神様のヒトミ

さとう

99・リアンの町



 手続きは、あっさりと終わった。


 住人と傭兵団に通達し、村の入口に看板を設置する。
 ラクシャーサからの通達は、近隣の町や国に伝達され、リアンの町として認可された。
 ウルフィーナとギャングがギルドに通達し、傭兵団が住人たちに認可の報告をするそうだ。


 ミコトたちも話を聞いたのか領主執務室に来た。
 そしてシアを抱いたリュコスや、通達に出たウルフィーナとギャング、店を抜けて来たアイヒ、ミレイ、クナイ、エルらも祝いに来て、執務室は手狭になった。
 すると、ラクシャーサが言う。


 「まぁ名前が変わっただけで、何かが変わるワケではない。アイトくんが領主であることも変わらないし、これからも町の発展を続けてくれ」
 「は、はい。ありがとうございます。······っつ⁉」


 アイトの右目が、ビキリと疼いた。
 右目を抑えたアイトを、全員が心配した。


 「にゃう、アイト? 痛いの?」
 「わふぅ?」
 「ち、違う、これって······」




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 神世かみよの 藍斗あいと ♂ 15歳


 【異能アビリティ
 1・《森羅万象しんらばんしょう大開眼だいかいがん
 ○見たモノの情報を見ることが出来る
 ○究極開示(レベル3) LEVEL UP‼
 ○映像開示タッチパネルディスプレイ NEW‼
 ○自身より格下相手の動きを完全に読み取る


 2・《万象神ばんしょうしんヤルダバオトのひとみ
 ○隣り合う世界に干渉することが出来る


 3・《泥蟲どろむしスパンダルマド》
 ○隣り合う世界に居る、【泥】に潜む魔虫を召喚する


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 「あ、アビリティのレベルが上がった? 何でこのタイミング?」


 アイトの頭に浮かぶアビリティの説明。
 つまり究極開示のレベルが上がり、新しい項目が増えた。


 「主殿、新しい項目が増えたのですか?」
 「あ、ああ。情報開示? タッチパネルディスプレイ? とかいうやつ」
 「なにそれ、変なの」
 「アイヒ、そんなこと言っちゃダメ」
 「そうですよ、ミレイさんの言うとおりです」
 「ぐ、悪かったわね」
 「い、いや、うん」


 アイトとしては、情報開示が気になりそれどころではない。


 「差し支えなければ、試して見ては?」
 「そうですね。戦闘に関わらないアビリティなら、問題ないかと」 


 ウルフィーナとギャングに言われ、アイトは頷く。


 「じゃあ······『開眼かいがん』」




 すると、アイトの前に半透明のディスプレイが現れた。
 大きさは50センチ四方で、そこそこの大きさ。
 ディスプレイには白文字で「リアンの町・ステータス」と表示され、その下にはTOUCHと表示されていた。


 「なんだこれは······?」
 「不思議ね、でもキレイな色ね」
 「がぅ〜♪」


 ラクシャーサ一家も見守り、アイトはディスプレイにタッチしてみた。




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 【リアンの町】 LEVEL29
 ● 領主・神世藍斗
  守護者・神世藍斗


 ●データベース
 ○住人 989人 〔詳細〕
 ○家屋 739軒 〔詳細〕
 ○商店  40軒 〔詳細〕


 ●敷地全体図   〔表示〕
 ●登録ギルド   〔表示〕 
 ●公共施設図   〔表示〕


 以下・未開放


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 「タッチって······、この〔詳細〕か? うおっ⁉」


 アイトは商店の詳細をタッチすると、現在の町に登録されている商店の一覧が表示される。




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 ●商店一覧


 ○武器屋  1〔詳細〕
 ○防具屋  1〔詳細〕
 ○装飾品屋 1〔詳細〕
 ○薬屋   1〔詳細〕
 ○パン屋  3〔詳細〕
 ○鍛冶屋  2〔詳細〕
 ○飲食店  20〔詳細〕
 ○道具屋  3〔詳細〕
 ○服屋   3〔詳細〕
 ○八百屋  2〔詳細〕
 ○肉屋   3〔詳細〕
 ○以下省略  〔詳細〕
 

 以下・未開放


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 全員が驚愕して見守る中、アイトは武器屋の詳細をタッチする。




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 ●武器屋 登録数1


 ○ホウテン武具店 〔詳細〕


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 「あ、ホウテンさんの武器屋だ。ってか1件だけか」




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 ●ホウテン武具店
 ○店主・ホウテン 〔未開放〕


 ○商品 〔未開放〕


 以下・未開放


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 「あちゃー、今のレベルじゃここまでか」


 恐らく、レベルが上がれば個人のステータスも覗けるのだろうと、アイトは考える。
 公共施設の詳細を検索すると、温泉や診療所、何故か娼館所などが表示された。建設中の学校が完成すれば、公共施設の一覧に表示されるだろう。


 町のステータスを検索していると、アイトは視線を感じた。


 「······どうしたの、みんな?」


 ラクシャーサだけでなく、リュコスやミレイたちも驚愕していた。


 「と、とんでもないアビリティだ。ここまで細かな情報が記載されたステータスを見るアビリティなんて、オレの知る限り初めて見たぞ」
 「わ、私もです。フェンリル国にあるデータベースのアビリティは全て網羅してますが、流石にコレは······」


 ラクシャーサもリュコスも驚いている。


 「で、ですが、コレはかなり便利ですね。アビリティであるので正確な情報ですし、管理もしやすいのでは?」
 「確かに。さすがアイト様ですな」


 ウルフィーナとギャングも褒めている。 


 「お、見ろよミコト、秘密基地も載ってるぞ」
 「にゃお? ホントだ」
 「わふぅ、うれしいね」
 「あぅ〜?」


 アイトは町のマップを展開したり、住人の名前や家族構成を確認した。


 「と、こんなところか。こりゃかなり使えるな」  
 「はい。流石は主殿でございます」
 「これがあれば、不法営業なんて出来ないね」
 「ま、そんなのはルシェラさんが見逃さないわよ」
 「アシュロンもいる」


 みんなで話していると、ラクシャーサが言う。


 「さて、今日はここまでかな。アイトくん、ここに泊まってもいいかな?」
 「もちろんです。家族3人でお泊り下さい」
 「あ、それなら今日はみんなでバーベキューしましょうよ‼ ウルフィーナさんやギャングさんも一緒に‼」
 「い、いえ、私たちは」
 「いいのよウルフィーナ、遠慮しないで」
 「リュコス様、ですが」
 「さてギャング、肉屋で良い肉を買ってきてくれないか?」
 「は、ラクシャーサ様。最高級の肉を買って参ります」
 「おっちゃん、あたしも行くっ」  
 「わたしも‼」
 「あぅーっ」
 「がぅっ、あたいも行くっ」
 「······はぁ、私も行きます」


 ギャングとウルフィーナは、ミコトたちを連れて部屋を後にした。


 「よーしミレイ、アタシたちは食材の下ごしらえよ。クナイとエルはラクシャーサさんたちの部屋を用意して」
 「わかった」
 「畏まりました」
 「はーい」


 女子たちも部屋を出て行く。
 残されたのは、アイトとラクシャーサとリュコス。


 「よーし、俺は外にコンロを準備しよう。ラクシャーサさんたちは準備が出来るまで居間でお待ちを」
 「いや、オレも手伝おう。皆を見てると座ってるのはキツい」
 「私も、料理の下ごしらえくらいは手伝わないとね」


 ここで遠慮するのは、逆に失礼な気がしてアイトは手伝ってもらう事にした。


  
 こうして、手分けしてバーベキューの準備をする。



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