神様のヒトミ

さとう

85・村でのんびり④

 
 「…………んぁ?」


 カラスの鳴き声だろうか、カァカァという独特な鳴き声。
 ぼんやりした表情で目を開けると、胸元が重いことにアイトは気付く。


 「くぅ……」 
 「きゅるる……」


 ライラとシアが、アイトの胸元で寝息を立てていた。
 さらに近くにはミコトも居る。


 「ふにゅう……」
 「ほら、みんな起きろ。もう夕方だ」
 「うにゃ……?」
 「わふぅ……?」
 「くるる……?」


 3人はゆっくりと起き上がり、寝ぼけたままアイトに抱きついた。
 アイトは3人の目元を優しく拭うと、ようやく目覚めた。


 「くぁぁ……。よく寝た」
 「ほらミコト、そろそろ……、あ!! バーベキューの準備しないと!!」
 「わふっ!? バーベキューっ!!」
 「がうがうっ!! おにくっ!!」
 「よし、家に帰るぞ!! クナイが準備してると思うけど……」


 アイトは立ち上がると、3人は窓際に向かった。


 「よーし行くぞっ!! にゃうーっ!!」
 「わぉーんっ!!」
 「がうーっ!!」
 「は!? ちょっ!?」


 すると、いきなり3人が窓から飛び出した。
 アイトは驚き窓に駆け寄ると、3人は華麗に着地し、家まで競争を始めた。


 「おいおい、マジかよ……」




 アイトは苦笑しつつ、梯子を降りていった。




 ***********




 領主邸の裏では、すでに準備が始まっていた。
 肉と野菜を切るのはアイヒとエル、飲み物を運ぶのはクナイ、ミレイは食器を運んでいた。
 その周りをミコト達はチョコチョコ動き回っている。


 「悪い、遅れた」
 「おっそい!!」
 「まぁまぁアイヒさん。アイトくん、火を起こして」
 「わかった」


 アイトは積んであった薪に魔術で火を付け、コンロにくべていく。
 薪が炭になるまで風を送り、いい感じになってきた所でミレイとクナイが来た。


 「主殿、いかがでしょうか」
 「いい感じ、そろそろ行けそうだ」
 「わかった。ありがと、アイト」


 ミレイがにっこり笑う。アイトにしか見せない笑顔で。


 「準備出来たわよー」
 「いっぱいありますよー」


 アイヒとエルが肉と野菜の皿を運んでくる。
 丁寧に1本ずつ串に刺してあり、キチンとバーベキューになっている。


 「じゃ、焼くわよ」
 「にゃぉぉーっ!! はやくはやくっ!!」
 「落ち着けって、ほら」
 「にゃうぅ」


 アイトはコンロに近づくミコトを抱き寄せ頭をなでる。
 同じようにライラとシアもミレイとクナイが抱きしめなでていた。


 「シア、いつの間に懐いたんだ?」
 「いつの間にかですね。やはり和菓子が効いたのでしょうか」
 「がぅぅ~」


 クナイに抱きしめられ、頭をなでられるシア。
 最初はアイトにしか懐いていなかったが、最近はよく笑い、知り合い程度の人間には懐くようになっていた。


 そして10分後、いい感じに肉が焼け、飲み物を注ぐ。
 全員にコップが行き渡り、乾杯をした。


 「じゃ、いただきま~す!!」
 「にゃぉぉ、おにくおにくっ!!」
 「ミコちゃん、野菜も食べなきゃダメよ?」
 「にゃぅぅ……」
 「はいシアちゃん。あ~ん」
 「あ、あたいは1人で食べられる!! がぅぅっ!!」
 「わふ。クナイ、ジュースおかわり」
 「はい、どうぞライラ」
 「もぐもぐ。アイト、あ~ん」
 「サンキュ、ミレイ。あ~ん……、うんまっ」


 暫くバーベキューを楽しみ、落ち着くと会話が始まる。


 「あなたが『天魔アーカーシュ』の……」
 「こうして話すのは初めてですね。私はクナイと申します」
 「わたしはエルです。よろしくお願いします、クナイさん」
 「お互い、主殿を補佐し守るために呼ばれた者同士、気が合いそうですね」
 「はい。頑張りましょうね」


 ミコト達は、お腹いっぱいになったのか眠そうだ。


 「にゃぁう、オナカいっぱい……」
 「わたしも……。わぅぅ」
 「くぅん……。いっぱい食べた」
 「はいはい、そろそろお風呂入りましょうか。行くわよみんな」
 「にゃー」
 「わぅー」
 「がぅー」
 「クナイ、手伝ってくれる? ミレイたちは片付けをお願い」
 「分かりました、行きましょう。主殿、申し訳ありませんが……」
 「ああ、こっちはやっておくから、ミコト達を頼むな」


