ホントウの勇者

さとう

閑話 斥量三重・【重神ジャック・グラヴィーン】



 斥量せきりょう三重みえたちは現在、〔灰の渓谷〕を歩いていた


 「ヘンだな。確かここは危険地帯だって言ってたのに、モンスターの一匹もいやしねぇ」
 「確かにそうですね。ぶーちゃん、何か感じませんか?」


 喚時の手の平で転がる羽ブタは、ぶぅぶぅと身体を揺らす。どうやら何も知らないらしい


 「まぁいーじゃん。何か出てもあたしがやっつけるから、安心してよ剣吾くん‼」
 「あぁ、頼りにしてるぜ斥量」
 「う、うん‼ あの、その······三重でいいよ」
 「そうか? じゃあ俺も剣吾でいいぜ、三重」
 「うん······け、剣吾」


 頬を染め、身体を揺らしながらポツリと呟く
 その名前を呼ぶだけで、斥量は温かい気持ちに包まれた


 「さ、早くここを抜けましょう剣吾くん。町はすぐそこです」
 「そ、そうだね。行こう剣吾くん‼」
 「······フフ、楽しく行こう剣吾くん」
 「お、おう?」
 「ちょ⁉ あんたらーっ‼」




 こうして一行は、〔魔物使いの町テイマード〕へ




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 「う〜ん、魔物臭い」
 「三重、そんなこと言わないの」
 「だってさ······」


 光袮に咎められ口を紡ぐが、実際にモンスターの臭気はキツイ


 「さて、ジュートの情報を集めるか。場所はギルドでいいか?」
 「······うぅ〜ん、そこもいいけど、アッチのコロシアムも気になるねぇ」
 「じゃあグループを分けよう、病川にコロシアムは任せる。ギルドは俺と······」


 ビシッと、病川を除く3人が挙手


 「······いいさいいさ、どーせアタシは1人ぼっち」
 「お、おい。あ〜わかった、俺と病川でコロシアム、ギルドはお前たち3人に任せるから」
 「「「えっ」」」




 すると剣吾と病川はスタスタ行ってしまった。ニヤリと笑った病川の笑みが、3人の心に突き刺さった




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 「はぁ、な〜んであたしがアンタらと」
 「それはこちらのセリフです」
 「もう、とにかく行くよ。こうなったら早く終わらせて合流するしかないよ」
 「はいはい、そんじゃギルドへ行きますかね」


 なんだかんだで仲の良い3人は、寄り道しながらギルドへ向かう
 途中の露店で買い食いし、武器防具屋や道具屋へ寄ったり、モンスターに芸をさせてるショーを見たり。町を満喫しながらギルドへ向かった


 「ここかぁ、なんかでっかいね」
 「ギルドとはそういう物です。この世界には冒険者が溢れています、それこそ誰もが憧れる職業として」
 「そうだね。ダンジョンに潜ったり、モンスターを討伐したり、楽しいんだろうね」


 3人はギルドへ入り、受付で銃斗のことを確認する。しかしこの町で依頼を受けた形跡はなかった


 「はぁ、ざ〜んねん」
 「仕方ないです。それこそ雲をつかむような捜索ですし」
 「そうだね、取り敢えず剣吾くんたちと合流しよっか」


 町の中央で剣吾たちと合流する。すると剣吾が言う


 「新情報だ。ジュートはどうやら〔灰泥湖〕へ向かったらしい。そこから先の町は〔美食の町イーティア〕だ」
 「おぉ‼ さっすが剣吾。でも、どうしてわかったの?」


 答えたのは病川だった


 「実は、コロシアム近くで剣吾くんがドラゴンに懐かれてね······飼い主の獣人の女の子が銃斗くんを知ってたのさ。それで心当たりを聞いたら、灰泥湖へ向かうのを見たって聞いたのさ」
 「なるほど。灰泥湖の先はイーティアしかないし、これは確定ですね」
 「よし。そうと決まればさっさと行こう‼」


 三重の号令で全員が歩き出す




 三重だけでなく、全員が冒険を楽しんでいた



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