ホントウの勇者

さとう

戯れの世界よ我が手の中に⑥/みんなと再び・黒猫の真意



 「「「「ジュートッ!!」」」」
 「おわぁッ!?」


 マフィの空間に入るなり全員が俺に抱きついた


 「……何なの今の!?」 
 「〔第二神化形態〕じゃないよね~?」
 「初めて見た……あんな形態」
 「カッコよかった」


 意見はそれぞれ違うけど、言いたいことは分かった


 「ふむ。私も聞きたい……いや、聞かせろ。何だあの姿は?」
 「マフィ……わかった、説明する」




 とりあえず、少し疲れた




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 「なるほどな、封印されし第三の神化……興味深い」


 マフィは顎に手を当ててにやけている……なんかイヤな予感


 「おいジュート、助けてやったんだ…少し身体を調べさせろ」
 「え~……」
 「む、なんだその反応は」
 「……う~ん」


 まぁいいか
 助けられたのは事実、コイツには世話になってるし


 「わかったよ、速く済ませろよ」
 「おお!! わかったわかった。なに、すぐに済む」
 「おう」
 「あと今日からローテーションが始まるから皆に話を聞いておけ」
 「ローテーション?」


 俺は顔を4人に向ける……すると


 「……以前に話したでしょ?」
 「ジュートはあんまり帰ってこないし~」
 「じゅ、順番は大事だから……」
 「みんなで決めたの」


 あ、そういうことか


 「そうだな。どうせ72時間は神器を使えないし、それに【九創世獣ナインス・ビスト】のみんなもまだクロ以外は回復してないからゆっくりできるしな」


 そう、クロ以外はまだ眠っているみたいなのだ
 一度〔セーフルーム〕に確認に行ったら、全員がフツーに寝てた
 アグニなんかイビキ掻いてたし……心配ないと思うけど、起きたらちゃんとお礼を言おう


 「じゃあ始めるぞジュート、そこに立て」
 「はいはい」




 そうして俺はマフィの検査を受けるのだった




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 「今日は私……よろしくね」
 「うん、水萌」


 初日は水萌だ。どうやら話し合いやじゃんけんで決めたみたい
 水萌の私室に入りソファに座る


 「今、お茶を入れるね」
 「ありがとう、実はノド乾いてたんだ」
 「ふふふ、ケーキもあるよ?」
 「お、食べる食べる!!」


 水萌の趣味はお菓子作り
 以前にここに帰ってきたときもケーキやクッキー、プリンやマカロンなんかを作ってみんなに振る舞っていた
 お店で売ってるようなレベルの本格的な味だった


 「はい、どうぞ」
 「おお、ウマそう……頂きます」


 水萌が出したのはいい香りが漂うミルクティーと、ふんわりとしたチーズケーキ
 見た目も素晴らしいが味は……


 「うん、ウマい……ウマすぎる」
 「も、もう。大げさだって」


 いや、ホントにウマい
 材料はこの世界の食材なので味が独特だ。でも……ウマい


 俺は紅茶とケーキを堪能
 ここに来て初めて気が抜けた気がした


 「ふう~……ん?」
 「…………」


 水萌が俺の隣に腰掛けた


 「水萌……あ」
 「そ、その……ジュートくんが疲れてるのは分かってるけど。あ、イヤならその」


 顔が赤い……きっと勇気を出したのだろう
 俺は優しく肩に手を回し、顔を近づけてキスをする


 「あ……ふふふ、ケーキと紅茶の味」
 「ホントだ、でもウマいな」
 「うん……」


 俺は水萌を抱き上げてベッドへ




 久し振りだし、楽しまなくちゃな




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 何度も交わり続けること数時間……小休憩
 俺と水萌は裸で抱き合いながら話をしていた


 「水萌はさ、この戦いが終わったらやりたいことあるのか?」
 「やりたいこと……あ、あるよ」


 なぜか少しドモる水萌
 俺は水萌の身体を抱きしめながら聞く


 「へぇ、何をやりたいんだ?」
 「そ、その……お、お店」
 「お店?」
 「う、うん。その……どうせ元の世界に帰れないし、あっちじゃお店を出すのも難しいし……だったらこの世界で、あっちの世界で学んだ技術でお店を出せばいいかなって」
 「なるほど、それでなんの店だ?」


 俺が聞くと、水萌は恥ずかしそうに呟いた


 「お、お菓子屋さん……うう、恥ずかしい」


 水萌は俺の胸に顔を埋める
 なんで恥ずかしいんだろう、最高じゃん


 「俺は応援するぜ、なんなら資金提供は任せとけ」
 「ええ!? で、でもまだ具体的なことは……それに私1人じゃ」
 「俺もいるしみんなもいるだろ? お菓子が好きで得意そうな人は……雅門がもんさんとか」
 「あ、確かに……魅檻みおりちゃんはそういうの得意だよ」


