ホントウの勇者

さとう

戯遊機塔メガラニカ・マグダーラ⑥/レクスと一緒・阿吽



 その後。ダンジョンを脱出し広場へ帰還


 周囲は暗くなり始めたが、まだ夜というワケではない


 「さ、ご飯にしよっか。少し買い物して帰ろう」
 「······はい。食事は私が準備します」


 コノハは少し機嫌が悪い
 やっぱボスを瞬殺したのが悪かった。次は気を付けよう


 商人の集まる魔導車や露店に向かい、買い物をする
 新鮮な肉や野菜もあり、どこから獲ってきたのか、海産物なんかも豊富にあった


 「······お」


 そして俺は閃いた
 コノハの機嫌を直すチャンス到来だ


 「あのさ、ちょっといいか?」
 「なんでしょうか?」


 壊子と野菜を吟味していたコノハを呼び止める




 「今日は俺がメシを作るよ」




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 食材を購入し、ダンジョン近くの駐車スペースへ戻る 
 ここには俺たち以外の魔導車もたくさん停まっていた


 「すぐ作るから、待っててくれ」
 「ジュートくんの料理かぁ、なんか楽しみだね」 
 「は、はい」


 コノハは作られる側に慣れてないのか、テーブルで落ち着きなさそうに視線を彷徨わせてる




 よし、手早く作るぜ。俺も腹減ったしな




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 「はいよ、完成だ」


 俺はトレイに3枚の大皿を乗せ、コノハと壊子の前に置く
 するとコノハは目を見開いた


 「カニチャーハンだ。コノハ、カニが好きだろ?」
 「······あ」


 商人の露天には、ボイルしたカニも売っていたので使わせてもらった。これなら手早く作れるし簡単だしな
 腹も減ったし3人とも大盛りにして、付け合せに簡単な野菜スープも添える


 「う〜ん、いい香り」
 「よし、それじゃいただきます」


 キチベエさんからたくさん貰ったレンゲを掴み、3人同時に一口


 「うん、美味い‼」
 「味が濃いね、男の料理って感じ。でも美味しいよ」
 「はい······美味しいです」


 コノハと壊子はニッコリ笑う。チャンスだ


 「あの、コノハ······ゴメン」
 「え?」
 「いや、ボスを瞬殺して······次はコノハに譲るからさ」
 「い、いえ、私も大人気なかったです。その······お腹が空いて、気が立ってたので」
 「あはは、そういうことってあるよね」


 3人で笑い、チャーハンを完食
 この日はさっさと風呂に入って就寝した




 明日は3階層だな。次はどんなステージだろうか?




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 翌日。本日も快晴なり


 壊子の装備は昨日のドロップアイテムで固めた。〔魔術師の法衣〕と〔ウッドロッド〕を装備してる
 壊子はこの装備を気に入り、【紫】の上級魔術師としてパーティーインした


 そして、ダンジョンへ向かう道中のことだった


 「おっすジュート、今日もいい天気だなぁ‼」
 「レクス? どうしたんだよ」


 やたら元気なレクスが現れ、俺たちの前でにこやかに微笑んでる


 「へへ、お前たち何階層だ?」
 「え······今日は3階層に挑戦するけど」
 「ほっほーう······」
 「······」
 「······」


 レクスは胸を張って黙り込む。なんだよ一体?
 するとレクスはポーズを解除。まくし立てて来た


 「あのよ‼ そーいうときはお前も聞けよ⁉ 「レクス、お前は何階層まで進んだ?」ってよ⁉」
 「あーそういうことね。で、何階層?」
 「くっ······7階層だ」
 「へぇ、やるじゃん」
 「なーんか調子狂うぜ。ところでよ、提案なんだか······一緒に行かないか?」


 なるほど、それが本題か


 「なんで?」
 「あ〜、いや、その······」
 「ふむ。ジュート殿、もしかしてこの方は1人では進めない階層へ入ったのかもしれませんね」
 「なるほどね。低階層でチームメイトが必要なのは······〔双子獣の討伐〕とかかな? あれは2体の守護モンスターをほぼ同時に倒さなくちゃいけないからね」
 「なるほど。ん? おいレクス、顔が青いぞ?」


