ホントウの勇者

さとう

戯遊機塔メガラニカ・マグダーラ③/ボス級・ダウン



 「ちっくしょうがぁぁッ!!」
 「ジュートくんッ!?」


 〔戯遊機塔メガラニカ〕第一層・【煉瓦の迷宮】
 クリア条件・迷宮を攻略しボスを討伐せよ


 俺と壊子は迷宮のモンスターと戦っていた
 相手のステータス値は俺と壊子のステータスの2倍。壊子のステータスを反映したモンスターは倒したが、俺のステータスを反映されていたモンスターに手こずっていた


 「ちくしょう、このヤロッ!!」
 「ジュートくんッ、腕輪の機能で相手のステータス値を調べられるよッ!!」


 壊子はモンスターに【紫】魔術を叩き込みながら言う
 よし、今のうちに確認してやる


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 【ブルースライム】
 【レベル99】
 体力 9999
 攻撃力 8398 
 防御力 3976
 俊敏性 1794
 魔力 99999
 属性【青】


 【装備】
 武器 なし
 防具 なし
 アクセサリ なし


 【特殊】
 1〔分裂〕
 2〔水弾〕


 【ドロップアイテム】
 標準 ブルーゼリー
 レア ブルーグミ
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 「まぁそうだよな、俺のステータスの2倍ならカンストだよな。うん」




 俺と壊子は、超俊敏なスライム1匹に苦戦してた




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 ぶっちゃけ、壊子の魔術は全く効いてない。ノーダメージ
 こういうときに大事なのは……弱点攻撃


 「このスライムは【青】だ。なら……【赤】属性でッ!!」
 「お願い、ジュートくんッ!!」


 俺は壊子の前に立ち、恐るべき威力の水弾を何とか弾く。はっきり言ってこの水弾は『狙撃水漣銃ナルキッス・カラヴィーナ』より速く強い


 「喰らえ、【赤】の上級魔術・【炎熱束射ブレイズレーザー】!!」


 正面にかざした掌から赤い紋章が輝き、極太のレーザーが照射される
 スライムも極太の水弾を放ち、正面からまともにぶつかった


 「お、おオォォォッ!!」


 俺は魔力全開でレーザーを放つ。モンスターに勝っているステータスは魔力しかない。だから勝機は魔術にあると踏んでいた


 「貫けぇぇぇぇぇーッ!!」


 俺のレーザーは水弾を押し返し、ついにスライムに命中した
 ここで俺はだめ押しの一発をぶちかます


 「【赤】のオリジナル魔術・【魔炎狼フェンリスヴォルフ】!!」


 巨大な紋章から現れたのは、真っ赤に燃えさかるオオカミ
 巨大な顎を広げ、スライムに襲いかかった


 「焼き尽くせぇぇぇッ!!」


 スライムに食い掛かるオオカミ
 そして、スライムはみるみる溶解し、後には何も残らなかった




 勝ったけど……スライムなんだよなぁ




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 戦闘が終わるとスライムのいた場所から小さな紋章が現れ、小さな袋が現れた


 「あ、ドロップアイテムだよ。しかも金色の袋だからレアアイテムだね!!」
 「そっか……でも、スライムなんだよなあ」


 俺は袋を拾って開けると、中にはびっちりとグミが入っていた
 試しに一口……これは


 「ソーダグミだ。美味い」
 「あ、わたしにもちょうだい」


 壊子と2人でグミを分け合って完食した




 なんでだろう、スッゴく悲しくなってきた




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 「帰ろう。このダンジョンは攻略不可能だ」
 「え、か、帰るの⁉」


 壊子が驚いてるけど、そりゃそうだろ
 スライムがボス級の強さ、しかも1階層の最初でこの苦戦だぞ。強くなればなるほど敵が強くなる
 まぁそれが隠しダンジョンの醍醐味かもしれんが


 「俺のレベルじゃ攻略は難しい。レベルはいくつに設定してあるんだよ?」
 「えっと、一応だけど最低レベルは40からじゃないとこのダンジョンには入れないようになってるの」
 「う~ん、基準がよくわからんけど」
 「そうだねぇ······王都の騎士団で平均レベル20くらい、団長クラスで40くらいかなぁ。普通の村人が生涯で10くらいだからね」
 「······マジかよ」


