神様のヒトミ

さとう

127・梵天ブラフマー



 「なぁーるほどな。オメーが噂の領主か」


 アスレイがアイトがここに来た説明をすると、顎に手を当てて唸る。
 肩に乗せた少女は、不思議そうにアイトを見ていた。


 「ほぉぉ、こりゃ強えーな。アグニをブチのめしたってぇのも理解出来るわ」
 「ど、ども。アイトです」
 「ばっはっはっ!! 俺は【梵天ブラフマー】だ。ただし、この国では【親方】と呼べ!!」
 「お、親方? だぁっ!?」


 豪快に笑う〔黄象人〕のブラフマーは、アイトの肩をポンポン叩く。
 余りにも力が強すぎ、叩かれたアイトの身体が沈み、地面に亀裂が入った。
 ブラフマーは気にせず言う。


 「当然だろーが。この国の王として、鉱山の元締めとして、鉱山夫たちの親父としてな」
 「そ、そうですか……」
 「んで、オメーんとこの山に行くんだろ? さっさと行こうぜ」
 「………は?」
 「アスレイ、オレも同行するぜ。手つかずの山なんて面白そうじゃねーか、それに温泉もあるんだろ? いい汗流したし、ここは一っ風呂浴びてぇしな」
 「はぁ……。仕方ありませんね、親方も同行して頂きましょう」


 アスレイは近くに居た作業員に事情を説明する。
 どうやら、ブラフマーがリアンの町に行くことを、王城に伝えに行かせるようだ。
 だが、完全なる事後報告になってしまうが。


 「おっと、紹介するぜ。コイツはオレの娘のガーネ。まだ若けーが鉱山夫としては一流だ」
 「ぱおーん!! ちちうえ、わたしは鉱山夫としてはまだまだ未熟です!!」
 「ばははっ!! そりゃそうだが、オレとしてはもう少し女の子らしくして欲しい気持ちがあるんだがなぁ」
 「ぱお……女の子らしく?」
 「ああ。お前がオレを真似ると、エレファがやかましいからよぉ」
 「ははうえがですか?」


 アイトは会話に置いてきぼりだった。
 黄象人の女の子ガーネ。アイトはもしやと思う。




 **********************


 【ガーネ】♀ 7歳 黄象人


 ◎【異能アビリティ
 《象神転身ガーネーシャ・コンバージョン
  ○魔象ガーネーシャへ変身する


 **********************




 「あの、親方。ガーネはもしかして……」
 「やっぱ解るのか。ま、そーいうこった」
 「ぱお?」


 ブラフマーはガーネを肩から降ろし、アイトの前に出す。
 アイトはしゃがみ、挨拶した。


 「初めまして、俺はアイト、よろしくな」
 「私はクナイです、よろしくお願いします」
 「ぱおーん、わたしはガーネです。よろしくおねがいします、お兄さん、お姉さん」


 ヘルメットを脱いだガーネは頭を下げ、アイトはガーネの頭をなでる。
 ガーネは少し驚いたが、すぐに笑顔になった。


 「ガーネも町に来るか? 友達がいっぱいいるぞ?」
 「友達ですか?」
 「ああ。ガーネと同じ子供達だ。きっと仲良くなれるぞ」
 「ぱお? 同じ……お兄さん、わたしのチカラがわかるんですか?」
 「ああ、【災禍の魔獣オーバーロード・ビースト】だろ?」
 「はい。ちちうえが教えてくれました。わたしの中には、つよーい魔獣のチカラが眠ってるって」
 「そうだな。俺の町にもガーネと同じ【災禍の魔獣オーバーロード・ビースト】の子供達がいる。みーんな仲良しだから、ガーネも仲良くなれるさ」
 「ぱぉぉ……」


 ガーネは気になるのか、ゾウ耳をバッサバッサと動かした。
 そして、アスレイが戻ってくる。


 「では参りましょう。アイト様、心苦しいのですが、山の状態や鉱石の質次第では、調査に数日頂くかもしれません」
 「大丈夫です。その間の宿と食事は手配させて頂きます。よかったらアスルルさんの店にも案内しますよ」
 「い、いえ、その……仕事ですので、調査を優先します」


 アスレイはアスルルが気になるようだが、仕事を優先させるようだ。
 アイトはブラフマーにも聞く。


 「ブラフ………親方は、どうしますか?」
 「当然、休暇がてら滞在するつもりだ。ウメぇメシと温泉があればいいぜ。まぁアスレイの手伝いもするけどよ、ガーネにもいろいろ見せてやりてぇ」
 「えーと、国の方はいいんですか? 王様が不在なのは……」
 「そっちはエレファがやってくれるさ。オレには勿体ないくらい出来た嫁だからな。ばっはっはっ!!」
 「それじゃちちうえ、お休みなのですか?」
 「ああ。もちろんだ」
 「ぱおーんっ!! じゃあ一緒にあそんでくれますか!!」
 「当たり前だろ? それに、お前にも友達が出来そうだしな」
 「あの、親方……あくまで仕事ですので……」
 「わーってるよ」




 こうして、アイトとクナイ、アスレイとブラフマーとガーネは、リアンの町へ転移した。



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