 他愛ない話をしながら笑い、性欲が回復したら抱く


 
 そうして俺の初日は穏やかに過ぎていった




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 2日目は氷寒
 俺たちは現在テニスコートでテニスをしてる


 「……ッ!!」
 「よっ!!」


 ラリーをしながら汗をかく……こういうの久し振りだ
 そして休憩しながらこれからのことを話す


 「……これからのこと?」
 「ああ、水萌とも話したんだ。この戦いが終わったらどうするか」


 コート脇のベンチで並んで休憩する
 持ってきたフルーツたっぷりのジュースを飲みながら氷寒は言う


 「……まだ分からない。でも帰るつもりはないわ」
 「え、そうなのか?」
 「……だって、帰ったらみんなジュートと結婚出来ない。この世界は法律がないから重婚できる……だからみんなと一緒にこの世界で暮らしたいわ」
 「ひょ、氷寒……」


 なんていい子なんだ……くそっ、我慢出来なくなってきた


 「俺も同じ気持ちだ。みんなと一緒にこの世界で生きていこう」
 「……ええ」


 氷寒はにっこり笑って俺の肩に寄りかかる……もういいよね?


 「氷寒……」
 「あ、ここでは……ちょっと……あ…」




 たっぷり楽しんで……さらに部屋にお持ち帰り、と




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 「………なぁ、少し休憩しようぜ」
 「わかった」


 3日目は虫菜
 この子はスゴい積極的、朝からずっとシていた


 「ふぅ……なぁ、他のことしなくていいのか?」
 「他のこと?」
 「うん、例えば……泳いだり」
 「……あんまり泳げない」
 「そ、そうか」


 虫菜は部屋に入るなり服を脱いで抱きついてきた
 あとはもうず~っとお楽しみタイム。流石に疲れた


 虫菜は俺の頭を抱きかかえるように横になってる
 なので大きくて柔らかいモノがもろにくる……最高だ


 「じゃあさ、虫菜はこの戦いが終わったら何したい?」
 「……おもちゃ」
 「ん?」
 「おもちゃ屋をやりたい。あたしが作ったおもちゃ……ボードゲーム、知恵の輪、トランプなんかを作ってお店を出す……ヘンかな?」
 「全然、むしろ面白そうじゃん」
 「うん。日本じゃムリだけどこの世界なら……夢を実現できそう」
 「よし、俺が資金援助してやる。この世界では俺、大金持ちなんだぜ!!」
 「うん。ありがとう……大好き」 
 「ああ、俺も……」




 ムクムクと欲望がせり上がっていく……まだまだ出来そうだ




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 4日目は括利
 この子もスゴい積極的。朝からずっと温泉だった


 「あ~……いい湯だ」
 「だね~……」


 すでに何度も交わってるので休憩中
 括利は俺の正面に向かい合って抱きついてる。コアラかよ


 「ねぇねぇまだ~?」
 「う~ん、もうちょっと」


 休んでる間もキスをねだったりするので答えてやり、手はずっと柔らかい膨らみを握りしめている
 最高すぎてヤバい


 「なぁ、括利はさ……この戦いが終わったらどうしたい?」
 「ん~? あたしは……お店を出したいな」
 「お、水萌と虫菜もそう言ってたな」
 「そ~なんだ。あたしは小物関係かなぁ、ゴムやヘアピン、櫛やアクセサリーなんかを作って……この世界の女の子たちをキレイに着飾ってあげたいな~」
 「はは、オシャレな括利らしいな」
 「うん、できれば燃絵と一緒に……」


 括利は少し悲しそうに俯く……城でのことを思い出してるのかな


 「あの時、燃絵が嬉しそうに笑ってたのを見た。でも……あたしの一番はジュートだから。だけど燃絵を諦めるワケじゃないよ」
 「わかってる。それと……ありがとう」
 「うん……」




 温かい温泉が、ココロと身体を優しく包んだ




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 「「「「きゃあぁぁぁぁぁぁッ!?」」」」


 突然の悲鳴で俺は飛び起きた


 「みんな!?」


 俺が寝てたのは休憩室の隣の部屋、5日目の朝だった
 俺は寝間着のまま隣の部屋に行くと……


 《カッカッカッカッ!! 若いおなごの反応はやっぱええのぅ!!》 
 「うむ、おかげでいい絵が撮れた。感謝するぞナハトオルクス」
 「…………」


 腰を抜かした4人の少女と喋るガイコツ、そしてボサボサ頭のメガネ少女だった


 「ふふふ、最近のお前らは私を馬鹿にしてる。よってこれは天罰……だッ!?」


 俺は問答無用でマフィの頭にゲンコツを落とした


 「さて、言い分は?」
 「う、こ、これはその……おい、ナハトオルクス!!」
 《おうジュート、久し振りだな》
 「ナハト……よかった、起きたんだな!!」
 《おう。おかげさんでいい夢見れたぜ。ほかの連中も起きてるぞい》