 俺は一体何なんだよ。レベルMAXなんて上げた覚えないし


 「多分だけど、私たち〔神の器〕やレオンハルト様と戦ったからじゃないかな? レオンハルト様は神様だし、きっと凄い経験値が貰えたんだよ」
 「全然嬉しくないけどな······」


 とにかく、このダンジョンを進むのはムリだ
 帰ろうとスタート地点に引き返そうとしたとき、右手のバンドがピーピー鳴り出した


 「何だよマフィ、これから帰るとこだ」
 『ふむ、やはりお前でも無理か。さすがにモンスターのステータス値が高すぎる······いや、本人のステータス値の2倍ではなく、モンスター本来のステータス値の2······いや、5割アップならどうだ? モンスター以外にも数千通りのトラップを仕掛けてあるから、これなら楽しめるだろう?』
 「う〜ん······やってみるか?」


 確かに、モンスター本来のステータス値ならいけるかも
 スライムのステータスが5割アップしても大した脅威にならないしな


 『よし、試してみよう······よし、設定完了。近くで戦闘をしてみろ』
 「わかった、もう少し付き合ってやるよ」


 俺は壊子を促して迷宮を進む
 迷宮は特に仕掛けもなく、曲がり道がたくさんあった。クロがいれば問題ないけど、今はシロとお昼寝中だし、こういうのは自分たちの力で進むモンだしな


 「お、いた」
 「あれは······ツイてるね、レアモンスターだよ‼」
 「レアって······スライムじゃん」


 俺は虹色に輝くスライムのステータスをチェックする


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 【レインボースライム】〔レア7〕
 【レベル40】
 体力 2250
 攻撃力 50
 防御力 20
 俊敏性 20
 魔力 900
 属性【赤】


 【装備】
 武器 なし
 防具 なし
 アクセサリ なし


 【特殊】
 1〔分裂〕


 【ドロップアイテム】
 標準 レインボーゼリー
 レア レインボーグミ
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 「おお、ステータスが······弱っ」
 「この子は一定時間で属性が変化するの。それとレア度数が7だから、倒せば経験値がいっぱい貰えるよ」
 「壊子はいいけど、俺はカンストしてるしなぁ」


 スライムはナメクジみたいにズルズル這ってくる。
 色はキレイだけどちょっとキモい


 「壊子、お前が倒すか?」
 「うん。遠慮なく······えいっ」


 壊子は初級魔術を当てると、スライムはあっけなく消滅した。すると今度も金色の袋がポトリと落ちた


 「お、今度もレアアイテムか。中身は······」
 「わぁ、カラフルなグミがいっぱい」


 さっきのソーダグミだけじゃなく、こんどは様々な種類のグミが入っていた。いただきまーす


 「ふむ、これはリンゴかな?」
 「こっちはパイナップルみたい。美味し〜」
 「白いのはヨーグルトだな」
 「紫はブドウだね、う〜ん甘酸っぱい」
 「なぁ、この黒いのは何だよ······?」
 「······う、イカ墨かな?」




 なんとか完食。イカ墨味も全部食べました




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 迷宮を彷徨うこと3時間


 「出口がない」
 「あ、あるよ。見つからないだけで」


 どうやらこの階層のメインは迷宮。モンスターはついでだ
 その証拠にスライムしか出ないし、壊子のリュックの中にはゼリーやグミがたくさんある


 「いつまでもここで彷徨うのもヤだし、禁じ手を使う」


 俺は頭の中でクロを呼ぶ
 おーいクロさんや、助けておくれ


 《·········》


 あれ、クロ? 聞こえないのか?


 《もぐ〜》
 《ギ・ガガ・ギガガ・ギガ》


 えっと、クロは? シロでもいいけど


 《もぐ〜もぐもぐ》
 《ギガ・ギ・ガガギ・ガギガガ》


 なるほど、そーいうことね


 「ちくしょう、打つ手ナシかよ」
 「え、禁じ手は?」




 どうやら、まだ迷宮を彷徨うことになりそうだ





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