ホントウの勇者

さとう

犯罪都市ペナルクライム③/くノ一・仲良き姉妹



 「俺ってやつは……」
 「……ううん」


 俺は裸で自問自答していた
 どうしてこうこらえ性がないんだよ…隣で眠るルーミアの頭を撫でながら考える
 この世界に来てから女の子を抱く機会が増えた。いや、初めてだったけど


 俺の経験人数……氷寒、括利、アウラ、水萌、虫菜、夜刀、オニキス、ルーミア……8人か


 とんでもねえな。うん、けしからん
 そう思っていると隣で眠るルーミアが目を覚ました


 「おはようジュート」
 「お、おはよう」


 ルーミアは起き上がり手早く着替えを済ませると朝食の準備を始める
 そしてアッという間に朝食を作り終える。俺はまだ裸のままだった


 「朝食の準備ができましたのでお召し上がりください。それと今日の予定をお聞かせ願えますか?」


 ルーミアは椅子に腰かけてる
 もすばやく着替えて席に着きまずは朝食を平らげた。もちろんルーミアも一緒に


 「今日の予定は……特にないな」


 もともとこの町は1泊してすぐに出るつもりだった
 買い物も終わったし特に用事はない


 「そうですか。なら町はずれの人間倉庫へ行きませんか? ギャルマガの来る場所を見ておかれるのがよいと」
 「それもそうだな、あと普通に喋ってくれ。別に気を使わなくていい」
 「わかった。そーする」


 コクリと頷く
 こいつのテンポ掴みづらい


 「じゃあ一服したら行くか」
 「うん。お茶入れるね」




 ルーミアが入れる熱いお茶を飲んで……行きますか




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 お茶をのんで町に出る
 町の中ではなく、裏道を隠れるように進んでいた
 そしてルーミアは壁を伝って一気に屋根の上に
 俺も〔マルチウェポン〕を使って一気に登る


 「………それ、いいなぁ」
 「これか?」


 ルーミアの視線はマルチウェポンび注がれてる


 「これはナイフになったり、短弓になったりするんだ…ほら」
 「おおー!? かっこいい」
 「だろ!?」


 ルーミアが目を輝かせて俺を見る
 いいなこの感じ、アウラには不評だったからな


 「オニキス様に進言して隊の標準装備にしてもらう」
 「おう、頼んだぜ」


 いいね、この秘密武器を全員で装備したらかっこいいだろうな


 「じゃあ行こ」
 「おう」




 俺とルーミアは屋根の上を駆け出した




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 屋根を走ること数十分
 流石に身体のこなしが軽やかだ、着地の時に音が殆どしないし、気配の消し方も超一流
 さすが忍者…いや、くノ一か


 「着いた…ここ」
 「ここか……」


 人間倉庫
 くそったれな名前だ


 ここは吸血鬼がさらった人間を一時的に置いておく場所
 ここで高位の吸血鬼が鑑定をし、いい生気の人間を〔ヴリコラカス〕やその眷属に献上される


 そして、今日ここにかなりの人間が捕らえられている
 なぜこの町の人間が黙っているかというと吸血鬼にカネを貰っているから
 あとは逆らえば自分が「商品」になるからだ


 誰だって命は惜しい
 だから黙っているし、そうでない者もいる
 でも……こんなコトをされて黙っているのは卑怯な気がする


 「ジュート、一番奥のあの倉庫……ギャルマガはあそこで選別する。自分のエサと〔ヴリコラカス〕に献上するエサを」
 「ああ……じゃあ、あそこにいるのは……」
 「うん、全員吸血鬼だよ」


 倉庫はかなり広い
 一つ一つが小さな木造の体育館みたいで、大きな木のドアを開けると広い空間になってるようだ
 そんな建物が規則的に並んで、そして一番奥にひときわ大きな建物があった


 「あれがギャルマガの倉庫か」
 「この倉庫は一つ一つが町のギャングの所有物。中で禁止薬品や危険なモンスターの取引や保管、違法魔道具なんかが集められている」
 「違法魔道具?」


 初めて聞いた。そんな魔道具があるのか?


 「違法魔道具は……人間の体内に埋め込まれる魔道具。埋め込まれた人間は魔力や筋力が普段の数倍、数十倍に上がる強化人間になるの。でも……その反動ですぐに死んじゃう、だから8大陸はこの魔道具の使用を禁止したの」


 なるほどな。そんな危険な魔道具があったなんてな


 「魔道具が生まれた【紫の大陸】の技術だって、ホントは動かなくなった足や失った手を作り出してくっつける技術だったらしいよ」


 次は魔導車の大陸か……楽しみだな


 「場所は分かったよね。じゃあ帰ろっか」
 「おう、じゃあ帰ってゆっくりするか」
 「え……うん」


 ルーミアは何故かどもった
 俺、変なこと言ったかな?




