ホントウの勇者

さとう

MID BOSS BATTLE③/【銃神ヴォルフガング】VS【斬神】・【毒神】/ホントウの神器





 ここは······来たことあるな




 そこは、以前来たことのある教室だった
 初めて【神器ジンギ】に目覚めた時に来た教室
 ご丁寧に、今回も制服だった






 『よう』


 「え?」




 そして、『俺』がいた






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 『会話するのは初めてだな「俺」、よろしくな』


 「お、お前は···俺に神器をくれた『俺』だよな?」


 『そうだな。まぁあれは元々お前の力だ、俺はそれを渡したに過ぎねぇけどな』




 えーと······何から聞けばいいんだ?




 「お前···何者だ。【銃神ヴォルフガング】でいいのか?」


 『あぁ? 違う違う、聞いたことあるだろ?【銃神】の意識は既に消えてるって、『俺』は【銃神】の力が「お前」という人間の人格をコピーした存在だよ』


 「つまり···【銃神】が俺の人格になった···ってことか?」


 『そーいうこと、以前話せなかったのは、人格のコピーが不完全だったからだ』




 そういうことか······って、そんなことはよりも!




 「おい、出口はどこだ⁉ 早くあの二人を」
 『やめとけ』




 『俺』は真面目な顔で静止する




 『神器は破壊されたし、魔術も効かねぇ···今のお前じゃ勝てないよ』


 「うるせぇ‼ あいつ等は、アウラを···アウラを···」


 『······ふん』












































 『アウラはまだ・・・・・・生きてるぜ・・・・・
















 俺は、『俺』が何を言ってるのか理解出来なかった






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 「どういうことだよ‼ アウラの心臓は確かに止まったぞ‼」


 『落ち着けよ、心臓が止まったからってすぐ死ぬ訳じゃねぇだろ? 肉体は死んだが魂は死んでない。蘇生すれば助かるはずだ』


 「でも···サソリの毒で、回復魔術は弾かれる。どうしようもねぇよ······」


 『バーカ、確かにあいつの毒は強力だ。人間が生み出した魔術で何とかできるもんじゃない······なら、どうする?』




 何だよそれ···俺の持ってる魔術じゃどうしようも······ん、まてよ···人間の魔術?・・・・




 『じゃあ答え合わせだ······わかったか?』


 「【白】の······【神話魔術】」


 『正解だ』


 「だ、だけど···神話魔術なんてこの状況じゃ使えない‼ こればっかりは呪文を唱えなくちゃ使えないんだぞ、そんなのザンクとサソリが許すはずがない‼」


 『だったら答えは1つだ』


 「え?······」














 『あいつ等をブチ・・・・・・・のめしてから・・・・・・使うんだよ・・・・・


 「············はぁ?」














 何を言ってんだコイツ?
 コイツ自身があいつ等には勝てないって言ってんのに




 『俺が聞きたいのは覚悟だ···いいか、あいつ等を倒す方法はある』


 「マジか⁉」


 『ああ、ただし···この力は今のお前じゃ3分しか持たない。しかも使えば24時間、神器を使えなくなる』


 「マジかよ···さらに上の力があったのか」


 『当たり前だバーカ、豆鉄砲撃つだけの神器じゃねーぞ』




 なんかムカつく···でも、希望が見えて来た
 でも、なんでいきなり?




 「なんで、そんなにあっさり力を貸してくれるんだ?」


 『俺』は俺を見て苦笑して言う


 『バカか? 外の様子は俺も見てた。俺は「お前」だぜ? あのクソ共をぶちのめしたい気持ちはお前と一緒だ、だけど…お前に力を渡すきっかけが掴めなかった。お前が死の淵に立たされたときしか俺は干渉出来ないからな』


 「そう……だったのか」


 『いいか、【銃神】を信じろ。「俺」を…『俺』を信じろ』


 「へっ……疑ったことねえよ‼」


 『はっ、生意気なヤツだぜ』


 「お互いにな」




 『俺』は左拳を突き出してくる、俺はその拳に自分の左拳を合わせた···すると




 『へへっ···』


 「おお······」




 温かい何かが流れてくる···それはとても気持ちよく···なんだか懐かしかった




 「なぁ···お前、名前は?」


 『あん?···そんなのねぇよ、好きに呼べ···どうせ長い付き合いになるんだからよ』


 「そっか······じゃあ」


 「じゃあお前は、『ガント』だ」


 『?···どういう意味だ?』


 「『銃斗ガント』ってことだよ」


 『ああん?』








 温かい光に包まれながら、俺は目を閉じた


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 《来たぜ······感じるか?》


 《うん、ヴォルとジュートのチカラが混ざってる》


 《もぐ······》


 《信じまショ。ジュートはきっと勝つワ》




 〔セーフルーム〕の深淵で、神獣たちは見守っている






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 「さて。これが終わったら食事にしよう、そのあとであいつら・・・・に連絡して合流だ」


 「はぁ、あの大食い女とお調子者に会うのかぁ…私はアナタと2人でいいんだけれど?」


 「そういう訳にはいかないだろ? それに……アイツも探さなくちゃいけない」


 「ふん、ビビって逃げた臆病女なんて放っておけばいいのよ」


 「そんなこと言うなよ。僕たちはたった5人の仲間なんだ」






 「わかって………!?」
 「何だ!?」












 それ・・は突然起こった




 「……無月君!?」
 「これは…一体、何が!?」




 濡羽色の膨大な魔力が周囲に吹き荒れ始めたのだ


 その魔力は〔大樹都市ウィル・ティエリー〕だけでなく〔ワウドゥ古代森〕すら飲み込み輝く


 〔大樹都市ウィル・ティエリー〕周辺の集落のエルフ達は、この光景を神の力と理解した


 マニャーナとヨルナは、この光が温かく感じ…


 ラルシドとフェリーナは、2人の王族の拘束を思わず離した


 エルフ王ラウド・フィールディングは、神に祈りを捧げていた




 この場にいる全員が、無月銃斗を見ていた


 輝きが収まり、周囲が晴れていく……そして、そこにいたのは




 無月銃斗…【銃神ヴォルフガング】の〔神の器〕




 「……馬鹿な!?」
 「アナタ……一体何者!?」




 その姿は大きく変わっていた


 身体を覆うコートは修復され、所々に鎧が追加されている。半コート、半鎧といった風貌だ
 下半身のグリーブは、装甲が追加されより強固になっている
 右腕の籠手も修復され装甲が追加、より鋭角的なデザインへと生まれ変わった
 顔を覆う半仮面も、より恐ろしく、悪魔的に姿を変えた


 なにより……一番変化したのは『左腕』


 【銃神ヴォルフガング】のもう一つの【神器ジンギ】・『魂喰いの左腕ソウルイーター・アルマイト


 左腕の指先から肩まで完全な鎧が装着され、肌の露出は一切ない


 究極の神殺しの神器が目覚めた瞬間であった


























 〔セーフルーム〕の深淵で、クロがポツリと呟いた




























 《第二神化形態だいにしんかけいたい……》





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