神様のヒトミ

さとう

閑話・ギルドの日常①



 傭兵ギルド。
 牛人の魔帝族ブルホーンがギルド長を務める、リアンの町の傭兵の集い場。
 町の開拓が軌道に乗り商人の行き来も増えた今、傭兵の需要は高まっていた。


 リアンの町の傭兵の仕事は専ら護衛。
 他の町までの商人の護衛や、リアンの町の守護、そして今のところはないが、本来は紛争や小競り合いなどにも参加する。
 だが、発足したばかりの傭兵団では、武力介入などの高ランクの依頼は参加できなかった。




 しかし、この町ならではの仕事もある。




 ***********




 「さーて、今日も子供達に稽古をつけましょうかね」
 「がっはっは、ルシェラ、お前って傭兵より教師が向いてんじゃねぇか?」


 傭兵ギルド・ギルド長の部屋。
 部屋の中にはルシェラとブルホーン、そしてブルホーンの秘書の豹人のチータがいた。
 ちなみにアシュロンは、『牛鬼バイソンオーガ』本部で部下たちに稽古を付けている。


 「うっさいわね。っていうか次期傭兵候補の稽古を付けるのも、立派な仕事よ。ねぇチータ」
 「はい。小さな頃から剣を握らせるのはいい事と思います」


 傭兵たちの仕事の1つに、学校での訓練がある。
 希望者に限り、子供達に武器の使い方や体術を教える。
 アビリティ持ちの子供には、使い方の指導をするなど、将来を見据えた教えを行っていた。


 「にしても学校ねぇ……。アイトも面白いこと考えやがる」
 「はい。学校にそれぞれの分野のクラスを作り学ばせるとは、学校の規模が大きいとは思っていましたが、これが狙いだったのですね」
 「だね、あんなに大きな学校なんて、王国レベルの国じゃないとないわね」


 アイトの考えた学校は、専門学校方式。
 一般教養とは別に、得意な分野を伸ばす学部を作る事。
 まだ教師も少ないが、考えてる学部は5つ。


 冒険者クラス。
 現役冒険者に冒険の心得やダンジョンの知識などを習う学部。
 もちろん戦闘訓練もある。


 傭兵クラス。
 冒険者クラスと同じで、傭兵の心得を学ぶ。
 こちらも戦闘訓練があるが、傭兵の戦闘はチーム戦が多いので、それに合わせた戦闘を取り入れる。


 魔術師クラス。
 こちらは魔術を学ぶ学部。
 教師にはアイヒが立候補し、素質のある子供で希望者に魔術を教える。
 さらに、魔術医の素質がある子供が居れば、エルの指導で医者の知識と技術を学ぶことも出来る。


 錬金クラス。
 こちらは錬金術を学び、薬草や素材の知識を学ぶ。
 まだ未定だが、アイトが連れてくる錬金術師に依頼する予定である。


 総合クラス。
 将来の目標がまだない子供のために、どんな道にでも進めるように指導する。
 戦闘技術や魔術、錬金や傭兵などの知識を磨く。


 校舎は間もなく完成するが、教師はまだ不足している。
 魔術教師はアイヒ、傭兵教師はルシェラはほぼ内定。だが冒険者と錬金術は決まっていない。
 総合クラスは各学科の教師が交代で受け持つ予定だ。


 「それにしても、ウチが教師ねぇ……」
 「ふふ、子供好きのルシェラさんにはピッタリですね」
 「そ、そうかな……」


 チータはお茶を煎れながら言う。
 ブルホーンの執務机に寄りかかりながら、ルシェラは頬を掻く。
 その表情は、満更でもなさそうだ。


 「へへへ、じゃあ今日はオレも行くぜ。ガキ共にオレの強さを見せつけてやるぜ!!」
 「では、後の仕事はお任せ下さい。子供達の指導も傭兵の仕事ですので」
 「よーし、行くよブルホーン!!」


 ルシェラとブルホーンは学校へ向かった。
 しかし、ブルホーンの顔が怖いと子供達が泣き出し、落ち込んだブルホーンは1人でギルドに帰ってきた。




 結局、呼び出されたアシュロンが学校へ向かうことになった。



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