ホントウの勇者

さとう

MID BOSS BATTLE/【銃神ヴォルフガング】VS【獅子神レオンハルト】/最強・無敵



 「撃て」
 「はぁ?」


 レオンハルトはニヤリと笑い、自分の親指で鍛えられた胸板をトントンと突く


 「最初の一発はくれてやる。お前のチカラを見せてみろ‼」
 「·········何様だお前」


 ただでさえムカつく相手なのに、こうも見下された対応を受けると腹が立つ
 なので遠慮なくやらせて貰うことにした


 「後悔すんなよッ‼」


 俺は仁王立ちで笑うレオンハルトに近づいて、『錬鉄の神銃アイゼン・ブラスター』を連射
 狙いは心臓と首と頭、バチンバチンと弾けるような音がして全て命中した


 「お〜痛ってぇ〜。ふ〜ん、こんなもんか」
 「じょ、冗談だろ⁉」


 間違いなく全弾命中した···が、まるでゴムに弾かれたように弾が地面にめり込んでいた


 「さぁて、オレの番だな······‼」
 「ッ⁉」


 レオンハルトは地面を蹴り俺のすぐ側まで移動し、恐ろしく鍛えられた右腕を振りかぶる


 「オラぁっ‼」
 「ぐぅっ⁉」


 余りにも速すぎて防御がやっとだ
 小剣2本を交差して何とか防御したが、力が強すぎて身体が吹っ飛ぶ


 「コイツが俺の一撃だ。さ〜て···行くぜ‼」
 「くっ‼」


 レオンハルトは再び急接近し、今度は両手のラッシュを繰り出す
 威力、スピードともに鉄間さんの非じゃない
 余りにも重すぎて受け流すことも出来ない


 でも、弱点は必ずある······例えば


 「ぐぅぅっ、おりゃあっ‼」
 「フンっ‼」


 苦し紛れに出した蹴りをレオンハルトの腹にめり込ませる···が、効いてない。俺はそのスキに距離を取り態勢を立て直す


 「行くぜっ‼」


 今度は俺が急接近
 近づきながら銃を連射し距離を詰める
 しかし、レオンハルトは一切防御せずに同じように近づいて来る
 弾がめり込もうとまるで気にしてない


 こういうタイプは以前戦った······吸血鬼ギャルマガの時と同じだ


 俺は距離があと数メートルの所でジャンプする
 レオンハルトは拳を振りかぶっていたのでその拳が空を切るタイミングでジャンプした


 「あぁん⁉」
 「バーカ‼」


 俺はタイミングがズレてバランスを崩したレオンハルトの背後に周り、レオンハルトの肩に飛び乗って舌顎を思い切りこじ開けた


 「ホグがっ⁉」
 「死ねよ」


 口の中に『錬鉄の神銃アイゼン・ブラスター』をねじ込み連射する


 「ごっおっおっおっおオォォっ⁉」
 「オラオラオラぁぁぁっ‼」


 殺意を込めて連射を続け、数十発撃った所で離れる


 「とうだこのクソデブ‼」




 レオンハルトはそのまま倒れた




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 「ハァ、ハァ······よし」


 倒れたレオンハルトを一瞥して、今度はクラスメイトに向き直る


 「悪いな、道を開けて貰う」


 すると······全員がニヤニヤしたまま動こうとしない
 レオンハルトがやられたのに誰も何とも思わないのかよ?


 「1つ、教えてあげるわ」


 羽蔵さんが、微笑を讃えて俺に語る






 「【王ノ四牙フォーゲイザー】を甘く見るな···よ」






 その時、俺の身体が衝撃と共に空を舞った




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 「ったく、薄味だぜ。もっと魔力を練らないとな」


 数十メートル先まで壁をぶち抜きながら俺は吹き飛ばされる
 レオンハルトは、ボリボリと何かを咀嚼しながら俺の元に向かってくる
 それは、俺が打ち込んだ弾丸だった


 「考えは悪くなかったぜ。身体の硬い並みのヤツならこれで終わり···以前に戦ったコトがあんだろ? でもよ、オレ様は外だけじゃなくて中身もスペシャルなのさ」
 「ぐ···くそ」


 完全に油断した所で強力な一撃
 受け身もロクに取れず壁に激突、かなりのダメージだ


 「ふん···もったいねぇな」


 レオンハルトは俺の首を掴み持ち上げる


 「ホントにもったいねぇよ。オレ様が鍛えれば間違いなく最強に届く器だ。シグムントやオレ様ですら手を焼く存在になりかねねぇ······今のガキ共もおもしれぇけど、お前には遠く及ばねぇ、クソ···これも女神・・のためだ、悪く思うなよ?」


 レオンハルトは今度は反対側に、クラスメイトたちを横切る形で俺をぶん投げ···再び壁を突き破って吹き飛んだ


 「······女神?」


 【魔神】じゃなくて······【女神】




 何故かそんなことが気になった




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 銃斗が吹き飛ばされた時、クラスメイトたちは歓声を上げた


