神様のヒトミ

さとう

129・契約



 執務邸に転移したアイトたちは、さっそく契約をすることに。


 採掘鉱石の2割を町に納めるということで、町の専属鉱石商会として契約をした。
 アスレイには転移クリスタルを渡したので、ドドド鉱山で採掘した鉱石も町に輸入すると約束する。
 アイトはその代わり、町に商会の建物を無償で提供した。


 「ではこれで契約成立ですね。アイト様」
 「はい。これから宜しくお願いします。アスレイさん」
 「ええ。〔ヘレネド鉱石商会〕はこの町に親会社を置き、子会社をロックドラムへ置く形にします」
 「んだよアスレイ、じゃあオメーもこっちに住むのか?」
 「そうなりますね。ですが、鉱石輸入もありますので、町とロックドラムを行き来する形になるでしょうね」
 「そうかい。じゃあよアスレイ、オメーに頼みがある」
 「?······何でしょうか?」


 改まり言うブラフマーに、アスレイは首を傾げた。


 「ガーネを、オメーの会社で働かせて欲しい。つまり、鉱石夫として雇ってくれや」


 この発言に、流石にアスレイは慌てた。


 「な、なにを⁉ ガーネ様は国王の娘ですよ⁉ 親方が側にいるから鉱山の中に入れてましたが、単独では······」
 「問題ねぇ。ガーネの腕はオレが保証する。それと、仕事だけじゃなくて、ちゃんとガキ共と遊ばせてやって欲しい」
 「······それが本音ですか」
 「まーな。正直なこと、もうちっと女の子らしく過ごして欲しーんだよ」
 「······わかりました。ガーネ様はお預かりします」
 「ああ。頼んだぜ。事情はオレから話す」




 ブラフマーは立ち上がると、部屋を後にした。




 ********************




 ガーネたちは、どうやら秘密基地で遊んでいるようだった。
 ブラフマーは体格ゆえ秘密基地には入れず、アイトがガーネを呼びに行く。


 「にゃう〜······これっ‼」
 「がうぅっ⁉」
 「あぅ〜? シア、どした?」
 「わふ。シアはわかりやすい」
 「ぱおーん。これ、面白いね」
 「確か、「とらんぷ」でしたっけ。これを考えたアイヒさんはさすがですね」


 梯子の途中で聞こえる会話から、どうやらババ抜きをやっているようだ。
 アイトは梯子を上り、小屋の中へ。


 「あ、アイトだ」
 「わふ。アイトも遊びにきたの?」
 「いや、ガーネに用事があってな。その前に、ほれ」


 アイトはまんじゅうを取り出し、みんなに配る。
 ミコトたちは目を輝かせてまんじゅうを食べ始めた。


 「にゃう〜っ、甘い〜」
 「ほら、ゆっくり食べろよ」


 アイトはまんじゅうを頬張るガーネに言う。


 「ガーネ、ブラフマーさんが下にいるぞ。どうやらお前に話があるみたいだ」
 「ぱお? ちちうえが?」


 ガーネは窓を覗くと、手を振るブラフマーの姿が見えた。


 「ちちうえっ‼ あの、ちょっと行ってきます‼」




 ガーネは慌てて梯子を降りて行った。




 **********




 「アイト、アイト、だっこして」
 「いいぞ。おいでルカ」


 床に座り、ルカをだっこする。
 ルカは気持ち良さそうにアイトの胸に顔を擦り付ける。
 すると、ミコトが羨ましそうに見ていた。


 「ミコトも来るか?」
 「にゃう········」


 ミコトはアイトの膝で甘える。
 ルカをなでてミコトの耳を揉み、アイトは忙しかった。


 「アイト、ガーネはいっちゃうの?」
 「ライラ?」
 「あのね、ガーネはお友達になったの。みんな同じ友達だから、一緒に学校に行ったり、遊んだりしたいの。……わふぅ」
 「うーん。それはガーネ次第だろうな」
 「わぅ?」
 「あ、ガーネさんが戻ってきましたよ」


 サラが梯子を登ってくるガーネを見て言った。
 ガーネは息を切らせて梯子を登り、みんなに宣言する。


 「ぱおーん!! みなさん、わたしはこの町に住むことになりました!! これからよろしくです!!」
 「ホントっ!? にゃおーん!!」
 「がぅーっ!! やったぁっ!!」
 「わんわんっ!! 一緒だねっ!!」
 「あうー? ガーネ、ともだち?」
 「よかったぁ……えへへ」


 どうやら、アスレイの会社の従業員として働くことになったらしい。
 従業員と言っても子供なので、学業優先。
 どうしても手が足りないときに手伝うという形になったらしい。
 子供は子供らしくという、アスレイなりの配慮だった。


 「ガーネ、これからよろしくな」
 「はいっ!! えへへ……ぱおーんっ!!」




 こうして、リアンの町に新しい仲間と商会が加わった。
 

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