ホントウの勇者

さとう

戯れの世界よ我が手の中に②/2人の事・責任



 〔大樹都市ウィル・ティエリー〕を出発して3日目。俺とクロは順調に旅を続けていた


 現在は大きな木の下で休憩中、近くには【流星黒天ミーティア・フィンスター】を止めてある


 【白の大陸】は雪国なので、心なしか気温が下がっている気がする……どっかで防寒具買っておいた方がいいかもしれない


 「もうすぐ〔グーツ大橋〕か」
 《そうネ。橋を抜ければ【白の大陸】ヨ、そこでティルミファエルに会いに行くワ……ハァ》


 クロは小さくため息をついたのを俺は聞き逃さなかった


 「何だよ? もしかして苦手なヤツなのか?」
 《ウーン……苦手と言うか、あのコとルーチェミーアはよくワタシの取り合いをしてたから…それがまたあると考えると……ハァ》


 クロは再びため息をつく


 「なぁ…ティルミファエルってどんな奴なんだ?」


 また変な動物なのかな?


 《あのコは…マジメね、ワタシとはヨク話が合うんだけど、フワフワした物が大好きでね…ワタシがお昼寝してるときにいつの間にか隣にいたり、ルーチェミーアとよくケンカしてたワ》


 なんだそれ……なんかかわいいな


 《そんなコト会えば分かるワヨ。さっさと行きまショ》
 「ああ…その前に時間くれないか? 【白の大陸】に入る前に済ませておきたい事があるんだ」
 《?……いいケド》


 よし……じゃあ、マフィの所へ行くか


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 転移装置でマフィの所へ転移する
 着いたのはいつもの休憩室、そこに2人の人影が見えた




 「………おかえり」
 「お・か・え・り!!」




 氷寒と括利が出迎えてくれた……なんか怒ってる?




 「あ、はい……ただいま」




 なんか機嫌が悪い…おかしいな、こまめに連絡はしてるし、お土産も用意してるんだけど…すると、マフィが現れた




 「おーおー…エルフ少女と激しい一夜を過ごしたジュート君の登場だ!! ふふふ、おかえり」
 「…………よし、殺そう」




 俺は【神器ジンギ】を発動させ腰から一本のストレージを取り出す


 【第二神化弾倉セカンドエボル・ストレージ】……新しく生まれた【第二神化形態】へ変身するためのマガジンだ




 「じょ、じょジョーダンだ、落ち着け!! 私の性格を知ってるならわかるだろ!? かわいいイタズラじゃないか!!」




 「…………次やったらマジで殺す」




 俺は本気の殺意を込めてマフィに言う。見た目中学生だけどこんなことをされれば誰だってキレる。しかもこの様子からして氷寒と括利も知ってるっぽいしな




 「………き、肝に銘じておこう。そ、それよりクライブグリューンを仲間にしたんだな」
 「おう、おーいみんな出てこーい」




 俺が言うと辺りに紋章が輝き【九創世獣ナインス・ビスト】が現れる




 《ふあ~~…よ~く寝たぜ、いやー仲間と飲む酒はうめぇなぁ…おいジュート、酒をまた買い足しておいてくれや。次は【白の大陸】だろ? くぅ~楽しみだぜ!!》
 《アグニードラお酒クサイ~…ねぇねぇジュート、わたしはもっとケーキが食べたい!! ね、トレパモール!!》
 《もぐもぐ!!》
 《ううう…アグニードラさんに無理矢理飲まされてアタマが痛い……ジュートさん、解毒の魔術をお願いするっすよ……ううう》
 《ハァ……ホントに昔に戻ったみたいネ……フフフ》




 全員集合。改めて見るとホント変なメンツだよな。トカゲ、人魚、モグラ、トンボ、黒猫…ホントにこいつら伝説の【神獣】なのかねぇ?




 「ほらクライブ…これでいいか?」
 《はぁ~…楽になったっす》




 クライブに【白】の魔術をかけてやる。そしてマフィに視線をうつすと彼女の元でホバリングをする




 《おや? あらら、マレフィキウムさんじゃないっすか? 元気でしたか?》
 「ああ。クライブグリューンも元気そうじゃないか」
 《いや~…まぁ、ははははは……》
 「……苦労してるようだな」




 項垂れるクライブに同情するマフィ…〔セーフルーム〕でなんかあったのかな?




