ホントウの勇者

さとう

BOSS BATTLE①/【銃神ヴォルフガング】VS【龍神】・【水神】・【鋼神】・【蟲神】・【爆神】/空襲の恐怖・水の災害



 マジかよ……1対5? 今までで一番多いじゃん


 「今度は誰だよ……」


 俺は正直な気持ち、この大陸ではもう戦いたくなかった


 「クロ、場所は分かるか?」
 《………コレは、まさか……上?》
 「うえ……?」




 次の瞬間、地面が大きく揺れた




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 地面が突然揺れ、そして……まるで爆発したかのような轟音が響いた


 「なな…なんだなんだぁ!?」
 《ジュート、やっぱり……上、上空ヨ!!」


 クロが叫ぶ…俺は魔導車の窓から顔を出して、周囲を確認した
 すると…地面に数メートルほどのクレーターが出来てる……どうやらあれが轟音の正体みたいだ


 俺はそのままクレーターを通り過ぎ、周囲の気配を探りながら魔導車の速度を上げる……すると再び轟音が響き、魔導車の正面10メートルほど先に大穴が開いた


 「なんなんだよ~~~っ!!!」
 《チョッ…危ないワヨ~~ッ!?」


 急ハンドルで穴を躱す…するとクロが座席をコロコロ転がった。悪いけど気にしてる暇がない


 「くそっ!! なんか爆発が激しくなってきた。やべぇぞ!!!」


 魔導車の構造上、上を確認することは出来ない……この爆発の正体は間違いなくクラスの誰かだが、なぜ当ててこないんだ!?


 そして、小規模の爆発が魔導車を直撃……運転席側の天井が吹き飛んだ


 「うおおっ…ん、あれは………なんだありゃ!?」
 《アレは……まさか、【龍神】!?》


 上空を優雅に泳ぐ巨大な黄色の「龍」……アレが【神器ジンギ】…ちくしょう。少しかっこいいと思ってしまった…そんな場合じゃない!!


 よく見ると龍の上に何人かの姿が見える。さらに龍の上には赤いロボットみたいのがある。その隣にいるのは火等かとうさんか。あの赤いロボットが砲撃の犯人だ!!


 「やべぇぞクロ!! しっかり掴まってろ!!!」
 《ニャァァァァァァァッ!!!》


 クロは座席を転がりながら叫ぶ。悪いなクロ
 俺は上空を確認する…すると赤いロボットの腕、肩から大量のミサイルが発射された!!


 「うっ、うおぉぉぉぉぉっ!?!?」
 《もうイヤァァァァァァッ!?》


 俺はひたすら蛇行運転……とにかく当たるワケにはいかない。あんなの喰らえば魔導車なんて木っ端微塵だ!!


 直撃スレスレでなんとか回避するが、爆風や爆発で跳ねた石などが魔導車に確実にダメージを与えていく…ヤバい、魔導車の出力が落ちてスピードも落ちてきた。どうやら魔力が流れるパイプに傷が入ったみたいだ


 「仕方ねぇ、魔導車を捨てる!! クロは避難しろ!!」
 《………ウップ、わ、わかったワ…おえぇ…》


 クロは酔ってしまったみたいです…スミマセン、ってそんな場合じゃない!!




 「はははっ、トドメだ!! 【爆撃発破ダイナマイト・フルバースト】!!!」




 火等かとうさんのかけ声と共に大量のミサイルが飛来……俺の魔導車を飲み込み大爆発を引き起こした………が、当然俺は死んじゃいねぇっ!!!




 「いくぞ!! 【流星黒天ミーティア・フィンスター】!!」




 爆発の瞬間に天井から飛び出し、俺は久しぶりに愛車を呼び出し空中で跨がった。そしてすかさず【神器ジンギ】を発動。それと同時に【流星黒天ミーティア・フィンスター】も変わる




 「飛ばすぜ、【神速流星黒天プリメラ・ミーティア・フィンスター】!!」




 〔神化形態〕に変身、着地。そのまま再び走り出した




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 俺の姿にイラだったのか爆撃はいっそう激しさを増す


 〔神化形態〕の俺の「眼」なら爆弾ミサイルの軌道は読めるし【神速流星黒天プリメラ・ミーティア・フィンスター】の機動性なら問題無く躱せる……が


 「マズいな……射程外だ」


 何発か『錬鉄の神銃アイゼン・ブラスター』の銀弾を撃つが届かない
 俺の『錬鉄の神銃アイゼン・ブラスター』の射程は約80メートル。あの龍はどう見ても100メートル以上高く飛んでいる


 使えるのは…アグニの炎はダメだ。モルのランチャーはさらに射程が短い…ティエルのカルヴァリン砲なら蹴散らせるんじゃないか?


