ホントウの勇者

さとう

戯れの世界よ我が手の中に⑦/ずっと好き・忘れさせる



 ニュールを仲間にした俺たちは、とりあえず遺跡から脱出
 予定通り、マフィの所で休んでから【灰の大陸】へ向かうことにした


 「弓島さんたちの様子も、確認しなきゃな」


 マフィ曰く、パスを繋げる状態にしておくとのこと
 それってつまり······ゴクリ


 とりあえずバンドを起動


 
 とにかく、みんなの様子を見に行こう




───────────────


───────────


───────




 「よっと。おお、みんな揃ってるな」


 ついたのはいつもの談話室。ソファの上には氷寒たち4人、肘掛け椅子の上にはマフィがいた


 いきなり現れた俺に、少し驚いていたがすぐに笑顔になる


 「······お帰りなさい」
 「やっほ〜」
 「お帰り、ケガはない?」
 「おかえり」


 4人とそれぞれハグとキスをする
 全員元気そうで何よりだ


 「とりあえず……みんな、お疲れさま。どうだった?」
 「……まぁ戦闘はあったけど、全員勝てたわね」
 「うんうん。あたしたちってスッゴく強いよね~」
 「でも……魅檻ちゃんは、助けられなかった……」
 「それは仕方ない。その点に関してはみんな同じ」


 4人はどうやらクラスメイトと戦闘があったみたいだ
 内容を聞きながら、俺もこれまでの経緯を説明する


 「……女神?」
 「ああ、どうやら真の敵はそいつらしい。マフィ、何か知ってるんだろ?」


 俺は、黙って話を聞いていたマフィに向き直る
 マフィは、感心した様子で俺たちを見た


 「流石だな。いや……お前は初めから知るべきだった。カンのいいお前だ、気が付いてるだろう?」
 「ああ。お前も【創造神】に生み出された神なんだろ?」
 「そうだ。【銃神】と同じく、【時の大陸】の神共に見切りを付けて、私は人間を見守って……いや、観察してきた。【女神】の事は知っていたが、私にどうこう出来ないし、向こうも私のことなどどうでもいいみたいだったからな」
 「じゃあ、【銃神】のことは?」
 「ああ。アイツが来たのは全くの偶然だ。【創造神】の事など関係ない……全くの偶然だ」
 「ふーん。じゃあ、他にも【創造神】に生み出された神はいるのか?」
 「いるにはいるが、全員好き勝手やってるからなぁ。まぁ、いるとすれば……【死神】くらいか」
 「何だよ、そのヤバそうな奴は」


 【死神】って、いかにも敵みたいなヤツじゃんか
 正直、絶対に関わりたくない


 「アイツは【銃神】の次に強かった神だ。大人しくてナヨナヨした甘ちゃんだったが、飼っていた【神獣】を他の神に殺されたときにキレてな、1000以上の神が屠られた」


 うーん、その怒りはごもっともだが……怖い


 「それで【女神】の怒りを買って、どこかに封印されたと聞いた。私にはわからんが」


 話は逸れたが、本題に入ろう


 「なぁ、弓島さんたちは元気か?」
 「ああ。だいぶ落ち着いてる……今は隣の部屋で休んでる。〔機帝〕に乗っていた女も回復した。後遺症などもなく安定してる。パスならいつでも繋げられるぞ」
 「パス……うーん」
 「安心しろ、3人には全て説明してある」
 「マジかよ!?」


 俺はここで4人を見る


 「……安心して、私たちで説明したから」
 「うんうん。黎明や麻止ちゃんは意外とノリノリだったよ~」
 「壊子ちゃんは……ちょっと迷ってた」
 「でも、シないとヤバい」


