ホントウの勇者

さとう

BOSS BATTLE②/【銃神ヴォルフガング】VS【吸血鬼ギィーレレロ】/真実の場所・骸骨神化



 お、おいナハト。助けてくれんのか!?


 《おいおい…ヴォルフガングの後継者が情けない姿を見せんでくれ。お前さんは【神器ジンギ】を過信しすぎじゃのぉ、これから先が思いやられるわい》


 くっそ、確かにその通り
 正直俺は〔神化形態〕ならどんな奴だって倒せる自信があった
 でも……このザマだ。打つ手がなくて詰みかけてる


 《兄ちゃん、分かってんならいい。ワシらとしても兄ちゃんに死なれちゃ困る、だから……もっとしっかりしてくれぃ。ワシらのために……兄ちゃんのために・・・・・・・・・


 ナハト……?


 《ワシらと兄ちゃんは一蓮托生。死ぬまで一緒じゃ、だから……情けない姿は見とぉない。ヴォルフガングみたいにカッコよくキメとくれぃ》


 俺が?……【銃神ヴォルフガング】みたいにって、出来るかな?


 《さぁのぉ…これからの兄ちゃん次第じゃのぉ》


 フン、だったらやってやるよ
 だから……ナハトオルクス・セバスチャン




 「俺にチカラを貸してくれっ!!」
 《応ッ!! いくぞジュートッ・・・・・




 そして、黒い輝きが周囲を包み込む




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 黒い輝きは俺の周辺にいた吸血鬼と、ギィーレレロをはじき飛ばした




 「【九創世獣ナインス・ビスト魂融ソウルエンゲージ】!!」




 俺は新たに現れた漆黒のマガジンを『錬鉄の神銃アイゼン・ブラスター』に装填し放つ
 すると漆黒の輝きが俺を包み姿を変える
 夜より黒く闇より黒く、仮面の形とコートの装飾が変わる




 「【骸骨神化ソウルオブナハトオルクス】!!」




 さぁ、反撃の時間だぜ




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 「フン……ダカラナニ?」


 輝きが消え去り吸血鬼とギィーレレロの猛攻が始まる……が


 「ふんっ!!」


 コートを翻して闇の波動を放ち一時的に距離を保つ
 そして俺はサブウェポンを呼び出した




 「いくぞ、『黒玄散弾銃アスワド・シェル・ショット』!!」




 呼び出したのは─────散弾銃ショットガン


 『錬鉄の神銃アイゼン・ブラスター』を合体させたその姿は、漆黒の装飾が施された大型のポンプアクションショットガン


 弾丸は魔力で自動生成されるので問題無い
 俺はフォアハンドを引いて吸血鬼に照準を合わせた


 「喰らえッ!!」


 ズドンッ!! と、大きな音がして漆黒の散弾がはき出される……が


 「アーッハッハハハ、擦リモシナイジャナイ!! マヌケッ!!」


 そう、散弾は1発も当たらずに回避された
 が、これでいいんだよ


 「バーカ、どんどんいくぜ!!」


 俺はひたすら撃ちまくる……しかし、1発も当たらない
 その間も激しい猛攻が続き、俺はいつの間にか壁に追いやられていた


 「ククククク……ココマデネ」
 「ああ、そうだな……」
 「アーラ、スイブン素直ネェ……?」
 「そうだな、終わりだよ……」




 「お前等がな、いくぜ『髑髏死体ボーンガダベル』!!」




 その言葉に反応するかのように起き上がる


 「ナ、ナンダト!?」


 それは漆黒の散弾
 俺が無数に乱射した散弾の数は……800


 その1発1発が変化し、漆黒のガイコツが生まれ動き出す


 ガイコツは身長170センチほどの大きさ、手には片手用のショットガン、腰には黒い剣を装備、背中には盾を背負っていた


 「『防御陣形ディフェンス』!!」


 そのかけ声で数十体のガイコツが盾を構え、人間達の周りに集まる


 「『円陣サークル』!!」


 その光景に動くことが出来なかった吸血鬼たちを円形に完全包囲
 そして俺は〔決戦技弾フィニッシュアーツ・ストレージ〕を装填
 ギィーレレロに向かって『黒玄散弾銃アスワド・シェル・ショット』を構える




