ホントウの勇者

さとう

BOSS BATTLE③/【銃神ヴォルフガング】VS【龍神】・【水神】・【鋼神】・【蟲神】・【爆神】/水槽の虫・決意の爆発



 「へっ!! 姿がいくら変わっても無駄さ」
 「そいつはどーかな?」


 俺はサブウエポンを呼び出す。コイツならやれる…相性的にベストな選択だ!!




 「『暴風機関銃ヴァンフーン・アヴェンジャー』!!」




 現れたのは……機関銃ガトリングガン。細い銃身が6本束ねられ1組の銃身となり、それが全部で4組…計24本の銃身が組み合わさった巨大な機関銃
 メインカラーは緑で、やっぱりごつごつした装飾が加えられている…しかし、重さは全く感じない。どうなってんだろう? まぁとりあえず『錬鉄の神銃アイゼン・ブラスター』をセットして構える…両手持ちだが問題無い


 「おもしれぇ…撃ってこいやぁ!!」
 「食らいやがれぇぇぇぇぇぇぇっ!!」


 引き金を引いたとたんに恐るべき勢いで銃身が回転、風の弾丸が発射され鉄間さんを襲う。金属がぶつかりこすれ合う音が周囲に響く。鉄間さんは両腕をクロスしてガードしていた


 「………っぐ…っが…クッソ、がぁぁぁぁぁっ!!」


 身体中に弾丸を受ける…すると、少しずつ金属がはがれていくのが分かる。やっぱり、いくら固くても無敵じゃない!!


 「連夏れんげッ!! 無月ィィッ!! てめえぇぇぇぇッ!!」


 上空から聞こえる火等さんの声。すると…やっぱり俺に向かってミサイルと爆弾をばらまいてきた


 「そう来ると思ってたぜっ、落ちろぉぉぉぉッ!!!」
 「なんだとぉぉぉッ!?」


 俺は暴風機関銃ヴァンフーン・アヴェンジャーの銃身を上空に向る……すると毎秒100発の風弾が全てのミサイルをたたき落とす……俺はすぐにフォームチェンジ。『狙撃水漣銃ナルキッス・カラヴィーナ』を上空に向け狙いを定めた


 「………悪いね、火等さん」


 爆炎で周囲は煙で満たされて俺の姿は隠されてる……今なら清水さんも防御のタイミングが掴めないはず……だが、俺の「眼」なら爆炎の先まで見える!!


 狙いは……赤いロボットの左腕、両足、そして……人間でいう頭部。俺は狙いを定めて水のレーザーを4発連続発射……全てのレーザーが的確に部位を貫き動かなくなった


 「火等さん!!」
 「ヤバっ!!」


 清水さんと山野さんの叫びが聞こえる、そして龍の背中で小規模の爆発…どうやら赤いロボットが爆発して龍から落ちたみたいだ。これでまず一人


 「ぐううっ…無月、てめぇ……」


 風弾を食らって突っ伏していた鉄間さんが身体を起こす…が、すぐには戦闘再開できないみたいだ。先ほどの攻防で俺にはわかった


 「鉄間さんの神器はオートで防御、自分の意思で変形させられるんでしょ?」
 「……だったらなんだ? そんなことが分かったくらいでアタシに勝てるって?」
 「うん。今の攻防でだいたい分かった、その神器を制御してるのは……そこだ!!」


 俺が狙ったのは耳に付けられた大きなイヤリング。イヤリングが砕け散ると鉄間さんの身体を覆っていた金属がドロリと溶けて地面に零れる……そしてブスブスと音を立て消滅した


 「あ、あああ……アタシの、神器が……」
 「ゴメンね」




 これで二人目……鉄間さんは気を失いこそしなかったが、涙をこぼして後ろに下がった




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 あとは上空の3人……ん?




 「【大洪水だいこうずい】!!」




 いつの間にか地面に降りていた清水さんが俺に錫杖を向けていた。すると…俺を中心に水があふれ出しドームのように膨らみ……その中の水が高速回転を始めた!!