 そっか……弓島さん、羽蔵さんは……うん。俺も覚悟を決める
 鉛田さんは、ちょっと後にしよう


 「わかった。行ってくる」
 「よし、記録は任せろ。所で……3人同時か?」




 俺はマフィの頭にゲンコツを落とし、隣の部屋へ向かった




───────────────


───────────


───────




 「入るぞー」


 ドアをノックして部屋に入ると、3人の女子がいた


 長いポニーテールの弓島黎明
 セミショートのメガネ少女、羽蔵麻止
 セミロングの鉛田壊子


 髪型もスタイルも全く違う、3人の少女が俺を見た


 「えっと、その……大丈夫か?」
 「う、うん。あの、ジュート……その」


 弓島さんが、俯きながらブツブツ呟く


 「ごめんなさい……私たち、貴方にとてもヒドいことを……どうかしてたわ」
 「うん。なんであんなことを……ワケわかんない」


 羽蔵さんと鉛田さんが謝罪する


 「もういいんだ。こうして無事に戻ってきてくれたから……ホントによかった」
 「ジュート……ごめんッ!!」
 「おわっ!?」


 突然、弓島さんが立ち上がり、俺に抱きついてきた


 「ごめんなさい、ごめんなさい……アタシ、ジュートにヒドいこといっぱい言った……ワケわかんなくて、でも……なぜかジュートが許せなくて……うう。ごめんなさい」
 「……いいよ。大丈夫、大丈夫だから」


 涙を流す弓島さんを優しく抱きしめ、頭をなでてやる
 すると、弓島さんは俺からスッと離れる


 「あ、あの……ジュート。みんなから聞いたの」


 その言葉に、3人は赤くなった


 「ぱ、パスを繋げば……もう大丈夫だって。高名さん達みたいに、安定するって」
 「う、そ、それは……そうだけど」
 「あ、アタシは覚悟、出来てるから」
 「わ、私も……」
 「えっと……わたしも、その……」


 ここまで言われて、俺も引くわけにはいかない


 「わかった。じゃあ誰から……?」
 「あ、アタシ」


 すると、凄いタイミングで部屋が切り替わり、ベッドルームになる


 「アイツ……覗いてやがる」
 「え?」
 「あ、いやコッチの話」


 俺は弓島さんを……黎明を抱き寄せる


 「ずっと……こうしたかった」
 「アタシも、ずっと好きだった……」


 熱く、絡み合うキスをする
 ベッドに押し倒し、なおもキスを繰り返す
 服を脱がし、身体に触れると……熱かった




 もう、止まらなかった




───────────────


───────────


───────




 「アタシね、ずっとジュートが好きだったの。でも……ジュートは書華ちゃんばかり構ってたから、もしかして書華ちゃんが好きなのかって思ってた」


 裸で抱き合いながら、黎明は思いを綴る


 「だけど諦めきれなくて……でも、素直になれなくて……側にいるのが嬉しいけど、辛かった」
 「黎明……」
 「あはは……アタシらしくないや。それに、今はこうして繋がって……愛して貰った」
 「ああ。もう離さない、お前は俺のモノだ」
 「うん。何か書華ちゃんに悪いな……」
 「大丈夫。静寂さんも取り返す」
 「うん」


 そのまま抱きしめると、再び元気になってきた


 「あ、ダメダメ。麻止ちゃんにもわけてあげないとね」
 「え、あ……うん」


 黎明はにっこり笑うと、立ち上がりシャワールームに行ってしまった
 なんだろう。ちょっとさみしい


 「はぁ、まあいい……か?」


 すると、部屋が一瞬で切り替わった


 「あ、あれ……?」
 「む、無月くん!?」
 「は、羽蔵さん!?」


 すると、そこにはバスタオル1枚の羽蔵さん
 どうやらシャワーを浴びていたらしい。濡れた身体にタオルが張り付きセクシーだ


 「あ、それ……」
 「え、おぉわぁッ!?」


 俺は全裸だったので、両手で元気になったままの分身を隠す


 「そっか、終わったのね……私の番か」
 「ふぅ……うん。準備はいい?」
 「はい。お願いします……ガッカリしないでね?」
 「え? あ、うん」


 俺は両手を解放し、羽蔵さんに近づき、ベッドに誘導して腰掛ける


 「はねく……麻止」
 「……じゅ、ジュート」


 俺は顔を近づけて……キス
 そして激しく求め、そのままバスタオルに手を掛ける


 「あ、その……うぅ」
 「……?」


 俺はバスタオルを外し、控えめな胸を凝視する


 「ち、小さいから……」


 確かに小さい。けど、だから何だ?
 マフィと同じくらいの控えめな胸……最高だ




 あとは、美味しくいただきます




───────────────


───────────


───────




 「私……あなたに告白しようと、タイミングを狙ってたの」
 「そ、そうなのか?」
 「うん。中学のときから……ウチの本屋で一緒にいるだけで楽しかったし、一緒に買い物したり、勉強したり……同じ高校になって、クラスが変わって……静寂さんの所へいっちゃったから、失恋したんだなって……でも、諦めきれなかった」
 「………麻止」
 「ありがとう。愛してくれて……幸せ。ふふ、式場さんの言うとおりになっちゃった」
 「え?」
 「なんでもない……」