 アイヒたちはミコトたちを連れて領主邸の温泉へ。
 それがきっかけになったのか、バーベキューはお開きとなった。


 「じゃ、片付けるか」
 「はい。アイトくん、コンロをお願いします。私とミレイさんでゴミと食器を」
 「わかった」


 アイトは蓋付きの壺の中に炭を入れて蓋をする。これで炭は燃え尽き、火事の心配もない。
 そして外の蛇口で網を洗い、コンロを倉庫に仕舞った。
 この間にミレイたちの片付けも終わり、1時間ほどで片付けは終わった。


 「さーて、終わり。……美味かったな」
 「ですね。またやりたいです」
 「確かに。またやろう、アイト」
 「ああ、じゃあ風呂入るか」


 家に入りミコト達の部屋に行くと、ミコトの部屋に3人で固まって寝ていた。
 しかも別のベッドにはクナイとアイヒが寝ており、どうやら寝かしつけているうちに一緒に眠ってしまったようだ。
 起こすのも悪いので、アイトは自室で着替えて風呂場へ向かう。


 温泉ののれんを潜り、脱衣所で服を脱ぐ。


 「さーて温泉温泉♪ 風呂があるっていいなぁ」
 「そうだね。魔術じゃ物足りないし……」
 「ああ。…………あ!?」


 何故か隣でミレイが服を脱いでいた。


 「ちょ、なんで!?」
 「え? お風呂に入るって」
 「いや言ったケドよ、一緒にとは言ってないぞ!?」
 「………一緒、ダメ?」
 「いいよ!!」


 あっさりと陥落し、アイトとミレイは服を脱ぐ。
 お互いの肌は見慣れてるので、タオルなどは特に巻かない。


 「………」
 「どうしたの?」
 「………いや、身体を洗って……いいか?」
 「もちろん」


 にっこり笑うミレイと浴場へ。
 身体を洗い、さっそくお楽しみの時間。




 アイトは、たっぷりと楽しんだ。




 ***********




 3回戦が終わり、2人は湯船に浸かる。
 アイトは背後からミレイを抱きしめ、脇の下から手を伸ばし胸をマッサージしていた。


 「ふぁ……。アイト、きもちいい?」
 「ああ~……。最高だわ」


 胸を揉みながら、アイトはミレイとお喋りする。


 「アイト、明日には行くの?」
 「いや、明日はギャングさんに言われた資料に目を通して、それからウルフィーナさんといろいろ決める。だから出発は明後日かな」
 「そっか……。エルは?」
 「エルは町に残すよ。教会もあるし……」
 「連れて行かないの?」
 「ああ、しばらくは村に馴染んで貰わないとな」
 「じゃあ、エルとはしないの?」
 「………なんで?」
 「だって、エルはクナイと同じ。アイトに身も心も捧げる覚悟は出来てるよ?」
 「……ダメだろ。話を聞いたけど、エルはその……、犯されかけたって」
 「……だったら、アイトが忘れさせてあげなきゃ」


 その理屈はおかしい。
 アイトはそう思ったが、何故か言えなかった。


 「……俺は、その……。ミレイがいれば」


 アイトは、少し強く胸を揉んでしまう。
 恥ずかしさと緊張が混じり、つい荒くなってしまった。


 「……ありがとう、アイト。うれしい」
 「ミレイ……」


 ミレイは振り向くと、アイトにキスをする。


 「でも、私だけじゃダメなの。アイトは純愛タイプだから、私だけを愛しようとしてるけど、私はアイトにみんなを愛してもらいたい」
 「……なんで?」
 「だって、ここは異世界だし、何人アイトが奥さんを貰っても、誰も咎めない。しかもアイトは領主だし、生活も安泰。家族もいっぱい作れる」
 「……ミレイは、それでいいの?」
 「うん。みんな仲良く、ずっと一緒にいたい。クナイやアイヒ、エル……、これからも増えるかも」
 「う~ん……」


 アイトは考えるが、よく分からない。
 それどころか、頭がのぼせてボンヤリし始める。


 「そろそろ上がろう、立って」
 「ああ……」


 アイトは立ち上がると、ミレイの視線が下を向いていた。


 「そっちは起てなくていいのに。それともまだしたい?」
 「……じゃあ部屋で」


 アイトはミレイと手を繋ぎ、出口のドアを開ける。




 「え?」
 「は?」
 「あ」




 そこには、全裸のエルがいた。
 どうやら温泉に入りに来たらしいが、完全に硬直していた。
 エルの視線はアイトの下半身、アイトの視線はエルの上半身に固定されている。


 「………」
 「………」
 「アイト、エル?」


 エルは、アイトとミレイを見て何をしたか理解した。
 顔を赤くするが、アイトから目を離さない。


 「で、デカい……」
 「お、おっきいです……」
 「……興味津々。なら、どうぞ」
 「おわっ!!」
 「ふわぁっ!?」


 ミレイは、アイトとエルの手を掴み、お互いのモノを触らせる。
 お互いに触れるが手は離さず、むしろ受け入れていた。
 視線が交差し、アイトとエルは見つめ合う。


 「じゃ、3人で行こっか」




 ミレイの言葉が引き金となり、3人はアイトの部屋に向かった。



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