ホントウの勇者

さとう

〔バルバリー古代遺跡〕/インヘニュール・ニルーダ



 〔セーフルーム〕にて、真実の記憶が明らかとなる


 《【創造神】の意思は消えちまったが、この世界で起きたことはこの大地が記憶してる。きっとその記憶がオレたちに流れ込んで来てるんだ》
 《カモね……この大地は【創造神】が生み出したモノだからネ》


 そっか、だからクロたちがいろいろ知ってるのか


 《ジュート、【女神】との戦いにはあなたの力も必要よ。ヴォルフガングの力を受け継いだあなたの力がね》


 それはわかってる、逃げるつもりはない
 それにしても、【魔神】が〔神の器〕の可能性が出てきた


 「……あーもう、何か疲れたぜ。今日はもう寝る」
 《そうネ、お休みなサイ》


 とにかく、いろいろ考えるのはもうやめよう




 俺は、先に進むだけ……みんなを救うコトだけだ




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 翌日。宿で朝食を済ませた俺は、町の門までやって来た


 「ここからは1人か……」
 《アラ? ワタシもいるワヨ?》
 「おっと、そうだな」


 俺はクロを肩に乗せて頭をなでる……よしよし


 「よし、行くか」


 俺は【流星黒天ミーティア・フィンスター】を出して跨がり、クロにヘルメットをかぶせて自分も被る


 「……ん? んん?」


 俺は上空を見上げる……すると、見覚えのあるシルエットが飛んでいた
 それは薄紫の、どうみても魔導車
 それはゆっくりした動作で降りてくる


 「あ、【アメジスト号】だよな……なんでここに?」


 すると、助手席のドアが開いて中から誰か降りてきた……って


 「しゃ、シャロアイト!?」
 「はい。わたくしです」


 いつもと同じ、シャロアイトがそこにいた
 なんでここに、今は会議中じゃなかったのかよ


 「今は【アメジスト号】のお披露目中です。少しだけ寄り道してもらいました。ジュートくんにこれまでの報酬を渡していなかったので」


 よく見ると、運転席にいるのは魔術師だろうか
 シャロアイトは、俺に一枚のゴルドカードを渡してくる。貰っておこう


 「わたくしが操縦の指導ということで、同乗しました」
 「指導って……お前、運転へったくそじゃん」
 「むむ。確かにそうですが、知識はあります」
 「そりゃそうだけど、運転と知識は別物だろ?」
 「むむむ……」


 いつものやり取りに心が和む
 俺は、やっぱりコイツが好きみたいだ


 「ジュートくん、また会いましょう……約束です」
 「ああ。約束だ」


 俺はメットを脱いでシャロアイトに目線を合わせる
 シャロアイトは俺に抱きつき、俺も優しく抱きしめた


 「元気でな……」
 「……はい」


 シャロアイトは、俺の頬にキスをしてきた


 「あと5年……その時はもっといいことしてあげます」 
 「はは、期待してるよ」
 「ネコちゃんも。お元気で」
 《……アナタに撫でられるの、キライじゃなかったワ》


 シャロアイトは離れ、【アメジスト号】に戻ると飛び立った




 俺は、見えなくなるまで空を見上げていた




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 〔バルバリー古代遺跡〕は、王都のすぐ先


 バイクで飛ばすこと半日……あっさり着いた


 「ここかよ……なんか普通だな」
 《今までがオカシかったのヨ》


 そう言われればそんな気もする
 ま、とにかく進みますか


 《インヘニュールは念話が通じる距離にいるワ……すぐそこヨ》
 「おう。楽でいいね」


 〔バルバリー古代遺跡〕は、多少の倒壊があったが普通の遺跡
 中は古代のピラミッドみたいな通路で、壁画が描かれ通路はせまい


 そして、あっさりと最下層へ着いた
 どうやらここは何もない遺跡らしく、誰も来ないらしい


 「ここに……ん? なんだアレ……?」


 部屋の中央に、妙な物体があった


 「ま、待てよ……このパターンは」


 ナハトの時もそうだったが……イヤな予感




 《久しぶりネ、インヘニュール》
 《………ガ・ギギ・ガ》




 やっぱそうか……俺のカンも冴えてるぜ




 ロボットが、喋っていた




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 それはどう見てもロボットだった


 ボディカラーは濃い紫で、下半身は三角形のキャタピラ
 腕は細いマジックハンドで、胴体はドラム缶みたいな……茶筒みたいな形
 頭は半円で、小さな電球みたいな目がチカチカ光ってる


 おいおい、もういいかげん読めないぜ


 《ギギ・ガギガ・ギガギ・ガ》
 《そうヨ。彼がヴォルの〔神の器〕ヨ》


 うわー、これ……モルと同じで何言ってるかわからんパターンだ
 めっちゃ合成の機械音みたいな声だ


 するとロボット……インヘニュールは、キュラキュラとキャタピラを回転させて俺の元へ


 《ギギガギ・ガガギガ・ギギギギギ》
 「………えっと、はい。俺はジュートです」


 わっかんねぇぇぇぇッ!! なんだよコレッ!?
 首をグルグル回し、目をチカチカさせながらギガギガ言ってるだけじゃん


 《ワタシはインヘニュール・ニルーダ。よろしくって言ってるワ》
 「あ、そう……」


 まぁだいたい合ってたかな。もういいや
 すると、いくつもの紋章が輝き、全員現れる


 《よぉインヘニュール!! 久し振りだな》
 《こんにちは~っ!!》
 《もぐ~っ!!》
 《お久しぶりっす!!》
 《元気そうね、安心したわ》
 《カッカッカ、今日は宴じゃのぅ!!》


 まぁみんなは何言ってるかわかるよね


 「えっと。一緒に来てくれるのか?」
 《エエ。もちろんヨ》
 「あ、うん……よかった」


 なんか釈然としないがまぁいいか


 「とにかく、よろしくな……ニュール」


 俺の略称は、何故か不人気だった。まぁいつものこと




 とにかく、【紫】の【九創世獣ナインス・ビスト】インヘニュール・ニルーダを仲間に加え、俺たちの旅は続く







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コメント

  • ヒカッチ

    ニュール・・・確かに何か違う
    僕だったらイニルにしますね

    0
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