 ナハトが言うと同時に紋章が輝いた


 《ようジュート、元気そうだな!!》
 《おっはよジュート!!》
 《もぐ~》
 《はぁぁ……死ぬかと思ったっすよ》
 《確かに、今回はヤバかったわね》
 《………ニャ》


 7匹の元気な声に、俺の頬は自然と緩んでいた


 「みんな……!!」


 そして、俺は深々と頭を下げる


 「ごめんなさい!! そして……ありがとう!!」


 俺の言葉に7匹は満足したのか、みんなが笑顔だった


 《気にすんな、よーし終わり!!》
 《うん!! みんなでゴハンだね!!》
 《もぐもぐ!!》
 《いいっすね、おいらは樹液を頼むっす!!》
 《あたしも甘いケーキが食べたいわぁ》
 《よーし宴じゃぁッ!!》


 久し振りの大騒ぎ……俺は嬉しかった


 「よーし、今日はごちそうだ!! 水萌はいっぱいケーキを作ってくれ!! 虫菜は水萌のアシスト、氷寒と括利は俺を手伝ってくれ!!」


 俺の言葉に4人は立ち上がる


 「……わかった。いくわよ括利」
 「おっけ~」
 「よーしっ、腕が鳴るわ!!」
 「がんばる」


 そして、コソコソ逃げようとしてたマフィを捕まえる


 「お、オイ離せ!! 私はダンジョンの観察が……!!」
 「今日はキャンセル、罰として俺の手伝いな」


 今日は楽しいパーティーになりそうだ!!




 《…………》




 なぜか、クロの元気がなかった




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 長い宴会が終わり部屋に戻る
 今日は1人で寝る……淋しくはない。うそじゃない


 《……ジュート》
 「いると思ってたぜ、クロ」


 部屋の隅っこにはクロがいた
 宴会の途中でいなくなり、少し探したが見つからなかった
 でも、なんとなく俺の部屋にいる気がした


 《……もう、気付いてるんでショ?》
 「………まぁ、な」


 俺はベッドに横になり、天井を見上げながら呟いた








 「お前は、俺と契約してないんだろ?」








 なんとなく気付いてた事実を述べる


 クロとだけ【融魂エンゲージ】出来ない理由
 〔クローノス城〕でクロだけが元気だった理由


 全ては、俺と契約していない……それで説明できた


 「理由は……【銃神ヴォルフガング】だろ?」
 《………》


 クロが何を考えているか……俺にはわからない


 《ワタシは………》
 「いいよ」


 俺は手招きをしてクロを呼び寄せる
 するとクロは、俺のベッドに来てくれた


 「理由なんていいよ。それより明日から【紫の大陸ノイエパープル】だ。また道案内頼むぜ」
 《ジュート………アナタは》
 「お前が話してくれるのを待つよ。それはきっと……今じゃない」
 《でもワタシは、アナタになにも……》
 「いいんだ」










 「お前はずっと、側にいてくれただろ?」










 辛いときや悲しいとき……誰かが側にいるだけで救われる時がある
 俺の場合はきっと、この素直じゃない黒猫だ


 「俺にとってお前は大事な相棒だ。お前がいないとすぐに迷子になっちまう……だから、これからもよろしく頼むぜ」
 《…………バカ》


 俺はクロを顔の脇に寄せて撫でる




 今日は、よく眠れそうだ




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 「じゃあ、行ってくる」


 俺はみんなに見送られてバンドを起動させる


 「あ~あ、一緒に行きたかったな~」


 括利が頬を膨らませてそっぽ向いてる


 「ダメだ。前回のは非常事態だったから許可したが、お前達は未だに不安定と言うことを忘れるな。もしお前達に何かあったらお前達の始末をジュートにつけさせるつもりか?」


 マフィの言葉に全員が黙りこくる
 おいおい、出発くらい笑顔で見送ってくれよ


 「えっと、また連絡するから!! いってきまーす!!」




 結局、強引に出発してしまいました……ははは




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 「次は【紫の大陸ノイエパープル】か……あと2匹」
 《次は【紫】の【九創世獣ナインス・ビスト】 インヘニュール・ニルーダに会いに行くワヨ。もうすぐ……いえ、行きまショ》


 【黒の大陸】の関所はちょうど目の前


 「よーし、行くか!!」




 俺とクロは走り出す、次の大陸に向けて!!





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