 「さてジュート……いろいろ聞こうか。それとお前の身体を調べさせて貰うぞ」




 マフィがにやりと笑った


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 「なるほどな……理解した」


 俺はマフィにこれまでのことを話した…もちろん氷寒と括利も一緒だ
 10年前の〔神の器〕のこと、第二神化形態のこと、目覚めた左腕のこと…全て話した


 「ふむ…私のほうも話しておくことがいくつかある。その前に…お前の身体と魂を調べさせて貰うぞ」


 マフィの指パッチンで風景が変わる…これにも慣れてきた


 場所は以前も来た診察室。ここで調べるのか


「そこに立て……すぐに終わる」


 マフィの言うとおりにしていると、周囲からレーザーのような物が俺の身体をスキャンする
 そのまま3分ほどで検査は終わった


 「よし…解析に時間をもらう。そうだな…2日ほどだな、それまでゆっくり遊んでろ、いままで会えなかったぶん、氷寒と括利を構ってやれ」


 構ってやれって……子供かよ
 すると氷寒と括利が俺の腕をとった


 「それじゃ……行きましょうか」
 「ふふ~ん、凄いところがあるんだ~」


 怒りは収まったのかごきげんだ、まぁ2人に会うのは久しぶりだし…どこでも付き合うぜ




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 二人に連れてこられたのは……ここって


 「ここか?」
 「……ええ」
 「ビックリするよ~!!」


 のれんが掛かった和風な入り口
 周囲は白い研究所見たいな壁なのに、ココだけ木材で出来ている
 しかものれんには……「ゆ」と書いてある


 「な、なぁ…ここって」
 「いいから入る入る~!!」


 括利に背中を押され中に入った


 入ったのはどう見ても脱衣所
 鏡がありドライヤーもある。自販機に体重計にマッサージチェア、扇風機までおいてあるぞ


 「見て見て~……じゃじゃ~ん!!」
 「え?……うぉぉぉぉ!!!」


 括利が扉を開けるとそこにあったのは……露天風呂


 美しい風景の場所だった。風呂は自然の岩で組まれた天然の岩風呂に、垣根の向こうにはいくつもの木…桜の花が咲いている。時間は夜で空は満点の星空に満月が輝き、ほんの少しだけ温かい風が吹いて桜の木を揺らしている


 広さも申し分なく洗い場も5つ設置されている。なぜかプールで使うようなマットがあったが…まぁいいか。ライトは薄暗いが月の明かりとマッチして絶妙な明るさを演出している。まるで高級旅館に来たように感じた


 「………さ、入りましょ」
 「え…みんなで!?」
 「当たり前でしょ? それに、裸なんて見慣れてるでしょ?」
 「そうそう、はやくいこ?」


 二人はあっさりと全裸になる……やばい、反応してきた


 俺も服を脱ぐ……やっぱりね、しょうがないよね


 「……あら」
 「おお~!!」


 二人の視線は俺の下半身に…俺は二人の上半身に固定されている


 「さ、いこっか」


 二人は俺にべったりくっついてきた…ええい、ままよ!!
 俺たちはそのまま風呂へと繰り出した




 俺はここで、二人に伝えたいことがあった


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 当然ながら俺は我慢出来ずに爆発した


 最初に二人が俺の身体を洗い、今度は俺が二人を洗う…そして、氷寒の身体を洗い始めてすぐに爆発、二人と交互に交わった


 しばらく行為を続けやっと落ち着き…湯船につかる。括利は俺にべったりくっついていたが、氷寒は隣でゆったりしていた……気持ちいい


 「キモチ良かった?」
 「ああ、最高だった」


 括利は俺の首に手を回して密着しキスをねだってくる…かわいい


 俺は二人に話をする事にした




 「氷寒、括利……話があるんだ」


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 「……どうしたの?」
 「なになに~ マジメな話?」
 「ああ……今後についてだ」


 俺は括利を抱きしめて、氷寒を肩によせた


 「俺さ…二人のこと好きだ、でも…本心では迷ってた。命を救うために抱くなんて…そんな理由で初めてを貰って……こんな俺が愛される資格があるのかって」


 「ここに戻ってくるたびに我慢出来なくなる。二人を抱きたくてたまらなくなる…まるで、心じゃなくて身体が欲しいみたいで…最低だよな」


 「もっといろんな町でデートしたり、遊んだり…恋人になるならどっちがいいとか考えてた。二人を抱いておきながら、他の女の子のことも考えてた」


 「でも…エルフの、アウラに言われて分かったんだ。男なら責任を取れって、誰かじゃなくて俺は…全てを手に入れる。ここは異世界だし関係ない…全部手に入れて幸せにする…いや、してみせる」


 二人は黙って聞いている
 俺は立ち上がり二人に向き合って言う、二人も立ち上がり俺に向き合った




 「高名氷寒たかなひょうかさん……鳴戸括利めいとくくりさん!!」




 俺の人生初の告白……聞いてくれ!!


















