神様のヒトミ

さとう

62・ロアの町

 
 歩き、走り、ジャンプしながら進むこと数日。


 「お、見えた」
 「あれがロアの町ね」


 アイトとアイヒの目の前には、かなり大きな町が見える。
 周囲は高い外壁に守られ、入口には大きな石の門。
 町中を川が流れ、アイト達が歩く街道には商人の魔導車が通る。


 「ここは、ラクシャーサさんが治める地域で、2番目に大きな町なんだって」
 「へぇ、じゃあ1番は?」
 「えっと、〔大地の国フェンリル〕っていう大都市ね。行く機会があればいいけど」


 アイトは頷きつつ町を覧てみた。




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 【ロアの町】 LEVEL68


 ○〔住人〕 8898人
 ○〔家屋〕 2341軒
 ○〔商店〕 道具屋25
       八百屋22
       パン屋15
       金物屋20
       宿屋15
       酒場38
       武器屋15
       防具屋10
       装飾品屋8
       鍛冶屋14
       薬屋15


          etc 以下省略


 ○〔ギルド〕冒険者ギルド
       傭兵ギルド
       諜報ギルド
       魔術ギルド
       錬金ギルド   


 ●移住希望 反応あり


 以下項目・未開放 


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 「いやー便利だわ。うん」
 「なにが?」
 「うん。見えるってサイコーだぜ」


 個人経営の商店や、一般的ではない店は表示されないらしい。
 レベルが上がれば見えるのだろうと、アイトは取りあえず納得した。


 「なぁ、この町にも移住希望の反応があるぜ」
 「………ホント何なの、その目?」
 「俺も知りてぇよ……」




 アイトとアイヒは、町中へ進んでいった。




 ***********


 

 「さて、宿を確保したら買い物ね。補給が終わったらお昼にして、夜は宿屋で豪華ディナー!!」
 「テンションたけーな。どうしたんだよ」
 「まーいいじゃん。ここ数日テントだったし、たまには贅沢したいよねー」
 「まぁそれには同意する。コインもあるし、ちょっとぐらい贅沢するか」
 「うん、アタシたちが持ってたコインは、村の発展のために全部置いてきたから、支払いはよろしくね」
 「わかった。っていうかお前も半分持ってろよ」


 アイトは、持ってたコインの袋をアイヒに渡す
 マッドコング狩りで得た資金は、総額8000万コイン
 財布には50万ほど入れて、残りはアイヒの《立入禁止キープアウト》に収納した




 「さ、高級宿を探すわよ!!」




 ***********




 「………はぁぁ」
 「はっはっは、どこも満室だったな」


 アイトとアイヒは、町の中央広場に来ていた。
 町の中央は広く、中心に噴水があり、そこを囲むようにギルドや大型商店が並んでいる。
 お昼の代わりに買ったケバブをかじりながら、アイトはのんびり言う。


 「まぁ仕方ない。でも、普通の宿も満室かぁ……祭りでもあるのかな」
 「さぁね、ところで何件の宿を回ったかしら」
 「えっと、14軒かな? タウンステータスではあと1軒あるけど」
 「……どこ?」
 「知らね、案内所で聞いてみるか?」


 アイトはケバブの包み紙を丸め、近くのゴミ箱に捨てる。
 近くにプレハブ小屋のような建物があり、「区画案内所」と看板が立ててあった。


 「アイト、聞いてきてよ。アタシはデザート買ってくる」
 「まだ食うのかよ……」
 「いいでしょ別に。せっかくだし珍しいのは食べたいのよ」


 アイヒは近くの露店にスタスタ歩いて行く。
 仕方なくアイトは1人で案内所へ向かった。


 「ロアの町へようこそ、何かお困りですか?」


 案内所の女性が和やかに言う。


 「あの、宿屋を探してるんですけど」
 「はい。ではこちらをご覧下さい」


 アイトの前に、受付嬢は町のマップを広げ、何カ所かマークする。


 「この町には15の宿があります。オススメは」
 「あの、14カ所は回ったんですけど、どこも満室で……最後の1ヶ所を知りたいんです」
 「なるほど……お祭りが近いので、宿を早めに確保されてるようですね」
 「祭り……?」
 「はい。実は半年に一度、町を挙げてのお祭りがあるんです。町全体が盛り上がるので、他の地域からもたくさんの人が来ますよ」
 「そのせいか……」
 「はい。では宿の案内をしますね」


 アイトは受付嬢の指さす宿を見て、自身が行った宿と確認する。
 そして、裏路地にある最後の1軒が行ってない場所と気が付いた。


 「ここ、ですか……」
 「そうです。この路地には入りませんでした」
 「う~ん、あまりオススメ出来ませんね。ここの宿は建物が古く、しかも経営者が借金を抱えていて、近々廃業するって噂もありますしね」
 「そ、そうなんですか?」


 しかし、宿を取らなければ町の外でテントを張るしかない。
 せっかく町に来たのに野宿は避けなければならない。


 「取りあえず……行ってみます」
 「はい。ではお気を付けて」


 アイトは案内所から離れ、大きなクレープを囓ってるアイヒの元へ。


 「う~んおいひ~」
 「おい、宿に行くぞ」
 「あ、みつかったの?」
 「ああ、っていうかみっともないぞ、さっさと食えよ」
 「はいはい……はむ」


 アイヒはバスケットに焼き菓子を詰め込んでいた。
 どうやら露店で買ったのを入れてるらしく、アイトは呆れていた。


 「場所は……こっちか」




 アイトは、貰ったマップを見ながら歩き出した。



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