神様のヒトミ

さとう

閑話・ダンジョンと超新星



 ダンジョン。それはこの【生物世界ラーミナス】に存在する迷宮。


 その正体は不明で、世界の至る所に存在し、中は文字通りの迷宮。
 魔獣や宝物が安置され、世界中の冒険者がお宝を求めて潜る場所。
 誰が作ったのかは不明。言い伝えでは、この世にはいない別世界の『神』が作り出したと言われている。
 何もない平原に突如として現れたり、湖の奥深くに存在する場合もある。


 発見済みのダンジョンには冒険者ギルドの看板が掲げられ、世界中の冒険者ギルドがその情報を共有。新規登録されたダンジョンには冒険者が集まるのだ。
 逆に未発見のダンジョンを見つけた場合、直ちにギルドへ報告しなくてはならない。それは冒険者の義務であり、探索者として情報を共有する義務があるからだ。


 新規で発見されたダンジョンは、直ちに審査が行われる。
 ダンジョンは魔力を帯びているので、全体的な魔力数値を測定すれば、どの程度のレベルかを図ることができるからだ。
 審査とは、ダンジョンの潜在魔力を計測し、深さや存在魔獣の強さを計測、ランク付けをすることである。


 【一般級】難易度E
  ○魔獣レベル・E〜Dレート
  ○宝物レベル・D
  ○階層・10~15階層


 【魔獣級】難易度C
  ○魔獣レベル・D〜Cレート
  ○宝物レベル・B
  ○階層・20~30階層


 【魔帝級】難易度A
  ○魔獣レベル・C〜Aレート
  ○宝物レベル・A
  ○階層・40~80階層


 【危険級】難易度S
  ○魔獣レベル・A+〜Sレート
  ○宝物レベル・S
  ○階層・100~250階層


 【超危険指定級】難易度SS
  ○魔獣レベル・S+〜レート
  ○宝物レベル・SS
  ○階層・200~階層


 一般級や魔獣級は至る所に存在するが、魔帝級や危険級は数が少なく、超危険指定級に至っては、世界で13しか存在しない。




 リアンの町で新規登録されたばかりの【超危険指定級】ダンジョン、〔毒迷宮エスコロペンドラ〕は今日も賑わっていた。




 **********




 〔リアン・冒険者ギルド〕に、3人の少女が入って来た。
 その少女たちを見て、ギルド内の冒険者たちはざわめく。
 それぞれが高ランクの冒険者たちだが、少女たちを見る目は好奇心と羨望、そして若干の下心が見えていた。


 「さーて、武器のメンテも終わったし、軽い依頼でも探そっか」
 「はぁ、明日にはダンジョンに潜るんだから、戦闘はナシね」
 「えぇ〜、じゃあ帰る〜」
 「あのネ、ステラがギルドに行くって言い出したんでしょ?」


 彼女たちは【超新星スーパーノヴァ
 結成してまだ2年と若いグループだが、それぞれがS級冒険者の資格を持つ、期待のグループだ。


 前衛の魔剣士ステラ
 後衛の魔術師アステリア
 遊撃の短弓士セーマ


 全員がまだ16歳と若く、〔ヒューム地域〕にあるバルト王国から来た幼馴染の少女たち。
 全員が特異なアビリティを持つため、戦闘に特化していた。


 少女たちはギルド内の飲食スペースに座り、ジュースを注文。飲みながら話し始めた。


 「あのさ、あたし考えたんだけど、この町を拠点にしない?」
 「どういうこと?」


 ステラの発言に、アステリアは首を傾げる。


 「ここは出来たばっかの町だけど、まだまだ発展途上だし、どんどん大きくなる。それに食べ物は美味しいし、温泉もある。なによりヒューム地域とデズモンド地域のほぼ中間地点だから、動きやすい。1番は【危険指定迷宮】のダンジョンがあるから、宿に泊まり続けるより、家を買って住んだ方がいいと思って」


 アステリアとセーマは顔を見合わせ、唐突に拍手した。


 「な、なによ」
 「いやー、ステラがそこまで考えてるとは。ちょっと嬉しくてネ」
 「私も同感よ。突っ込むことと浪費にかけては並ぶ者なしの貴女が、そこまで······。うん、成長したわね」
 「······アンタら、あたしを何だと思ってんのよ」


 ステラはジュースを飲み干し立ち上がる。


 「じゃ、そう言うことで商人ギルドへ行くよ。いい物件を抑えないとね」
 「確かに、コインは山ほどあるしネ。アステリアもそれでいい?」
 「異論はないわ。むしろ賛成よ。帰る家があれば嬉しいわ」




 こうしてステラたちは商人ギルドへ向かった。




 **********




 リアンの町は、まだまだ開拓が進んでいる。
 森を切り開き、住居や施設を建築は順調に進み、町は広がりを見せている。


 ステラたちは町の中央にある、可動したばかりの商人ギルドへやって来た。


 「さて、いい物件を探すよ」
 「そうね。出来れば個人の部屋があればいいのだけど」
 「個人部屋、いいネ」


 ギルドの中は広く、素材の換金をする冒険者や商品を卸す農家、宝石の鑑定をする商人などで溢れていた。
 ステラたちは受付に向かう。


 「ようこそ商人ギルドへ、ご要件は?」
 「家を買いたいんですけどー、いい物件ありますかね?」


 ステラと受付嬢はいくつかやり取りをし、空き物件を調べてもらう。
 すると、今空いてる物件は2つのみ


 町の中央だが狭い物件。
 間取りは一部屋のみ。


 町の外れだが広い2階建て。
 ギルドまでは歩いて30分ほどの距離。


 「決まりだね」
 「うん。物件を見に行く?」
 「いやいいでしょ、ここは即決で買おう‼」
 「そうネ。それに、町の中央の物件って、まるで倉庫じゃん。こりゃないっしょ」


 物件の値段は3000万コイン。
 町の移住希望は増えて居るが、町としての規定人数を超えたため、後の住宅は基本的に販売をしている。
 アイトが連れて来た職人は別だが、それでも入居希望は殺到していた。


 こうして【超新星スーパーノヴァ】は、リアンの町を拠点として活動するのであった。



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