 「やっぱレオンハルト様は最強だぜ‼」
 「ああ。オレもあんな風に···」


 錐堂と只野は尊敬の眼差しで


 「これが神の力···しかもレオンハルト様は神器を使っていない。それでこの強さなんて」
 「う〜んカッコいいねぇ〜っ‼」


 羽蔵と弓島も興奮していた


 「恐ろしく強いねぇ···最初からオレたちいらないんじゃ?」
 「さぁな、理由があるんだろ」
 「······無月、クソが‼」


 刺兼と粗某は考え込み、火等は怒りを顕にする。そしてここでレオンハルトが現れた


 「ハッハぁーっ‼ オレ様が最強だーっ‼」


 レオンハルトは雄叫びを上げて少年少女たちにアピールする、それに合わせて歓声が広がった










 次の瞬間、レオンハルトを何かが包んだ










 「な、にぃッ⁉」


 それはちょうど反対側···銃斗が吹き飛ばされ方向から得体のしれない、まるで腕のような物だった


 そして、そこから溢れる殺気に全員が震え上がる


 「ごぉおぉぉぉぉ⁉」


 メギメギメギと音を立ててレオンハルトを締め付ける
 そしてそのまま壁に叩きつけて腕が戻っていく


 「なーに終わった気になってんだ?」


 ゆっくりと歩きながら現れるのは無月銃斗、その姿は変化を遂げていた


 「ぐ、うぁ···〔第二神化形態〕か‼」
 「そういうこと、じゃあ第二ラウンドといこうか」




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 レオンハルトは立ち上がり、俺を見据える


 「へへへ……楽しめそうだぜ」
 「そうかい、俺は楽しくないけどな」


 そう答えて俺は『冥錬鉄の無神銃エクセレーナ・アイゼン・ブラスター』を構えて連射する


 「へっ‼ ンなモン効く···がァァァァァっ⁉」


 連射された弾はレオンハルトの皮膚にめり込むが貫通はしなかった
 けど血は出てるからダメージはある


 俺はそのまま『魂喰いの左腕ソウルイーター・アルマイト』でレオンハルトを捕獲し、クラスメイトの正面の床に叩きつけた


 「誰が最強だって······?」
 「ぐ、おお···‼」


 俺はレオンハルトの胸板を踏みつけて、『冥錬鉄の無神銃エクセレーナ・アイゼン・ブラスター』を乱射した


 「ぐがァァァぁぁぁっ⁉」


 全身にまんべんなく弾をブチ込む······もうナメた口を聞けないように


 「や、やめなさいッ‼」


 羽蔵さんが叫ぶ······が、俺は殺意を込めて睨みつける


 「ひ、ヒィッ‼」


 それだけで黙り込む······もういい、トドメだ


 「終わらせてやるよ、レオンハルト」
 「······チッ」


 俺は『魂喰いの左腕ソウルイーター・アルマイト』でレオンハルトを持ち上げて発動させる
 神を殺す絶対の力を解放する






 「『魂喰ソウルイーター』‼」






 そして、こんな声が聞こえてきた










 「甘く見すぎましたね、レオンハルト」










 そして、俺の左腕が肘の辺りで切断された




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 左腕は痛みもなく、すぐに元に戻った


 「···········」


 その声の主は、端正な顔立ちの剣士だった


 「お久しぶりです【銃神】···いや、無月銃斗くん」


 全ての言動が、俺の神経を逆撫でする


 「起きなさいレオンハルト、全く···少しは真面目にやりなさい」
 「うるせーな、よっと」


 レオンハルトは何事もなかったように立ち上がる
 そして全身に力を込めると、めり込んだ弾丸がポロポロと落ちすぐに傷が塞がった


 「いやー楽しかったぜ。ここまでアツくなったのは久しぶりだ。やっぱお前は惜しいぜ」
 「レオンハルト、ローレライが呼んでます。ここは任せて行きなさい」
 「わーったよ。おい【銃神】···いや、ジュート‼」


 レオンハルトは楽しそうに笑って言う


 「もっと強くなれよ、次はオレ様の神器を見せてやる‼」


 そう言ってレオンハルトは笑いながら去って行った
 しかし、俺の視線は目の前の剣士に向いている


 「さて、ここは仲間・・に任せるとしましょうか」


 【空神シグムント】は優しく微笑む


 「さぁみなさん、あとはお任せします」
 「シグムント······ッ‼」
 「おお、怖い怖い···くくく、さようなら無月くん」




 腐ったような笑みを浮かべて、シグムントは去って行った




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 怒りが収まらないまま取り残された俺は、ゆっくりと振り返る