 「俺と付き合って···いや、結婚して下さい!!!」


















 俺の声は天まで届いた……気がする




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 「いいよ?」
 「……ええ、私達はそのつもりだったし」
 「………………は?」


 二人とも真顔であっさり言う……なにこれ?


 「ふふふっ ジュートはマジメだから悩んでたんだね。それで吹っ切れたと…バカだねぇ、あたし達はジュートに求められてスッゴく嬉しかったんだよ~?」


 「………そうよ、今は無理だけど…全てが終わったらみんな・・・で暮らしましょう。大きな屋敷を買って…子供も作って、ふふふ、夢が広がるわね」


 「だからジュート。負けないでね、強くなってみんなを助けてあげて。わたしや氷寒ちゃんはジュートが側にいてくれるだけで嬉しいの。ジュートが他の女の子を連れてきても笑顔で迎えられるよ」


 「………そうね、静寂さんや弓島さん、羽蔵さんもここに連れてきてね。楽しくなりそうね」


 「………あははは」


 俺なんかよりこの二人は強い…悩んでたのがバカみたいだ


 「なぁ……いいか? 今日は寝れないかも」
 「うん……大好き」
 「……楽しもう?」


 俺は再び二人を抱きしめた


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 それから二日間、みっちりと二人を愛した
 露天風呂とベッドを行き来して何度も交わり楽しんだ
 〔神の器〕になってから精力が増した気がする…気のせいかな?


 二人は疲れきって寝ている……俺は静かに部屋を出た


 「おお来たか、ふむ…満足したようだな」
 「うるせえよ」


 マフィは変わらずに俺をからかう……やっぱシメよう


 「さて、いろいろ話さねばな」


 「ああ、頼むわ」


 取りあえず話を聞くことにするか




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 「まずは氷寒と括利だが…いいニュースだ。あいつらの中の神。【氷神リディニーク】と【糸神ドゥレヌアラクネ】の精神汚染が消失している。恐らくお前という人間を知って【銃神】に対する恨みが消えつつあるんだ。このままいけば【神器ジンギ】も再び使えるようになるだろうな」


 「マジかよ、じゃあ…俺の左腕は使わなくてもいいのか?」


 「…………やめておけ、その『左腕』は多用するな」


 「なんで?」


 「お前の魂を調べたが…どうやら喰った魂は【銃神ヴォルフガング】の魂に吸収される。お前の魂と【銃神】の魂は同化してる、すなわちお前の魂に吸収されていることでもある。人間であるお前に神の魂を受け入れることは難しい。【銃神】でさえ、その腕は切り札だったのだぞ? 今は【九創世獣ナインス・ビスト】が負担を軽減させているが……」


 「ちょ、ちょっと待てよ。クロ達が?」


 「そうだ、お前との契約で魂にパスを繋いである。ヤツらも同意済みだ」


 「……………」


 「とにかく多用はするな……いいな?」


 「ちょっとまて。仮に…40人の神の魂を喰ったら……どうなる?」












 「…………死ぬぞ」












 「………………そうか」






 なんとなく予想してたけど……キツいな




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 「………じゃあ、気を付けて」
 「いってらっしゃ~い!!」


 氷寒と括利が俺に抱きついて挨拶をする


 「忘れるな……多用するなよ」
 「ああ、サンキュ、マフィ」


 マフィの念入りなアドバイスも受け入れる


 「じゃあ行くか、クロ」
 《そうネ》


 クロは俺の肩に飛び乗り、顔をこすりつける


 「じゃあ…いってきます!!」


 俺はそのまま転移した




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 落ちた場所はちょうど〔グーツ大橋〕の手前だった


 「お!! 見ろよ、ありゃ雪だぜ!!」
 《ヒィィ…ワタシ寒いのダメなのヨ!!》


 橋の向こう側は銀世界……雪が積もっている


 「安心しろよ、魔導車で行くから。あと近くの町で防寒具を買おう」
 《よ、よかったワ》


 俺は魔導車を出して乗り込む。クロは助手席に座り込んだ


 「さーて……行くか【白の大陸ピュアブライト】!!」


 《ハァ……寒いのイヤ》




 おいおい、テンション低いな…大丈夫か?


 俺は魔力を流し込み、魔導車を発進させた



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コメント

  • ノベルバユーザー333944

    ここまで読んどいてアレだけどさ読んでて気分が悪くなる まぁ読んでる自分が悪いんだけどさ

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