 どうやら図星らしい。やれやれ


 「ま、まぁそういうことだ。手を貸してくれ」
 「変にカッコつけないで言えばいいのに」




 壊子の冷静なツッコミに、レクスは肩を落とした




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 そんなワケでレクスと共に7階層へ


 「なぁ、次に俺たちがダンジョンに入ったら、ここからなのか?」
 「ううん、あくまでわたしたちはレクスさんの同行者だから。次は3階層からのスタートだよ」
 「あ、そうなのね」


 ちょっと残念。まぁそう美味い話はないか
 階段を登りきり、扉が開かれる


 「······あれ、なんもないぞ?」


 飛び散ったの先は広い空間のみで何もない。奥にもう1つ扉があるだけだ
 俺は腕輪を確認する


 〔戯遊機塔メガラニカ・マグダーラ〕7階層・【双子獣の討伐】
 クリア条件・2体のモンスターを同時に倒せ


 「モンスターを同時にか、確かに1人じゃムリだな」
 「だろ⁉」


 まぁ俺なら出来るけどね、とは言わない
 俺はレクスのステータスを確認した


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 【レクス】 双剣士
 【レベル49】
 体力B 4670
 攻撃力B 545(+140)
 防御力B 530(+280)
 俊敏性A 690
 魔力D 870
 属性【緑】


 【装備】
 武器 〔双剣エアウルフ〕+140
 防具 〔アイアンレザー〕+120
    〔アイアンガード〕+100
    〔アイアンシューズ〕+60
 アクセサリ 商人の心得


 【特殊】
 1〔首狩くびかり
 2〔扇風刈せんぷうがり
 3〔刈凪かりなぎ
 4〔双剣空乱舞そうけんくうらんぶ


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 「さっすがジュート、強ぇえじゃねーか」
 「お前もな、レクス」


 どうやらレクスも俺のステータスを確認してたようだな
 よし、先に進むか


 「あの扉の先は直ぐにボスだ。一体を倒したら地上に転送されちまってよ、やっぱ同時に倒さないとダメみたいだな」
 「そっか。じゃあ弱らせてから同時にトドメだな」


 打ち合わせをしながらドアへ向かう。するとコノハが言う


 「ジュート殿、ここは私が」
 「わかった。アシストはするけど、危なくなったら手を出すからな」
 「はい。それで結構です」




 よし、いきなりボスだけどやってやるぜ‼




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 「お、あれか」
 「ああ。気を付けろよ」


 扉の向こうにいたのは、大きな人型のモンスターだった
 例えるなら、大剣を背負った阿吽像。腕を組んでこちらを睥睨してる
 俺たちが近づくと、ボスBGMが流れだし、阿吽像は全く同じ動きで背中の剣を抜いた


 俺は2匹のステータスをチェックする


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 【レッドアギョウ】
 【レベル57】
 体力 8888
 攻撃力 1000(+250)
 防御力 800
 俊敏性 300
 魔力 200
 属性【赤】


 【装備】
 武器 〔大剣チェストブレイク〕+250
 防具 なし
 アクセサリ なし


 【特殊】
 1〔なぎ払い〕
 2〔兜割〕


 【ドロップアイテム】
 標準 大剣チェストブレイク
 レア 灼熱剣ブレイズブレイド
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 【ブルーウンギョウ】
 【レベル57】
 体力 8888
 攻撃力 1000(+250)
 防御力 500
 俊敏性 800
 魔力 200
 属性【青】


 【装備】
 武器 〔大剣チェストブレイク〕+250
 防具 なし
 アクセサリ なし


 【特殊】
 1〔なぎ払い〕
 2〔兜割〕


 【ドロップアイテム】
 標準 大剣チェストブレイク
 レア 凍結剣アイスブレイド
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 まずいな、レクスとコノハより格上だ。レクスのヤツよく倒せたな


 「へ、格上でも頭の方はノータリンだ。付け入るスキはいくらでもある」
 「私は赤い方を仕留めます。あなたは青い方を」
 「りょーかいだ。所で……今夜、どう?」
 「………」


 レクスが双剣を構え、コノハが指をパキパキ鳴らしながら前に出る
 そして、レクスの問いを完全に無視し、コノハは飛び出した


 「やーれやれ、フラれちゃったよ」
 「おいレクス、残りの体力には気を付けろ。倒すのは同時だぞ!!」
 「わーってるよ。じゃあ行くぜッ!!」




 よし。俺はサポートに徹するぜ。危なかったら手を出すけどな





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