〈暁の旅団〉の幹部をしている女よ
愛するボスのお願いで仕方なくこの屋敷の護衛をしているの
他にも二人いるんだけどね
ボスには私一人でも大丈夫って言ったんだけど
「お前の事が心配だから」って言われたから仕方なく三人でしているの
私ってボスに愛されているわ
その二人の内、一人は援護担当だから居ても居なくても一緒なんだけどね
もう一人はムカつくけどボスの右腕的存在だから心配してないけど
どうやら来たみたいね
シェムの野郎、足止めもろくにできないのかしら


ジャンヌ達は扉の前にたどり着き、息を整えていた
「じゃあ、開けるよ」
ジャンヌが扉を開けると黒のチャイナドレスを着た黒髪の女性が立っていた
「いらっしゃい、そしてさようなら」
ナルウの背後から黒狼こくろうが数頭現れ、ジャンヌ達に襲い掛かった
楓はジャンヌ達の前に立ち、腰に手を回すと黒と白の2本の刀が現れ
楓は黒の方を掴み
我流抜刀術がりゅうばっとうじゅつ・瞬き〉
狼達は真っ二つになり消滅した
「大丈夫ですか?皆さん」
「私は大丈夫よ」
「私も大丈夫です」
「中々やるじゃない、でもこれで終わりじゃないわよ」
ナルウの背後から数十頭の黒狼が現れた
「ジャンヌさん」
「なに?楓さん」
楓は黒狼達を睨みながら
「私の左胸のポケットにルクが居るので取り出してもらっても良いですか」
「わかった」
ジャンヌは楓に近付き、丸まって寝ているルクを取り出した
「よくこんな状況で寝れるわね」
「今は休眠モードなので、あと数分もしたら目覚めます」
「そうなの」
ジャンヌは前ポケットにルクを入れた
「でっ次は何をしたら良いの?」
「道を作りますので先に行ってもらっても良いですか?」
「わかった」
「お話は終わったかしら?それじゃあ、さようなら」
黒狼達はジャンヌ達に襲い掛かった
楓は目を瞑り、深呼吸をし、黒の刀を握った
〈我流抜刀術・一閃いっせん
楓は黒狼達の後ろに立っていた
狼達はバラバラになり消滅した
「今です」
「わかった」
ジャンヌ達は奥の扉へと走った
「行かせないわよ」
ナルウがそう言うと背後から数頭の黒狼が現れ
ジャンヌ達をを囲んだ
「皆さん」
楓がジャンヌ達の元へ行こうとすると
「行かせないわよ」
黒の爪を伸ばしたナルウが立ちはだかった
「通してください」
「駄目よ、あの子達が死ぬところをそこで見てなさい」
「くそ」
「殺しなさい」
ナルウがそう言うと黒狼達はジャンヌ達に襲い掛かった
「ジャンヌさん、マリアさん!!」
「〈拒絶の壁〉」
黒狼達は見えない壁によりそれ以上進めないでいた
「ありがとう、マリア、次は私の番ね」
ジャンヌは目を瞑り
「〈貫きの雨〉」
ジャンヌがそう唱えると巨大な針が黒狼達に突き刺さり、黒狼達は次々と消滅した
「よし、じゃあ行きましょうか、マリア」
「はい」
マリアは見えない壁を解除し奥の扉へと向かった
その様子を見ていたナルウは
「なんなのよ、あれは」
「よそ見厳禁ですよ」
楓は白の刀の方を抜き、ナルウの背中に降り下ろした
「くそっ」
ナルウは咄嗟に横に避けた
「ここは私に任せて先に行ってください」
「わかった」
「ジャンヌ、私はここに残って、楓さんを手伝います」
「わかった、気を付けてね」
「はい」
ジャンヌは奥へと向かった
楓はマリアに近付き
「一緒に行かなくて良かったのか」
「はい、大丈夫です」
「おしゃべりしてるんじゃねーよ」
ナルウは黒狼達と共に楓達に襲い掛かった

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