 「うがっぼぼ…ばじでがよ!?」


 マジでかよ!! いくら〔神化形態〕でも呼吸が出来ないとヤバい!! しかもルーチェの【青】の加護の力も効いてないみたいだし……しかも水のドームは25メートルプールくらいの大きさ、脱出がかなり厳しい……すると


 「………にやり」


 山野さんがにやりと笑った…というか自分で言わなかったか?
 山野さんの手には…なんだ? コントローラー…プロポが握られてる。しかもデカいゴーグルなんかもつけてるし…すると、水の流れが落ち着いてきた。今度は何だよ、イヤな予感しかしない!!




 「ゲンゴロウ、カマキリ……ミックス。【創造昆虫クリエイト・モンスト】…行って」




 水中でもがく俺の前に小さな紋章がいくつも輝く……すると


 「っ!? がぼごごぼっ!?」


 得体の知れない生物……身体は銀色で大きさは10センチくらい、丸っこい…コガネ、いや…ゲンゴロウだ!? しかも手にはカマキリの鎌みたいになってるし!!


 その変な昆虫が猛スピードで突進して切りつけてきた!! 大きさはたいしたことないが鎌が鋭い。少しずつ俺の身体に傷が増えていく


 「ごぼっ…ぐぞがっ!!」


 俺は『錬鉄の神銃アイゼン・ブラスター』を撃つ……が、水の抵抗で数メートルも進まずに銀弾は止まる……光弾を撃っても光が分散してそもそも撃てなかった


 「ぐぞっ!!」


 俺は【雄大なる死と絆グロリアス・デッド・リアン】と【永遠の死の輝きエターナル・シャイニング・デッド】を装備し虫を切りつける……が、水の抵抗で斬速は半分以下、当然素早い虫たちに当たることはない……ヤバい、息が……ど、どうする……!? 




 《もぐーーーっ!!!》




 も、モル…? 自分を使えって?………そうか!! わかった!!




 「ぐぼっ…【九創世獣ナインス・ビスト魂融ソウルエンゲージ】……ごぼぼ…」
 「【土竜神化ソウルオブトレパモール】……炸裂地石砲ヴェルディ・グラナーデ!!」




 俺は周囲にひたすら榴弾を連射する……モルの言うとおりなら!!