 そのまま抱き合い、やっぱり元気になってくる


 「あら?……ふふ、あとは壊子に任せるわ」
 「でも、鉛田さんは俺の事……さすがに無理矢理は」
 「大丈夫。あなたはクラス一の女たらしなんだから」
 「えぇ~……何それ」


 そしてベッドから降りると、さっさとシャワールームへ行ってしまった
 ここで景色が切り替わる


 「ありゃ、またかよ……」
 「わぁっ!? む、無月くん?」
 「おわッ!?」


 鉛田さんは、濡れた身体をタオルで拭いている所だった
 どうやらシャワールームから、まっすぐベッドに来たらしい


 「え、えっと……その、ど、どうぞ……美味しくないかも知れませんが」


 鉛田さんは、身体を拭き終わるとそのままベッドに横になる
 目を閉じてプルプル震えてるので、やっぱり恥ずかしいのだろう


 「あ、あの……ホントにいいの? 俺、無理矢理はその……」
 「う、うん。みんなから聞いてる。無月くんは紳士だけど、身体を赦した相手を徹底的に可愛がるって。自分と相手が満足するまで絶対にやめない、でも嫌がることはしないし、ムリもさせないからって」
 「え……そんな評価なの?」
 「うん。高名さんたちが言ってた」


 いつの間にか身体を起こし、普通に喋ってた


 「あの……わたし、初めてじゃないの」
 「そ、そうなの?」
 「うん……初めては、シグムント様…ううん、シグムントにあげちゃった」
 「な、ホントに!?」
 「……今思うと、バカみたい。どうして、どうしてあんな……」


 身体を震わせる鉛田さんを、俺は抱きしめた


 「大丈夫……あんなバカのことなら、俺が忘れさせる」
 「バカって……ふふ、強いね無月くんは」
 「ジュートでいいよ……壊子」
 「うん、ジュートくん」




 イヤなことは……俺が忘れさせる




───────────────


───────────


───────




 3人を愛した俺は、再び談話室へ


 どうやら3人とも疲れて眠ってしまったらしく、談話室には氷寒たち4人とマフィ、【九創世獣ナインス・ビスト】の8匹が宴会していた


 「久しいなインヘニュール。元気だったか」
 《ギガガガ・ギギガ・ガガギ》
 「そうか、お前も相変わらずだな」


 おいおい、マフィもアイツの言葉がわかるのかよ。ちょっとくやしい


 「あ、ジュートくん」


 クロを膝にのせた水萌が、俺を迎えてくれた


 「……お腹すいたでしょ? ご飯にしましょ」
 《そうね、ジュートも食べないと。こんなに美味しいのがたくさんあるんだから》
 《そーだよ!! 水萌が作ったケーキ、おいしいよ!!》


 氷寒の近くで、お菓子を頬張るティエルとルーチェ


 「う~んおいしい~っ!!」
 《もぐ~ッ!!》
 《カッカッカ!! イイねぇ、酒がうまいのぅ!!》
 《だなぁ、がっはっは!!》


 モルを肩に乗せ、括利がケーキを頬張る
 その横でアグニとナハトが酒盛りをしている


 「どう? 美味しい?」
 《最高っすよ!! ありがとうっす!!》


 虫菜は、どこから取ってきたのか樹液をクライブにあげていた
 虫に引かれるモノがあるのか、虫菜の視線はクライブに注がれてる


 久し振りの安堵感が、俺の心を満たしてくれる


 「はぁ、腹減った……俺もメシにしよっと」




 さぁて、心ゆくまで食べるとしますか





「ホントウの勇者」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く