 「ティエル、お前の力で」
 《ダメよ、あたしの力は一度使うと480時間は使えないの…燃費が悪いのよ》


 頭の中でそんな声が聞こえる。480時間…20日か。まだまだ時間がかかるな
 爆撃を躱しながら考える……ルーチェの力なら届くけど…アレは両手で構えるから使えない




 《なら運転はあたしに任せなさい!! ルーチェミーアの力なら届くんでしょ!?》




 すると俺に並走するようにティエルが現れ俺の前に滑り込む。ちょうど俺が抱え込むような姿勢になり、ティエルがグリップを握り魔力を注ぎ込んだ……すると


 「お…おお、行けるぜ、よし!!」
 《ふふん。実はコレ運転してみたかったのよね!!》
 「よっしゃぁ!! 頼んだぜ不良天使!!」
 《ちょっと!! 何よそれ!?」


 ティエルの声を無視して姿勢を変える
 車体が伸びたため、後ろで立ち上がったも問題無い。カウルが開いて視界が360度見渡せるようになった。龍は……いるな、あそこだ


 俺は腰から青のマガジンを取り出し『錬鉄の神銃アイゼン・ブラスター』に装填、スライドを引いて変身した


 「行くぜルーチェ!! 【九創世獣ナインス・ビスト魂融ソウルエンゲージ】!!!」


 俺の姿が青を基調とした黒い黒衣に変化する


 「【人魚神化ソウルオブルーチェミーア】!! よし、これなら!!」


 俺はサブウエポンを取り出して『錬鉄の神銃アイゼン・ブラスター』をセット。上空に構えた


 「『狙撃水漣銃ナルキッス・カラヴィーナ』……ティエル、運転頼んだぜ!!」
 《オッケー、ぶっ放しなさい!!》


 ティエルは天使らしからぬ言動で俺を応援してくれる


 狙撃水漣銃ナルキッス・カラヴィーナのスコープで確認する……人数はやっぱり5人。メンバーは…火等かとうさん、清水しみずさん、鉄間てつまさん、山野やまのさん……ゲ、真城ましろもいる。俺あいつのノリ苦手なんだよな


 砲撃はやっぱりあの赤いロボットからだ…よし、試しに1発撃ってみよう


 「食らえっ!!」


 引き金を引くと、圧縮された水のレーザーが風を切り裂き遙か上空に…そして、赤いロボットの右腕を吹き飛ばした


 「よし……いけるな。このままぶっ壊してやる!!」


 再びスコープを見ると…へへ、火等さんが慌ててる。俺の事を凄い形相で睨んでいる…このままロボットを破壊、ついでに龍も打ち落としてやる!!


 俺は〔決戦技弾フィニッシュアーツ・ストレージ〕を装填……上空に向けて構える
 砲撃は右腕を吹き飛ばしたので規模が小さくなってる。このまま破壊する!!




 「終わりだ。【人魚砲撃セイレーン・ブラスター】!!」




 巨大な水球が発射され直進……空中で無数のレーザーとなり赤いロボットと龍を襲った…が






 「【水玉模様みずたまもよう】」






 突如、空中に無数の水玉が現れる、そして水レーザーを全て飲み込んだ




 「な、なんだって!?」
 《くっ…やっぱり今の姿じゃ神の力には……!!》




 スコープで確認する……すると、清水さんが手に何か握ってる。アレは…杖? いや違う、錫杖ってヤツだ


 まるで水を固めたような……氷とは違う、まるで水の時間を止めて錫杖の形にし、貴金属の装飾をしたような武器…アレが清水さんの【神器ジンギ】か


 《アレは【水神】ね。本来の姿のルーチェミーアなら問題無いけど…今の状態じゃキツイわね。今の私達はジュートの力に比例して力が上がるから……》


 要は俺の力不足……ティエルは申し訳なさそうに言う


 「問題無い。今はこのまま行こう…向こうも俺に決定打を与えることが出来てない。このままチャンスを……なっ!?」


 突如、雨が降ってきた




 「【集中豪雨しゅうちゅうごうう】」




 視界がふさがれるほどの雨。ヤバい


 「ティエル、カウルを、閉じろ…!!」
 《わかった、わ……!!》


 カウルを閉じる、マズイ…前が見えない!!


 「ティエル、大丈夫か!?」
 《フン。この程度であたしの運転を止められるとでも?》


 な、なんかキャラが変わってる……やっぱコイツ不良天使だ


 雨に混じるように爆撃が続くがティエルは全て巧みに回避する…コイツホントに運転初めてなのかよ!?


 《………!!》
 「ティエル?」


 《ジュート、何か来るわ!!》


 俺は瞬間的に上空を見る…が、豪雨で何も見えない


 俺は予想もしていなかった




 雨を浴びながら、鉄間てつまさんが拳を構えて落ちてきたなんて






 「どうやらここから第二ラウンドみたいだな……!!」





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