 「……何を?」
 「………ッ!? ヤバい、水萌みなも離れて!!」


 山野さんは気がついたみたいだな……まぁ、そういうことさ
 次の瞬間、水中を漂う榴弾が大爆発を起こし水のドームが消滅した


 「ぶっっっはぁぁぁぁっ……ああ~~~~っ、死ぬかと思った!!」


 空気がウマすぎる……ああ、気持ちいい……呼吸って素晴らしい


 「う、うそ…私の【水槽すいそう】が……くっ!!」
 「おっと、悪いね清水さん」


 清水さんが錫杖を構えたのを見て俺はすかさず炸裂地石砲ヴェルディ・グラナーデを発砲。清水さんの手前数メートルで爆破しそのまま彼女を吹き飛ばした


 「きゃぁぁぁぁぁっ!?」
 「水萌ッ!!」


 清水さんは爆発で吹っ飛んで……気を失った。やっぱり前線で戦うタイプじゃなくて後方支援タイプだったか……それは山野さんもそうだろうな




 「ッッ!! カブト、クワガタ、カマキリッ、【創造昆虫クリエイト・モンスト】!!」




 そこに現れたのは30センチほどの虫、カマキリの鎌に甲殻の鎧とツノ、ハサミ…いやアゴだな、を付けた異形の昆虫が数十匹浮遊していた


 「行って………え?」
 「…………」


 俺は両手にナイフを装備し……一瞬で全ての虫をたたき落とした


 「……………まだやる?」
 「ヒィッ……!?」


 山野さんは尻餅をつき……ん?…あ、やべ……ジョロジョロとおしっこを漏らしてしまった。そんなに怖がらせたつもりはないんだけどなあ




 二人の神器は後回し……あとは真城だけだな




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 「うう……動け、動けよっ!!」


 火等かとう燃絵もえは一人、戦闘から離れた場所で自らの【神器ジンギ】を殴っていた


 神器の状態はどう見ても大破……四肢は破壊されミサイルポッドは全壊。攻撃手段が全て封じられ、しかも本体からは火花が散りブスブスと黒い煙まで出ていた


 「ちくしょう……あそこに、あそこに無月のヤツがいるんだ。括利を殺した無月が……ひっく…お願い…うごいてよぉ……あああ…」


 子供のように泣きながら神器を叩く……その行為はなんの意味も無い。神器は破壊され、彼女に戦う術はもうない……でも


 鳴戸括利は友達だった


 親友……そんな物じゃない。一緒にあそんだ、一緒に買い物した、一緒に宿題をした……数々の思い出がある。大事な思い出が……




 ──あたしは…ううん、あたし達は負けないよ。じゃ、行ってくるね──




 出発前にそんなことを言った……みんな?……みんなとは誰?


 清水水萌は気を失い倒れてる、山野虫菜は戦意喪失、鉄間連夏は神器を破壊され……【門】を開いて既に逃げた……真城真龍は腕を組んで龍の頭上で自分たちの戦いを眺めていた


 みんなと一緒に戦ってこのザマだ……無月銃斗を殺す事は出来なかった




 「あたしは……何が出来た?…括利……ゴメン」




 心が折れそうになる……戦う力が抜けていく……




 ───諦めないで───


 「………え?」


 ───まだ、あなたは戦える───


 「……だれ?」




 火等かとう燃絵もえは周りを見るが…そこには誰もいない




 ───友のために、仲間のために───


 「あ……これって、まさか……」


 ───決意の咆吼を上げましょう───




 「【爆神】……あなたが、力を……」






 その時、破壊されたはずの神器が輝きだした




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 「あとはお前だけだな……真城」


 俺は真城に『錬鉄の神銃アイゼン・ブラスター』を突きつけて言う…すると


 「いや~…ジュートは強いねぇ~……むっふふ、あたしも本気でいこっかな!!」
 「そーしろ、負けたときの言い訳にはなるんじゃね?」


 真城の手には黄色い長い棒…どうやらアレと龍でワンセットの神器みたいだ


 「さ~て、行くよジュート!!」
 「いいからこいよ。めんどくせぇヤツだな」


 真城は龍から飛び降りて黄色い棒をくるくる回し始めた時だった


 「……ん?」
 「ありゃ?」


 一発の炎弾が飛来……俺と真城の前で小さく爆発した。炎弾の主は当然……


 「ちょっと…もえっち~、ここはあたしに任せてよ。もう十分楽しんだっしょ? それに……もえっちじゃジュートは倒せないよ?」


 真城はつまらなそうに言う…が、その通りだ。火等さんじゃ俺には勝てない


 「うるさい……無月、あたしは……アンタを殺す!!」
 「火等さん…」


 「アンタは……括利を殺した!! あたしの、あたしの友達を!! だから……絶対に許さない!!!」


 火等さんを中心に赤い輝きが爆発した。そして俺はその声を聞いた






 「『第二神化セカンドエボル爆神覚醒ピュロボルス・アウェイクン』!!!」






 周囲に大規模な輝きが満ちて俺は思わず目をつぶる……そして、再び眼を開けたとき見たのは……恐ろしい光景だった






 「『爆破人形の叫び声デモリション・バルチャークライ決意の咆吼ディサイドロア』!!!」






 それは……「部隊」だった


 火等さんが操っていた赤いロボットに火等さん自身が乗り込んだ。それは翼の生えたライドアーマーのように姿が見えている…武装と装甲が追加され、より巨大な赤いロボットを司令官とし、陸に巨大な赤いロボットが恐らく数百……・そして上空には編隊を組んだ赤いロボットがさらに数百…ひとつの爆破部隊がここに現れた




 「わ~お………マジで?」
 「みたいだな………」




 思わず顔を見合わせる俺と真城……この土壇場で〔第二神化形態〕かよ!!




 「行くぞ無月!! アンタは粉々にしてやるからな……覚悟しろ!!!」






 そして「爆破部隊」が俺に向かって進軍を開始した





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