 「みんな、戦闘態勢‼」
 「やるっきゃないね···‼」


 クラスメイトたちが神器を発動させ、俺に向かって武器を向けていた


 「頼む······もうやめよう」


 みんなを傷つけたくない。俺の本心だ


 「何を今更···みんな、気を付けて‼」
 「わかってる‼」
 「オレたちが負けるワケねーさ‼」


 どうして届かないんだろう······こんなにも、想ってるのに


 「みんな、俺は···もう一度、みんなと···」


 何故か涙が溢れてくる
 想いが溢れてこぼれ落ちる
 まるで雪のように···儚く、切なく


 「無月···アタシが始末してやるよ‼」
 「おい燃絵、あんまし前に出るな‼」
 「ったく、しょうがねぇな」


 どうして、どうして……俺はみんなと笑いたい
 もう一度ともに並びたい、だからみんなを助けたいのに


 「よっしゃ行くぜ、毛の借りを返すぜ‼」
 「フン、オレは叩き潰す‼」


 これも全部レオンハルトやシグムント、【魔神】のせいなんだな


 「よし、攻撃開始‼」


 羽蔵さんの合図で魔術や武器攻撃が俺に殺到する
 俺は避ける気にもなれずに立ち尽くした 


 そして、様々な攻撃が俺を襲う




 ことはなかった




 「······え?」




 俺の周りに何故か氷の壁が立ち
 魔術が水の塊に吸収され
 飛来する矢や剣などは糸に阻まれ
 小さな昆虫が周囲を威嚇する






 そして、俺を守るように4人の少女が側に立つ




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 「な、なんでここに?」


 高名氷寒たかなひょうか
 鳴戸括利めいとくくり
 清水しみず水萌みなも
 山野やまの虫菜ちゅうな


 全員が神器を発動させて、クラスメイトの前に立ちはだかる


 「······助けに来たに決まってるでしょ?」
 「ジュートのピンチはあたしたちのピンチだし〜」
 「ちゃんとマフィちゃんの許可はもらってるよ?」
 「早く帰ろ?」


 沈黙、または絶句······クラスメイトたちも揺らいでる


 よく見ると4人の格好はいつもと違う
 全員が俺と似たような黒いジャケットにミニスカート
 スパッツを履いてロングブーツを装備してる


 俺の視線に気づいた水萌が微笑む


 「どうせならお揃いのほうがカッコいいかな〜って、マフィちゃんが」


 アイツの趣味か······わかってんじゃん


 すると、クラスメイトたちが騒ぎ始めた


 「アナタたち、生きてたの⁉」
 「よかった、早くこっちへ‼」


 みんなが喜び、笑い泣いてる人もいるが、当然応じるワケがない


 「······ごめんなさい」
 「あたしたちみ〜んなジュートを助けにきたの〜」
 「ご、ゴメンね?」
 「そーゆうこと」


 すると、火等さんが前に出てきた


 「括利ぃぃっ‼」
 「燃絵······」


 括利は柔らかく微笑んで俺の後ろに下がった


 「なんで、括利······」


 火等さんはその場に崩れ落ちた
 すると、頭の中で声が響く


 《ジュート、準備出来たワ、マレフィキウムのトコへ送るワ‼》


 わかった。でも······これだけはやらせてくれ


 《······なるほどネ、わかったワ》


 俺の考えをクロに伝え、俺は前に出た


 「みんな、聞いてくれ‼」


 ここにいる全員に俺は宣言する


 「どう思われようと、どんなに嫌われても俺は絶対にみんなを取り戻す。【王ノ四牙フォーゲイザー】と【魔神】を倒して、みんなを取り返す‼」


 もう揺らがない
 もう惑わされない
 もう……諦めない


 「俺はもう迷わない。コイツは俺の宣戦布告だ‼」


 俺は腰から濡羽色の歪なマガジンを取り出して『冥錬鉄の無神銃エクセレーナ・アイゼン・ブラスター』にセット、引き金を引いた






 「『第三狂神化サードエボル銃神煌狂宴ヴォルフガング・ヴァルプルギス』‼」






 そして、姿が変貌する


 拳銃と右腕が一体化し、左腕も2メートル以上の大きさに、全身が鎧に包まれて顔の4分の3だけが露出する


 【凶悪マガツ第三狂神化形態だいさんきょうしんかけいたい


 俺の最強形態へ変身した


 「シグムントは······こっちか」


 ここにいる全員が俺の姿に驚愕しているが、1分しかない
 俺は右腕を···『錬鉄の神銃アイゼン・ブラスター凶狂宴マガツアルム』をシグムントが消えた方向に構える


 「滅びやがれシグムント···‼」


 頭の中で〔決戦技弾フィニッシュアーツ・ストレージ〕を装填し、全力で放った




 「【銃神絶狂砲撃ヴォルフガング・デモン・ブラスター】‼」




 最強の一撃を放つと同時に、俺たちの姿はクロの門とともに消えていった






 次は絶対に滅ぼしてやる······‼





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