異世界日誌

白ノ宮

第2話 最強のチート(多分)

私は気絶していたようだ。
快晴の空が眼に映る。
空ってこんなに綺麗だったんだ。
っと、感傷に浸っている場合では無いな。現状確認しなきゃ。
身体を起こしてみると、周りが森に囲われた草原が広がっていた。
そよ風で揺れる草達が神秘的に見える。
(都会じゃこんな景色見れないから新鮮だな)
座っている状態から立ち上がると下半身に違和感を感じた。
下を見ると、スカートを履いていたのだ。スパッツを履いているものの、慣れない感覚に鳥肌が立つ。
女神が間違えた認識のまま転移させたせいだろう。
薺が履いていたスカートはロングスカートだったのが幸いで、違和感はありつつも恥ずかしさはあまり無かった。
しかし、薺にとってこのスカートはとても見覚えのあるものだった。
(確か、うちの高校の女子用制服だったな)
もしやと思い、上も見ると思った通り女子用制服だった。
高校が分かっているなら性別も知っていて欲しかったと感じた。
上着のブレザーのポケットに手を突っ込んで見ると紙が入っていた。
見覚えの無い青色の便箋に形容しがたい不気味さを感じた。
中を覗くと、少し長めの文章が書いてあった。
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薺ちゃんへ
能力についての説明を忘れたのでここに記したいと思います。
まず、ステータスと唱えて下さい。
念じても良いです。
すると様々な数値があると思いますが、そこは無視して下さい。
固有能力の欄にある金魔法の使い方を頭に直接インプットしますのでこの後の空欄にタッチして下さい。
(                     )
やり方は分かりましたね?
では、素晴らしいチートライフを。

ps.女性と勘違いしてしまい、申し訳ありませんでした。でも、紛らわし見た目している貴方も貴方ですよ。大体、私は男だって言うならなんでツインテールなんですか!?
もしかして人をおちょくってるんですか?
ま、いいでしょう。私は神で寛大なので。
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寛大という所が少し気になるが、
取り敢えず空欄をタッチしてみると頭に膨大な量の情報が入ってくるのが分かった。頭が割れるように痛いからだ。
体感時間1分程で頭痛は治った。
実感は湧かないが、これで使い方がわかったのだろう。
チートと言うからにはステータスの数値が凄い事になっているのだろう。
異世界のチート物は全体の数値が平均的に1000に近かったりする。(クラス転移基準)
でも、あまりにステータスが高いと戦い主体の人生となるのだろう。私、知ってるよ?
正直、さっきから金魔法が気になって仕方がないのだ。
善は急げだ(?)さっさと見よう。
「ステータス」
と、呟くと手のひらサイズの薄い水色の板が目の前に現れた。








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