転生賢者の転生〜転生した三度目の人生を普通に生きたい〜

Kuro

二度目の人生から三度目の人生へ

 視界が真っ赤に染まっていく。
「あぁ、俺、死ぬのか。」
 俺の名前はショウ、18歳だ。だが、元は遠藤 陽介という名前だった。
 元、というのも、俺は前の人生で高校生として生きていた。しかし、事故に巻き込まれて死んだと思ったら、今の世界にいた。
 それも、「ショウ」という男としてだ。
 俺の転生前の記憶が蘇ったのは俺が3歳の時だ。この世界には魔法というものがあり、5歳の時の神託で、転職は「賢者」となった。そして魔王を倒すために勇者となる者の仲間として特訓することになった。
俺はアニメやラノベも好きで、よく見ていたため、「一体どこのテンプレだよ」と最初は思ったが…。
 そして俺は今、勇者たちと魔王を倒し、世界には平和が訪れたのだが、最後の魔王の残った全魔力による一撃を防ぐために防御魔法を発動させ、勇者たちを逃したのだが、俺だけは致命傷を負ってしまった。
更に最悪なことに、この怪我を直せそうなフルポーションも使い切ってしまい、仲間も魔力がほとんどない状態。これじゃあ俺はもう助からない。
「あぁ、二度目の人生も短かったなぁ。せめて、少しは普通の生活を送りたかったなぁ。」
 意識が失われていく。勇者やみんなともこれでさよならだな。もう、目を開けているのも辛いな。
 そうして俺は目を閉じた。仲間の声を聞きながら…。




 目を開けるとそこは知らない天井だった。
(おかしいな。俺は死んだはずじゃ…。)
 そう思っていると名前を呼ばれた。
 「ショウ、起きたの?」
 (そうか、思い出した。俺は確かに死んだ。しかし、それは二度目の人生の話だ。そして俺は今、三度目の人生を生きているんだ。それも、二度目の人生と同じ世界で、同じ名前で。)
「うん。起きたよ」
疑問も晴れたので名前を呼んだ人、今の母に返事をした。
「そう、ならご飯を食べるわよ。」
「わかったー。」
(色々思い出せたし、今回の人生では普通の生活を送れるように頑張ろう。)
そうして、記憶を取り戻した俺の三度目の人生が始まったのだ。




 読んでくださり、ありがとうございます。
 また、この作品の投稿は不定期となると思います。本当にすみません。なるべく一定の期間で投稿できるよう頑張ります
 誤字や変な文があったりするかもしれませんが、今後とも読んでいただけると幸いです。

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