 「安心しな、殺しはしない……って言うか死なないだろ?」
 「オ、オノレェェェェェッ!!」




 動きは捕らえられないが俺への攻撃は全てガイコツの盾が防いでくれる
 俺は笑って引き金を引いた






 「【髑髏砲撃スカルシェイド・ブラスター】!!」






 数千の散弾が吸血鬼たちをコナゴナにし、ギィーレレロの身体を破壊した




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 吸血鬼たちは全滅
 ギィーレレロは頭部だけとなって戦いは終わった


 「えっと、大丈夫?」


 俺は神器を解除し壁で震えてる男女に話しかけた……が、臭ぇ…まさか


 「ひ、ひぃぃ……こ、殺さないで」
 「な、なんなんだよ、バケモノじゃねぇか!!」
 「イヤ、いやぁ……」


 半分以上が盛大に漏らしてた……おいおい、勘弁してくれよ
 男女問わず足下がビショビショになってる。さすがにコレは……もういいや


 「悪い、事情は中で聞いてくれ。あとでメシにするからさ!!」


 そう言って〔セーフルーム〕の入口を大きく開き全員を収納した
 スマン。まぁ中で金髪の女の子がうまくやってくれるだろう……それより


 「さぁて、いろいろ聞きたいな」


 俺は近くの台の上に生首を置く
 〔魔性化〕は解けて普通の顔になっていた


 「あははっ、負けちゃった~っ……キミ、強いねぇ~」
 「そりゃどーも。アンタもかなり強かったぜ、死ぬかと思った」
 「そ~お? ねぇ、ホントにギュステビオンを倒したのはキミじゃないの?」
 「ああ、名前は知ってるけど違う。俺が倒したのはギャルマガだ」
 「そっか~……うん。分かった、アタシを倒したご褒美に教えてあげるね」








 「ヴリコラカス様は王都にいるよ」








 「…………マジで?」




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 「じょ、冗談だろ!? 王都は人間の本拠地みたいなモンだぞ、そんな所に吸血鬼のボスがいるワケねぇだろ!?」
 「だからこそそこにいるんだよ。普通に考えたら吸血鬼のボスが王都にいるなんて誰も思わないでしょ~?」
 「……………じゃあ、オニキスたちの動きは」
 「バ~レバレ、ヴリコラカス様は名前と姿を偽ってる。それにギョロメガラも付いてるからね」
 「誰だ……誰に化けてるんだ!!」
 「それは~……ありゃりゃ、時間みたい」


 するとギィーレレロの頭がさらさらと泡になっていく…ギャルマガの時と同じだ


 「ギィーレレロ!!」
 「ふふふっ、楽しかったよ。あのね、最後に名前を教えて?」
 「………ジュートだ」
 「そっか、ジュート……もっと早く会いたかったなぁ。こんな形じゃなくて、もっと楽しく遊べたかも」
 「バカ言うな……いや、そうかもな」
 「ジュートに倒されたらスッキリしたの。きっと〔魔性化〕がアタシを狂わせてた、ジュートがアタシを解放してくれた……ありがと」
 「ギィーレレロ………お前、ホントは……その」
 「気にしないで、今はと~っても気分がいいの。やっぱり吸血鬼は生気なんて吸うべきじゃない、自然のままが一番いい……気付くの、遅かったな」
 「……………ちくしょう」
 「あ~もう泣かないでよ!!………ありがとね」






 「ヴリコラカス様は〔王都ブラックトレマ〕の王、〔アートルム・エレ・ブラックトレマ〕だよ。気を付けてね」








 「ばいばいジュート。生まれ変わったらまた遊ぼっ!!」




 ギィーレレロは、最後まで笑顔のまま消滅した




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 「ギィーレレロ……ありがとな」


 ギィーレレロのくれた情報はムダにしない


 「クロ、聞いたな」
 《エエ、次は王都へ行くのネ?》


 クロが現れて俺の肩に飛び乗り、俺の頬に頭をこすりつけた


 「行こう、オニキスたちが危ない。ギィーレレロが倒されたことを知ったヴリコラカスが何をするか分からない」
 《そうネ。ここからだと一度グラボロを経由して行くほうが早いワ》
 「おう、そこで補給してから向かおう」




 今までにない決意を漲らせ、俺は洞窟を抜けて山を下りた





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