ホントウの勇者

さとう

楽園都市ラーベイン②/子供たち・遊びに行こう



 食材や消耗品などの買い物を終わらせる


 この町は様々な種類のお菓子が売っていたので大量に購入
 これならルーチェもティエルも大喜びだな


 お酒もたくさん購入
 アグニとナハトのコンビはうるさいからな。酒を切らしたら大騒ぎだ


 モルはお菓子もモグモグ食べるからいいとして、クライブの好きな樹液なんてどうすればいいのか


 「では町長···いえ、責任者のもとへ」
 「ああ、案内頼むぞ」


 まぁいいか
 とりあえず町の責任者のところへ行こう


 「責任者への説明が終わったら、直ぐに図面に取り掛かります」
 「わかった。俺はどうする?」
 「そうですね···責任者の方にお任せします」
 「あいよ」


 町を歩きながら町外れへ
 ここまで来るとそんなに騒がしくないな


 「この辺りは従業員の宿舎がほとんどですね」 
 「確かに、そんな感じだな」


 建物は2階建ての横長の箱で、一定感覚で窓が設置されていた
 違う方向から見れば階段や入口があるんだろうな


 「見えました、あそこです」
 「へぇ。責任者となると一軒家なんだな」
 「そうですね。わたくしたちみたいな来客も多いので接客用も兼ねているのでしょう」


 見た目はフツーの一軒家
 アパートが並ぶ建物に囲まれると逆に目立つな


 「行きましょう。失礼のないように」
 「わかってるよ」


 家の前で再確認……俺ってそんなに無礼に見えるか?
 シャロアイトはドアをノックする


 「すみません。王都より依頼を受けて参りました【紫の特級魔術師・シャロアイト】です。総責任者のビノンテンさんはいらっしゃいますか?」


 そこまで言うと中がドタドタ騒がしくなった
 そしてドアが勢いよく開き、30代後半ぐらいの男性が現れた


 「お、お待ちしてましたシャロアイト様」
 「いえ、忙しいところだったようで」
 「いえそんな、少しばかり書類が溜まっていただけですので気になさらず」


 するとドアの向こうから声が聞こえてきた


 「町長!! この間の飲食店の拡張の件どうなりましたか、早く返事と予算の都合を!!」
 「町長、「魔導滑車」のライン拡張の件は」
 「町長、出店要望の依頼の処理を!!」


 なんか人がいっぱいいる……しかも全員が険しい顔で町長に詰め寄ってるし
 どうやら仕事で2階に引きこもってた町長がシャロアイトの姿を見て飛び出し、1階で待っていた人たちがそのままなだれ込んできた感じだ


 「……出直しましょう。ジュートくん」
 「そ、そうだな」
 「ま、待って!! 行かないで!!」


 おいおい、いい年したオッサンが行かないでって……


 「お願いします、話を聞いてくださーい!!」


 なんか哀れに感じたのでシャロアイトを引き留めた


 「シャロアイト……」
 「はぁ、わかりました。話を聞きましょう」
 「おお!! ではこちらへ」


 俺とシャロアイトは家に入る
 すると業者みたいな人たちはシャロアイトに驚いていた


 「おほん。すまないがお客様でね、この【特級魔術師】様と大事なお話がある。なので君たちのお話はまた後日ということで……」


 すると業者たちはすごすご帰って行った


 「………」
 「………」
 「さ、さぁこちらへ。お話をさせていただきます」




 俺とシャロアイトの冷たい視線を流しつつ、来客室へ案内された




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 「それではご依頼の説明をさせて頂きます」


 ビノンテンさんは給仕さんにお茶を持ってこさせ早速話を始めた。なんだかんだで時間が惜しいのかも


 「実は、町の東の大広場に新たな魔導遊具を建設し、町の新たな目玉として宣伝したいのです」
 「なるほど。そこでわたくしに依頼を」
 「はい。魔導滑車を造られたシャロアイト様なら、素晴らしいアイデアを出してくれると思いまして」