 とりあえず帰って昼飯にしますかね




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 再び屋根を渡って帰り、アウトブラッキーの所まで帰る
 すると、アミールが魔導車前で待っていた


 「ジュート殿、お疲れさまです」
 「アミールか、どうした?」
 「お姉ちゃん?」


 まぁとりあえず車の中へ、立ち話もなんだし昼飯でも食べながら


 「それで、要件は?」


 アウトブラッキーの構造に驚き、落ち着きを取り戻したアミールに問いかける


 「いえ、妹が失礼をしていないかと」
 「ああ、よくやってるよ。料理もうまいし」
 「ふふん」


 胸を張るルーミア
 なんかほほえましくてカワイイ


 「それに夜の相手だってちゃんと出来たし。お姉ちゃんに勝った」
 「な、何だとっ!?」


 同じ顔でこんなにも表情が変わるのか
 髪飾りの色でしか見分けが付かないぞ


 「じゅ、ジュート殿。それは誠でございますか!?」
 「あー…うん、まぁ……」


 恥ずかしいな
 ルーミアは初めてだけどスゴく喜んでたなんて言えるワケがない


 「ぬぬぬ……そうですか」
 「うんうん。お姉ちゃんもいい相手を見つけて頑張ってね」
 「おいおい、煽るなよ」


 ルーミアは上から目線で煽ってる
 なんとなくイヤな予感がした


 「ルーミア、お前は今日アジトの清掃当番だったな。ここは私に任せて行ってこい。コレは命令だ」
 「なぁぁっ!? ずるいずるいっ!! そんなの聞いてないっ!!」
 「当番は事実だ。ルールは守れよ、さぁいけ」
 「ぐぬぬぅ…お姉ちゃん……!!」
 「どうした? 部隊長命令に逆らうのか?…ならば降格だ」
 「~~~っ!! 行ってきまーすっ!!」


 そう言ってルーミアは出て行った
 アミール…職権乱用だぞ


 「そういうことでジュート殿。護衛は私が引き継ぎます」
 「……………あっそう」




 もういいや、なんかめんどくさい




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 「それでは食事に致しましょう。食材とキッチンをお借りします」


 物腰がすごく丁寧でルーミアとはなんか違う
 同じ顔なのにちがうんだなぁ……すると、美味しそうな匂いが漂ってきた
 これってもしかして……


 「出来ました。さぁジュート殿お召し上がり下さい」
 「…………お前も一緒に食えよ」
 「え? でも」
 「いいから」


 と言うかこんなに食えねーよ
 骨付き肉、肉の炒め物、肉のスープ、肉の煮込み……肉ばっかじゃねぇか!?
 ルーミアは野菜ばっかだったしどうなってんだこの姉妹は!?


 というわけで2人で完食
 今度は一緒に料理させよう……きっと丁度良くなるはずだ


 そんなわけでしばらく休憩……一緒にお茶を飲みながら話を聞く


 「私は昔、オニキス様に決闘を挑んだことがあります。結果は惨敗…私の攻撃はかすりもしませんでした。その時から私はオニキス様に着いていこうと決めたんです」


 そんな話をしながら休んでいると、いい時間になってきた
 これは来るな。俺も覚悟は決まってるしイヤじゃない


 「それではジュート殿。夜のお勤めを」
 「そうだな、頼むわ……その前に風呂入ろうぜ」
 「風呂、ですか……いいですな」


 意外と乗り気、てっきり恥ずかしがりと思ったけどな
 さっそく風呂場に移動して裸になる……アミールもためらわずに裸になった


 「ほう……」
 「ほう……」


 全く同じタイミングで声が出る
 アミールは鍛えられた細身の身体、胸は控えめだが美しいラインがすごくそそる……こりゃたまらん


 「ジュート殿。かなり鍛えられた美しい筋肉ですな…実にすばらしい」


 アミールもそんなことを言う
 まじまじ見られると恥ずかしいな


 「よし行くか」
 「はい、お背中を流します」


 広々とした風呂場でさっそく背中を流して貰う……じつに気持ちいい
 洗い終わると今度は俺の番……たっぷり身体を洗いここで理性崩壊、じっくりと楽しんで湯船に


 「ジュート殿、じつに素晴らしかったです」 
 「ああ、ありがとう」


 そして風呂から上がりベッドに
 最近、見境がなくなってるなぁ。抱ければ誰でもいいのか俺は




 そんなことを考えながら楽しんだ




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 3日目…この日の夜は襲撃作戦
 俺はアジトで最後の打ち合わせをしてる


 「見張りの吸血鬼は約20人。コレを無力化して倉庫に突入、煙幕をはり敵を一掃。最後にギャルマガを捕らえる電撃作戦です」


 アミールの言葉で仲間は全員うなずく


 「ジュート殿にはギャルマガの無力化をお願いいたします。ヤツも吸血鬼、【白】魔術には弱いはず……誤って殺さぬようにだけ注意を」


 「わかった、手加減するよ」




 全ての話し合いが終わり、任務が始まる……さぁて、吸血鬼捕獲と行きますか





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