 アイデアどころか既に図面も頭にある、なんて言ったら喜ぶだろうな


 「それは問題ありません。アイデアなら丁度浮かびまして、しかし費用や材料の予算が掛かりますが」
 「そこは問題ありません。既に数日前から職人は町へ入り、魔導滑車の材料なら備蓄してあります」
 「ふむ。職人の人数は? あと材料の備蓄数を」


 そこでシャロアイトはビノンテンさんから分厚い書類の束を受け取り真剣に捲っていく


 「·········」
 「おいシャロアイト···?」


 シャロアイトは顎に手を当てて言う






 「これでは足りません。職人をあと1000人、材料をこれの20倍ほど用意してください」 






 俺とビノンテンさんはお茶を吹いた




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 「わたくしのプランを実現させるために必要なのは材料と人材です。このプランが成功すれば間違いなくこの町は8大陸で最も賑わう町となるでしょう」


 シャロアイトは自信たっぷりだった
 当然ながらビノンテンさんは難色を示す


 「し、しかし·········」
 「ふむ。このプランが成功すればアナタは有能な町長として歴史に残るでしょう。そうだ、新たな遊技場の名前を〔ビノンテンパーク〕と名付ければアナタの名前は永遠に歴史の一部として残ります」
 「やりましょう‼」
 「早っ⁉」


 この代わり身の速さに思わずツッコんでしまった
 ここまで現金なのも珍しい


 「それでは部屋を1室と紙とペンを、わたくしは図面を書く作業に入ります」
 「わかりました」


 ビノンテンさんは給仕さんに合図すると、シャロアイトと共に部屋を出ていった
 そして入れ違いで誰かが入ってきた


 「パパー」
 「遊んでー」


 子供···それも小さい
 男の子と女の子、多分3歳くらいだろうな


 「リクト、マオ、パパはこれからお仕事なんだ。ごめんなぁ?」
 「うー」
 「遊びたいよー」


 ビノンテンさんは子供たちを優しく抱きしめて頭をなでる
 なんとも和む光景だな


 「あの、俺はどうすれば?」
 「ジュートさんは······そうですね」


 うーん。俺の扱いに困ってる
 確かに俺はこう言う作業に向いてない
 設計図なんて書けないし、出来るのは戦いくらい


 シャロアイトの邪魔になるから図面書きの最中は相手にしない。世話は給仕さんに任せよう


 「だれ?」
 「パパのお友達?」


 子供たちが俺を見てる
 俺はしゃがんでポケットからチョコを取り出した


 「はい。おいしいよ」
 「わぁ」
 「ありがとう‼」


 俺も2人の頭をなでて立ち上がる


 「俺は町にいますので、何かあったら呼んで下さい」
 「わかりました······ん?」
 「ありゃ?」


 袖に違和感を感じ視線を移すと、子供たちが掴んでいた


 「いっちゃうの?」
 「遊ぼうよー」


 うーん。懐かれてしまった
 これもお菓子の力か


 俺はビノンテンさんを見て頷くと、ビノンテンさんも仕方ないと言った感じで頷いた


 「よし。じゃあ俺と遊びに行くか?」
 「ほんと?」 
 「行きたい行きたい‼」


 ビノンテンさんも微笑んで同意してくれた


 「申し訳ない。家内も忙しく、なかなか子供に構ってやれなくて」
 「いいです。せめてこれくらいは···よっと」
 「わぁっ」
 「あっ、いいなーっ」


 俺は女の子を抱っこした
 軽いな、これならあと5人は持てそうだ


 「男の子がリクト、女の子がマオです。いいかい2人とも、お兄さんの言うことを聞くんだよ?」
 「はーい」
 「はーい」


 うん、かわいい
 やっぱ俺は子供が好きだわ


 「俺はジュート。よろしくねリクト、マオちゃん」
 「よろしく‼」
 「よろしくー」


 俺は2人を連れて家を出た
 さて、どうしようかな


 「どこか行きたい所はある?」
 「えっとね、「まどーかっしゃ」にのりたい‼」
 「マオものりたーい‼」


 俺はせがまれてリクトを肩車し、マオちゃんを左腕で抱っこしてる。さすがに動きにくい


 「魔導滑車か······俺も乗ってみたいな」




 行き先はこれで決定、行きますかね





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